4章 -弟は少女を助ける-
いつも通り、読むことをお勧めしない文章となっています。
読まれる場合は自己責任でお願いします。
この章はこの1話で終わりです。
スマホの道案内に従って歩いていると
1通のメールが送られてきた。
立ち止まって確認すると、差出人は響さん。
内容は、
言い忘れていたが、
もう少し素直になってくれていいんだぞ?
というものだった。
響さん、俺が素直になることは一生有り得ませんよ、
と心の中で返事してまた帰途につく。
そしてまた少し歩いて繁華街に来た時だった。
俺が進もうとしている方向に一人の少女が3人の男に絡まれているのが見える。
アニメなんかで見たことあるシーンが俺の目の前で今将に繰り広げられている。
こういう輩が現実にいるんだな。
・・・・・・・・・・・・・・
正直俺に助ける気概はない。
面倒事に巻き込まれるのが目に見えてるから。
そしてそもそも女という生き物にもう関わらずに
生きていくと決心した人間だ。
だが何故か助けなきゃいけないという気持ちが湧いてくる。
突然現れた今まで出てこなかった強い感情に戸惑いが隠せない。
助ける気は更々ないのだが助けなければという謎の義務感が
俺の中で鬩ぎ合う。
結局脳内論議の末助けないと後悔するような気がしたので
助けることとした。
だがどうやって助けるか。
といってもわざとボコられてその間に逃げてもらう以外にないんだが。
そうと決まればボコられるための準備を手早く済ませて
わざと男達にぶつかりに行く。
ドン
「いってぇなぁテメェ・・・・・・・・?」
「何してくれてんだァ?ああっ!?」
「はい?」
「はい?じゃねぇヨ・・・・・?ぶつかってきといて
すっとぼけるたぁ・・・・・どーゆー了見だ?コラァ・・・・・・」
「ぶつかってきたという証拠もなしに犯人扱いですか?
おかしいとおもいませんか?アナタ」
「あ?何ナマ言ってんだぁ・・・・・・?ブッ殺してやらぁ!!」
男の一人から拳が飛んでくる。
顎に向かって拳振り上げているのが目線と腕の動きからわかっていたが
俺は敢えて避けずに馬鹿正直にその攻撃を受ける。
まさか姉さんから暴力を受けてたときの気づきがこんなところで生きるとは。
そう思った瞬間顎に鋭い衝撃が走り俺は倒れ、そのまま意識を失った。
********************************************************************
僕が繁華街の近くにある書店で何かいい小説がないかと探していると
珍しい人物から電話がかかってくる。
「もしもし」
「もしもし、桜木だけど今どこにいる?
「おやおや、なかなか珍しい人から電話が来た。
僕は今繁華街の近くの書店だけど」
「もしかして先代書店か?」
「そうだけど」
「ちょうどいい、今すぐ俺がいるところに来て欲しい。実は」
浩太が今すぐ僕に来てほしい場所とその理由を聞き、
僕は今すぐ行くと言って電話を切り彼が指定した場所に向かった。
その場所に辿り着くと、彼が言っていた通り少女が3人組の男に絡まれていた。
「お、来てくれたか立花」
「全く、人が有意義な時間を過ごしている時に
突然呼び出したりして」
「それはマジすまん」
「それにしても、浩太が情けない手を使ってでも女の子を救おうと
するなんて近いうちに天変地異が起きるんじゃないかと心配になるよ」
「立花、情けないは余計だ。それに今はそんなこと言ってる場合じゃない。
電話でも行ったが俺今からあいつらにボコられてくるからその様子を動画で撮ってくれ」
「わかったよ。で、どこで撮影すればいいかな」
「あの店先あたりならいい感じに撮れそうだからあそこから」
「了解」
「あ、後」
「なんだい」
「俺が倒れても犯人が警察に連行されるまでそのまま撮り続けろ、カメラを止めるな。いいな」
「ああ。心得たよ」
キミの一体何がそこまでさせるのか。
何故名も知らぬ彼女のためにそんなことをするのか。
でも一つ言えるのは浩太にもそういう気持ちがまだ残ってたってことだね。
さて、感慨に浸るのもここまでにして所定の位置について事の顛末を撮りますか。
僕は指定された位置についてスマホのカメラ機能を起動させる。
彼が僕が位置について撮影の準備ができたことを知らせると彼は
チャラチャラした男にわざとぶつかっていった。
そして僕は浩太が暴行され犯人が逮捕されて連行するまでの一部始終を記録した。
もちろん犯人の顔や周囲の様子がばっちり映るように。
そして浩太が病院に救急車で搬送された後僕は警察署に事件の参考人として
任意での事情聴取を受けた。その時に浩太が暴行されている様子を収めた
ビデオのファイルを提出した。
これで彼の考えるように事が進めばいいのだが。
僕ができることはすべてやった。
後は彼次第だ。
事情聴取を無事終えた僕は彼の状況を知るため入院した病院がどこなのか
警察の人に無理を言って教えてもらいその病院に急いだ。
新作のアイデアが次々に出てくるのでそれを文章化していたら
遅れました。
新しく書き始めた小説も並行して書く予定のため
更新頻度が確実に落ちます。
ご了承ください。
あと、誤字・脱字あれば報告してください。
確認次第直します。