序章 -姉がブラコンを自覚するまで- part2
姉弟で水着を選ぶ話です。
モールに無事到着し、姉さんが
俺を水着売り場へと本当に連れていった。
姉さんが店内を物色し、水着を持ってきて
俺に見せて尋ねてきた。
「ねえねえこうちゃん、どれがいい?」
という姉さんの問いに
「姉さんはどんな服も水着も似合うよ」
とろくに見ずに半ば投げやりに答える。すると姉さんは
「もう!こうちゃんの好みはどれなのって聞いてるの!」
「何で弟の好みを知る必要があるんだよ」
「弟の好みを知らない姉は姉じゃない!」
「ちょっと何言ってるかわからない」
「いいから、こうちゃんの好みの水着はどれなの?」
目の前には三つの選択肢が用意されている。
一つ目はビキニタイプだ。
形状はよくテレビで海開きに来て取材を受けている
女性が着ているような
本当にスタンダードという言葉がしっくりくる水着だ。
二つ目はワンピースタイプでボトムにスカートがついてるタイプだ。
肌がかなり隠れる面積の水着だ。
三つ目を見た瞬間俺は思わず自分の目を疑った。
「姉さん、この水着・・・・・・」
「ふふーん、どう、この水着!
えっちぃ気持ちになる?なる?ねぇ」
布の面積が最低限しかない。
見えてはいけないところしか隠れてない。
こんな水着があんだねほんとに。
「この水着は強制的に却下」
「ちえ~こうちゃんなら選んでくれると思ったのに」
「海水浴場が違う意味で血だらけになるからやめろ」
「ざ~んねん、別の水着とってくるね~」
「水着をお探しですか?」
店員のお姉さんが話しかけてきた。
「そうなんですよ~」
と姉さんが答える。
「へぇ、もしかして、カップルだったりしますかー?」
と言うので
「姉弟です」
とすかさず答える。
間髪入れず答えた途端姉さんが不機嫌そうになる。
「あ、そうなんですねー全然似てらっしゃらないからてっきり
そうなのかと思いましたよー。
ところでどのような水着をお探しですか?」
「姉がすでに水着を探して持ってきてますので」
「え、あ、そうですか?失礼しましたー」
店員さんは他の人の接客に行く。
「むぅ、私は今すごく不満があるのですが
とりあえずまた水着を持ってきてから
言います」
姉さんが売り場へと消えていく。
そして試着室の前でボッチになる俺。
そう、さっきのやりとりはすべて試着室の前で
行われていたのである。
そのためほかの女性客の視線が痛いこと痛いこと。
一刻も早くここから逃げ出したい。
しかし逃げたら逃げたで今度は姉さんからの理不尽な
小言を延々と車の中で聞かされるのが目に見えているので
仕方なく耐える。
「お待たせ~」
姉さんが戻ってきた。
「この水着どうかな?」
代わりに持ってきた水着はビキニタイプの水着。
だがトップはスポーツブラみたいな感じの
形状でボトムはショートパンツタイプだ。
何でスポーツブラを知ってるかって?
昔姉さんが下着でお風呂上りにリビングを
歩いていた時に着ているのが見えてしまったことがあってね。
それで。
深くは追及しないでくれ。
「そういえば、まだ試着してないよね~。
試着しないことには何も言えないよね~」
あれ、そういや不満とやらはどうした。
言わないのか。
「じゃぁ試着するね~」
そういって姉さんが試着室に入る。
どうやら不満を言うのを忘れたらしい。
下手につついて藪蛇になっても面倒なので黙っておく。
しばらくして普通のビキニを着た姉さんが出てくる。
「どう?こうちゃん」
「似合ってる」
「・・・・・・ふぅん。じゃぁ次の水着着るね」
しばらくして姉さんが出てきた。
次はワンピースタイプの水着だ。
「似合ってると思う、こうちゃん?」
ワンピースタイプの水着を着た姉さんの姿を見る。
なんとなく姉さんにはこれが似合うと思った。
「俺はこれが一番似合うと思う」
「おお、珍しくこうちゃんがまともな意見を言ってくれた!
じゃぁこれにしよう」
「まぁ一応最後の水着着てる姿も見ないと」
「もうこうちゃんってば欲張りなんだから~!
じゃぁ最後の水着に着替えてくる~」
少しして最後の水着を着た姉さんが現れる。
「姉さんにはそういうボーイッシュな水着は微妙に
合ってない気がする」
率直に俺が意見を言うと
「お、おう・・・・・・どストレートに言ったね。
じゃぁ2番目の水着にする~」
そういうと着替えて姉さんは水着を会計に持っていく。
そして姉さんが戻ってきたので
モール内を散策し始める。姉さんがなんか上機嫌だ。
「どうしたの姉さん」
「え~、こうちゃんが水着に対してちゃんと意見を言ってくれた
ことがうれしくて。不満も吹っ飛んじゃった」
「そう・・・・」
不満はなくなったのね。よかった。
その後つたない会話をしながら
モール内を歩いていたら
姉さんが手を恋人つなぎで繋ごうとしてくるので
手を引っ込める。
「何で手をつないでくれないのよ!」
「恋人つなぎをする必要がないじゃん」
「むぅ」
「そもそも普通の姉弟は手なんかつながない」
「手、繋いでくれないの・・・・・?」
姉さんが涙目になる。周りから殺意めいた視線が・・・・・・。
「・・・・・・繋げばいいんだろ」
「わぁいやったぁ!」
「普通のつなぎ方でな!」
「うん!」
姉さんが手をつないできた。
「そういえばお母さんから買い物頼まれてるんだよね~」
「ああ、食料品とか?じゃぁ今から買いに行こう」
「そうだね!」
食料品や日用品も買ってモールを後にした。
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