5章 -弟入院、そして-
前半は前の章で出てきた少女、・後半は主人公視点です。
わたしが大通りを歩いているといきなり男の人3人組に話しかけられた。
「ねぇキミ、今暇?」
いかにもなチャラチャラした格好の人がまず話しかけてきた。
「暇だよね?なら俺たちと遊ぼうよ」
もう一人のイケメンな感じの人が誘ってきた。
「メシとか俺らがおごるからさ?な、いいだろ?」
そして最後に普通の見た目の人が強引に同意を求めてくる。
「ごめんなさい。急いでますので」
そう言って立ち去ろうとしたけど3人で壁を作って
通せんぼをするように前に立ちふさがって邪魔される。
「いいじゃんか~俺達と一緒のほうが絶対楽しいって!」
「そうだよ!絶対楽しいよ!」
ほんとなんなのこの人たち。早く帰りたいのに。
「いいえ結構です。そこをどいてください」
「つれないなぁ。結構いいっていってるのにそんなことを言うなんて、
キミもしかしてツンデレってやつ?俺そういうのも全然OK!」
この人たち本当にわたしのいうことをなにひとつ聞こうとしない。
なんて身勝手なんだろう。
「お断りします。それでは」
しびれを切らして無理やり立ち去ろうとしたら
普通の見た目の人に手首を掴まれた。
「そんなこと言わないでくれよ。寂しいだろ」
ぞっとした。怖い。
そう思った瞬間に知らない男の人がチャラチャラした格好の人にぶつかる。
ぶつかった後に小競り合いがあった後ぶつかっていった人が
そのチャラい人に殴られて倒れる。
そしてチャライ格好の男の人が他の二人にも暴行するように指示して
ぶつかってきた男の人にリンチを始めた。
このままではぶつかっていった人が死んでしまう。
そう思ったわたしは急いで警察と救急車を呼ぶ。
でもそこからわたしはどうすることも出来ず、ただ見ていることしか出来なかった。
そして数分後に警察官が来てわたしにしつこく絡んできた男の人たちを連行していった、
ほぼ同じタイミングで救急車が来てさっきまで暴行されてた人を病院へと運んで行った。
そういえば一体あの人は何のためにわたしに絡んできた男の人たちにわざと・・・・・
もしかして、わたしを助けようとして?
そんな推測をしてたら警察官が今回の暴行の顛末について聞きたいから警察署まで
来て欲しいと言われたのでバトカーに乗って警察署まで行き暴行のいきさつをすべて話した。
事情聴取が終わった後に救急車で運ばれた人の
名前と入院した病院について無理言って教えてもらい、病院へと急いだ。
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何だろう。瞼が重たい。
一生懸命目を開けようとするがうまくいかない。
仕方がない。もう少し寝よう。
そして眠気がなくなり瞼を動かそうとしたら
少しずつだが動いた。
薄目くらいまで瞼を開けると少しだけだが視界が開けた。
すると
「患者さんが目を覚ましました!」
「すぐに先生を呼んで!」
という声が小さく聞こえる。
まだ眠気が強い。
でも今聞こえた声の正体が知りたいという気持ちから
無理矢理瞼を限界まで開く。
目を見開いて最初に見えたのは見たことない壁だった。
そして視界の左端に見たことのある点滴を吊るすスタンドが見える。
ってことは俺は今病院!?
ってそうか俺殴られて気絶して、それで救急車で運ばれたのか。
で、何かしら治療が行われて個室の病室にいるということか。
今俺が置かれている状況を脳内で整理していたら
病室のドアが開いて医者と思われる人が入ってきた。
「桜木くん。目を覚ましたようで何よりだ」
「・・・・・・はい」
俺は未だ眠気がどうにも拭えず辛うじて返事するのがやっとだ。
思うように思考が回らずどうにもまともに喋れない。
「兎に角意識が戻ってよかった。キミの家族がここに到着次第
現在の病状等について説明しよう」
そう言って医者は帰っていった。
しばらくして思考がやっと平常通りくらいに回り始めた頃、
病室のドアが再び開いた。
入ってきたのは俺の家族だ。
「こうちゃん!生きてる!生きてるよ・・・・・良かった・・・・・」
「浩太・・・・・・生きてて本当に良かった」
「もし生きて帰って来なかったらどうしようって思って
この2・3日一睡も出来なかったよ」
姉さん、母さん、父さんの順で言葉をかけられる。
俺の生死を確認して安堵したところで医者の人が来て
俺の病状について家族全員で説明を受ける。
肋骨や鎖骨を骨折しており骨が元通りになるまで
1ヶ月くらいかかること。
その間は絶対安静そして骨が繋がるまで一日中激痛に
苛まれることとなるだろうということ。
また、肋骨が折れて肺に穴が開いたため手術をしたこと。
その他入院時の生活等について一通り説明を受けた。
そして質問が終わったところで医師の方は帰っていった。
父さんと母さんがすぐに入院生活のために必要なものを
買いに行くといって病室を出て行った。
姉さんと二人きりになる。
少しの無言の間があった後姉さんが俺に話しかけてきた。
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