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姉という存在。  作者: とある山田
3章 -姉の暴走-
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3章 -姉の暴走- part2

投稿して一時間で修正を入れました。(7/12)


何でこの間違いに気付かなかったんでしょうね私・・・・・・・・。

姉さんに自分の意思を突き付けた翌日。

いつも通りに学校へ、とはならない。

俺が通学するために家を出ようとした瞬間

母さんが話しかけてくる。


「浩太。夜時間ある?」

「ない」

「ちょっと話があるんだけど」

「ない」

「話があるから夕食の後ダイニングに残りなさい」

「・・・・・・・わかった」


母さんが鬼の形相でそう言うので仕方なく応じる。

母さんとの会話の後、俺は家を出ていつも通りに高校に行く。

高校に着いて教室に入るや否や突然立花が


「おや、今話題の中心になってる男が御登校だ」


とか言い出した。


「は・・・・・?俺が一体何なんだよ」

「昨日、浩太が綺麗なお姉さんが運転する車に

乗ってどこかに行ったのを目撃した人がいてね。

それを彼女のお迎えと勘違いした馬鹿な男がいたんだよ」


さてはあいつだな。


「それで、浩太には美人な姉がいるにも拘わらず年上の彼女がいるって噂が

広がってるんだよ」

「はぁ~・・・・・・・頭が痛い」

「昨日浩太を車に乗せた女の人は彼女でも何でもないんだろう?」

「ああ、そういう関係では決してない」

「そうだよな、そんな関係の人が浩太にいるわけないよな」

「お前何気に失礼なことを言ってるぞ」

「でも彼女がいたことなんて今までないのは事実だろ?」

「何でそれを知ってるのか聞こうか」

「勘だよ」

「お前勘が良すぎだろ」

「彼女が今までいたことがないってことが今ので確定したね」

「はっ!嵌めたな!?」

「はて何のことかな?浩太が勝手に喋っただけじゃないか」

「ぐぬぬ・・・・・・してやられた。俺としたことがぬかった」

「ま、取り敢えず暫くは周囲には気をつけなよ」

「フラグ立てるようなことを言うな」

「さ~く~ら~ぎ~」

「うぉっ!?」

「昨日とびっきりの美女とドライブデートしてたそうだな~どうだった~?

デートの感想は~?え~?言ってみろよ~?」

「あれはデートしてたわけじゃないしそもそもあの人はただの知り合いだ」

「ホントか~?」

「ああ」

「・・・・・・どうやら本当のようだな・・・・

だがもし嘘だったら・・・・・・どうしようか」

「何かしたら容赦なく手を打つからな」

「ひっ!」

「おや、小田が珍しく日和ってるぞ。

浩太にはこのまま小田を制御できるようになってほしいね」

「そんなことができるようになって何の意味があるというんだ」

「いやいや、クラスのためにも是非浩太には彼を御せる存在になって欲しいんだよ」

「う、だが、いや確かに俺が制御しないと・・・・・・・ておい。

あいつを改心させるほうが後々のためになるだろ」

「・・・・・・・浩太、小田が改心なんてすると思うかい?」

「言われてみれば確かにそうだな」

「だろう?だからさ」

「無理」

「そこを何とかならないか」

「無理なものは無理だ」

「強情だねぇ」

「何とでも言え」

「はーい席についてー」

「おっと、それじゃあ昼に昨日の逢引の詳細を聞かせてくれよな」

「逢引じゃないし断る」



俺は立花にツッコミを入れて自分の席に着き連絡事項を大人しく聞いた。

その後響さんについて休み時間になるたびに

いろんな人に聞かれたが一切答えなかった。

無論昼にあった立花の追及も逃げ切った。



そして授業が終わって放課後になり帰るために下駄箱まで

来たところでスマホが震える。

何だろうかと思って画面を見てみるとメールが入っていた。

メールの差出人は響さんだ。

その内容は、



今校門にいるからお話ししようよ



という短い文章だった。

もしかして姉さんに関わる話があるのか・・・・・?

と思いながら校門に向かうと本当に校門前に響さんはいた。

うちの生徒(男女両方)に何やら質問攻めみたいなのに遭っていたようだが

俺の姿を見つけた瞬間周りにいた生徒たちを宥めながら俺に近づいてきた。


「やぁ、そこのキミ!私とお話ししようよ」


響さんが胡散臭いナンパ師が言いそうな科白を言うと何故だか知らないが

彼方此方から黄色い歓声が聞こえてくる。

そしてそんな科白を言ったかと思ったら響さんは俺を

フェンス際に追い詰めて壁ドンをしてきた。

後ろはフェンスだが。

その瞬間周囲がまた騒がしくなる。

怖え。壁ドンされた瞬間最初に抱いた感想はそれだった。

よくマンガなんかでヒロインがイケメンにこれをされて

胸キュンするシーンが描かれてたりするが

実際にやられてみると怖い以外の感想が出てこない。

そんなことを思っていると今度は顎クイとか呼ばれる

あの動作をするように手が俺の顎に添えられ、


「ねぇ、キミ。そろそろ私のお誘いへの返事をしてくれるかい?」


と響さんが聞いてくる。

俺は素に戻り溜息をついて


「一体何ですかこの茶番は?

