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姉という存在。  作者: とある山田
3章 -姉の暴走-
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3章 -姉の暴走- part1

暑い。

それでも書く。

室温が32度でも書く。


今回の話は2章最後の姉弟喧嘩の姉視点です。

水曜日。




わたしは図書館で探しものを終えて帰ろうと思い

駅までの道を歩いていたら交差点で響ちゃんにを見かけた。

正確に言うと響ちゃんが車に乗ってどこかに向かっているところを

目撃したのだけど。

そして響ちゃんの車が曲がっていく方向を案内表示で確認すると

こうちゃんの高校の近くに行く道だった。


「もしかして響ちゃん・・・・・・」


良からぬことが起こると告げているかのように雨脚が少し強くなる。

胸騒ぎが起き始め止まらなくなる。


「こうちゃんが危ない」


直感的にそう思ったわたしは急いで響ちゃんの後を追おうとしたけど

すでに信号が青になっていて車は通り過ぎていた。


「こうちゃんの高校に急ごう」


そう思い駅に急いで行き電車に乗ろうとしたんだけど、


「只今大雨により徐行運転を行っております。

20分から30分程度遅れが発生しております。

お客様にはご迷惑をおかけします。申し訳ございません」


こういうときに限って!

今わたしがこうちゃんの高校に早く辿り着くには・・・・・・

あ!そうか!タクシーがある!