そもそも俺に話をする用事があるからここに来たのでしょう?

さっさと用件を言って頂けますか」


と言うと周囲がシンとする。

響さんは


「キミぃ、ちょいと私に対して冷たすぎないかい?

まぁキミがそういう反応をすることは予想していたが・・・・・・」


と何か言いたいことがいろいろあるけど言わないという感じで俺の質問に答えた。


「とりあえず、ここでするわけにはいかない話をしたいから二人きりで

話ができるところに行こう」

「はぁ。ところで、まさかあそこにあるバイクは・・・・・」

「そ、今日はあれで行こうと思って。前回の反省を生かしてね」

「・・・・・・・・・・」

「どうした死んだ魚の目をして」

「いえ、何でもありません。行きましょうか」

「うむ」



一通り話し終えて響さんと一緒にバイクへと歩き出す。

今迄の話の流れからしてやはり・・・・・・

話の内容を推理しながらふと校門のほうを見ると

そこにいる生徒たちが何か噂をしている。

きっと気のせいだ気のせい。

そう言い聞かせバイクの目の前まで来た。


「はいこれ、ヘルメット。つける前に顎のあたりについてる

機械のスイッチを入れてね」

「これですか?」

「それ」


響さんからヘルメットを渡され指示通り機械の電源を入れる。

そしてヘルメットを被ると耳から


「聞こえるかい、浩太くん?」


と言う響さんの声が右耳から聞こえた

吃驚して声を上げると


「お、私の声が聞こえるようだね。安心した」

「さっきスイッチを入れたのって・・・・・」

「そう、マイクのスイッチだよ。浩太くんがスイッチを入れた機械は

バイク乗りがインカムと通称で呼ぶものだよ」

「はぁ」

「じゃぁ後部座席に座って、後ろについてるバーを握って」


言われた通りに俺はヘルメットを装着し後部座席に座り後ろについてる棒を握る。

・・・・・・・俺の頭のサイズを知らないはずなのに何でここまで

ヘルメットがフィットするんですかねぇ。

待て、それを考えたら負けだ。


「じゃぁしっかりバーを掴んでて」


響さんがそう言った直後エンジンが始動しバイクが走り出した。

少し走り信号待ちで止まったところで響さんが下らないことを尋ねてきた。


「そういえば、初めてのバイクでそれも後部座席に乗ってるけど今どんな気持ち?

綺麗なお姉さんに隙あらば合法的に抱き着けるぜひゃっほい!とか思ってるんじゃない?

なにせただですら小さい車体のバイクの狭い後部座席に座ってるせいで

嫌でも体がくっついてしまってる状況なんだ。ムヒョッス、最高だぜ!

とヘルメットの中で鼻血を垂らしてるんじゃないか?」

「何とも思ってません」

「またまた」

「別に」

「そんなこと」

「あるんですよ」

「む・・・・・・・それはそれで女として非常に悔しいぞ」

「そうですか」

「キミ、そんなんじゃモテないよ?」

「モテなくて困ることなんてあるんですか?」

「大和撫子な女性に好意を寄せられたい、みたいなことを思わないのかい?

クラス1の美少女とか国民的アイドルグループのメンバーに関係を迫られたいとかさ」

「姉で女の本性というものを嫌と言う程思い知ったので好かれたいとか

全然思いませんし彼女が欲しいなんてことも微塵も思いません。

正直色恋沙汰とかいうものに生まれた時から全く興味がないので

そんなものは全く以てどうでもいいことです」

「あぁ・・・・・キミはつくづく不幸だ」

「不幸かどうかは私が決めることです。今私は幸福でも不幸でもありません。

私が幸せかどうは他人が判定することではないと思います。

それに何に対して幸せを感じるかなんて人それぞれでしょう?」

「確かにそれは一つの正論だ。だがね、私は幸福の一つである愛する・愛される幸せ、

それを共有できる相手がいる幸せや素晴らしさというものも知ってほしいと思うんだよ」

「一生知ることはありませんよ、そんなもの」

「果たしてそうかな?人生はわからないものだよ?」

「可能性は限りなく0ですよ」

「ふふ、まぁいずれ私が言ってることが分かる時が来るさ」

「そんな時は来ません」

「その言葉を取り消す時が来ることを楽しみにしてるよ」


そんな話をしてる間に周りの景色が都会になっていく。

そして街の一角にある地下駐輪場に響さんがバイクを停めたので降りる。


「ここの近くに私がよく行くカフェがあるからそこで話をしよう」

「わかりました」


黙って響さんについていき響さんの行きつけのカフェの店内に入る。

誤字・脱字があればご報告ください。

見つけ次第修正します。

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