わたしは急いでタクシー乗り場を目指して捕まえる。


「すみません、青葉高校までお願いします」

「任せんしゃい!」


そう運転手が言うと急加速して高校へと向かっていった。

高校にもうすぐ着くというところでとんでもない光景がわたしの

目に入った。

こうちゃんが響ちゃんの車に乗り込んでいた。

運転手さんに


「あの車を追いかけてください」

「あいよっ」


そう言うと運転手さんは気づかれないように響ちゃんの車を追ってくれる。

すると、響ちゃんはわたしがタクシーを使って追いかけていることに

気づいたらしく急加速する。


「飛ばしますよ!」


そう運転手さんが言った瞬間猛チェイスが始まった。

でも結局振り切られてしまった。運転手さんが申し訳なさそうに


「すみません振り切られてしまいました。」

「いえ、構いません。目的地を島波駅に変更しても構いませんか?」

「いいですよ」


そうして駅までタクシーを使い、料金をカードで支払った後

そこから歩いて家に帰る。

そして家に帰宅し部屋に入りこうちゃんが帰ってくるのを待った。


そしてこうちゃんの姿が部屋から見えたため急いで玄関へと向かう。

こうちゃんが玄関に入ってすぐわたしは問いかけた。


「こうちゃん、今日どこ行ってたの?」


わたしはこうちゃんに問いかける。


「響さんに呼ばれてお宅にお邪魔してた」


こうちゃんはそう答えた。

そこから質問を繰り返すうちに相談事をしていたらしいことは分かったのだけど

その内容をどうしても言ってくれない。

内容を言わせようとするうち段々と頭の中が負の感情に支配された。

こうちゃんがわたしじゃなくて響ちゃんを選んだことに対する怒り。

こうちゃんがわたしのことを見てくれないことに対する怒り。

わたしの愛に気付いてくれないことへの絶望感。

わたしの愛を無下に扱ってくることに対する不満。

わたしの好きな人を取った響ちゃんに対する憎しみ。

こうちゃんを振り向かせることができなかった自分に対する不甲斐なさ。

こうちゃんを虜にできた響ちゃんに対する妬みと嫉み。

相手が響ちゃんとは言えこうちゃんがホイホイと他の女についていった

という事実とそれに対する悲しみ。

こうちゃんの心の中にわたしがいないことを察したときに感じた虚しさ。

わたしから最愛の人であるこうちゃんを奪った響ちゃんへの恨み。

様々な負の感情が心の中を黒く染めていく。

そしてどんどん黒くなったところに更にマグマのような

激情が沸き上がって溜まっていく。

それを何とか抑えながらこうちゃんに響ちゃんのところに行って

何をしていたか聞き出そうとするも肝心なことをやはり答えてくれない。

どうしても答えてくれないことに血が昇ったわたしは

こうちゃんを怒りに任せて壁に叩きつけた。

それでも答えようとしなかったのでわたしはこうちゃんを床に組み伏せた。

そしてこうちゃんに最後通告を突きつけた。


「こうちゃん、これ以上言わないつもりならわたしはどんな話をしたか

知るためにこうちゃんを監禁しなくちゃいけなくなるの。

そうなる前に言ってほしいな」


こうちゃんが少し考え込む仕草をしたため、ついに言ってくれるのかな

と思っていたのだけど、突然わたしに信じられないことを言った。


「俺はな、姉さんのことが物心ついた時から心の底から大っ嫌いだよ」


こうちゃんがわたしのことを大嫌いと言った。

わたしの大好きな人がわたしのことを大嫌いと言った。

そのことにショックを受け思わず表情も思考も凍り付いた。

こうちゃんがわたしのことを今までどう思っていたのか、

どうしてわたしが大嫌いになったのか。

こうちゃんが喋っていることを聞いているうちに

わたしは合点がいった。

こうちゃんはわたしの愛が何なのかわかっていない。

わたしの愛を理解しようとしない。

わたしのことを見ようとしていない。

だからこんなことを言うんだって。

なら本格的にわたしの愛が何なのか教えてあげなきゃいけない。

どういう風に教えるか考えないと。

そう思ったわたしはその方法を考えるため一旦こうちゃんを

問い質すのをやめることにした。

何の相談をしていたかは愛とは何かを教える時に聞けばいいのよ。

何も焦ることはないじゃない。

そう思いこうちゃんを解放して自分の部屋に戻る。


部屋に戻ってからどういう方法考え込んでるうちに

お母さんが帰ってきて部屋に篭ってる理由を聞かれた。

わたしは浩太に教えなきゃいけないことがあって

その教え方について考えていると答えた。

するとお母さんはそれ以上は聞いてこず

程々にしておきなさいと注意して階段を下りて行った。


でも、そもそもこうちゃんはわたしのことを嫌いだなんて

何でいきなり言い出したんだろう。

響ちゃんが何かしらのアドバイスをしたことは間違いないわね。

今日の逢引中に恐らく何か入れ知恵をされたんじゃないかな。

だって今まで一度もわたしにあんな酷いことを言ったことがないから。

とするとこうちゃんがあんなことを言った理由は

響ちゃんがこうちゃんを確実に自分のものにするために

わたしとこうちゃんとの関係に終止符を打たせようとしたのではないか。

そう考えれば合点がいくわね。

響ちゃんとこうちゃんが土曜日急に仲が良くなったように見えたけど

まさかここまで一気に関係が進むなんて。

こうちゃんに愛とは何かということを教えなきゃと最初思ってたけど

それは後回しね。

まず響ちゃんに何故こうちゃんに手を出したのか

問い質すところからやらないと。これは明日にでもしないと。

それから愛についてどうやって教えるかということを考えて

それを基に本当の愛をみっちりじっくり教えてあげなきゃね。

これは1週間くらいで教え方と教えることを具体的なところまで詰めて

来週金曜くらいにこのプランを実行しよう。


大まかな案がまとまったところで細かいところを煮詰めようとしたら

お母さんにいい加減に降りてきなさいと怒られたので

謝罪をしてリビングへと降りた。


ごはんを食べてお風呂に入ったところで少し疲れが出てきたので

今日はここまでにして明日響ちゃんと対決するための英気を養う

ためにベッドに入っもう寝ることにした。

誤字脱字あれば報告お願いします。

確認次第修正します。


あと熱中症には十分気おつけてください。

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