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姉という存在。  作者: とある山田
2章 -弟の決意-
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2章 -弟の決意- part6

警告!警告!警告!警告!警告!警告!警告!警告!警告!警告!警告!警告!警告!警告!警告!警告!警告!警告!



今回は非常に憂鬱になる文章となっております。

この先は一切読まずにブラウザバックすることを強く推奨します。

ブックマークもなさらないようにお願いします。

低評価で当然な表現しかありません。

「まず、この間の姉さんに告白されても絶対付き合わない

理由からですね」

「そうだね。先日の間の答えが聞けないことには

始まらない」

「ではお答えしますね。なぜ姉さんに告白されたら断るか。

答えは一つ。理不尽の権化であるあの人にこれ以上

いいように扱われるのは御免だからです」

「いったいキミは朱音に何されたの・・・・・」

「いろいろなことですよ、そう・・・・・・・いろいろな」

「浩太くん、どんどん目から輝きがなくなってるよ!?

本当に何があったの!?」

「言いません」

「ねぇ更に暗くなってるけど大丈夫本当に!?」

「大丈夫です。ところで響さんが私にお聞きしたいことってなんですか?」

「目から光が完全に失われた状態で聞かれると怖いよ・・・・・・・

そう、私が聞きたいのはいつから朱音がブラコンだったのか

ってことを聞きたいんだ」

「いつからブラコンなのか・・・・・ですか・・・・・・

確信は持てませんが姉さんは物心ついた時からブラコンなのだと思います。

そして恐らく響さんを含めた大多数の人はブラコンという言葉を聞くと

アニメやマンガで描写されるような姉弟で四六時中イチャイチャする関係を

想像なさるのでしょう。

しかし姉さんのブラコンはそんな甘ったるいものでは全くありません。

あんなの書かれてるようなものとは本質が全く違います。」

「え・・・・・・・・?」

「私、今まで一度もあの人に勝てた例がないんですよ。

勉強のどんな教科でも運動も喧嘩も論弁も全部。

だから俺は物心ついて早々に尊厳を捨てて言いなりになったんです。

言いなりになり始めてから理不尽を理不尽を思うことをやめて

とにかくあの人に従っていたんです。

そのうちどんどん不条理がエスカレートしていって

何々買ってきてと言ってお使いに行かせておいて

買って帰ってきたらこれじゃないと激怒したり

無理矢理俺のものを奪って自分のものにして

何度直訴しても返してもらえなかったり

俺が勉強してたら横からこんなのもできないの?馬鹿なの?死ぬの?

等言って邪魔してきたり

わざと俺のことを何度も無視して俺が涙目になる様を

下卑た目で見て愉悦に浸ったり

一々事あるごとに『アンタなんかいなくなればいいのに』

と面を向って言ったり

川にいきなり突き落として溺れるさまを見て笑ったり

手錠を無理矢理両手両足にかけて部屋に放置したり

何もしてないのにいきなり殴ったり

椅子に座ってる俺を背もたれ引っ張ってひっくり返したり」

「もういい!わかった!わかったからストップ!」

「・・・・・・・とにかく昔から自分の理屈以外一切

認めない、認めない人間には力で認めさせる人間なんですよ」

「でも、今はそんなこともないんでしょ?」

「確かに私に対するあからさまな嫌がらせや下僕のように

扱うようなことは中学入ってから全くなくなりました。

ですが結局根本は何も変わっていません。

弟である私が全ての理不尽を受け止め、姉であるあの人は

それに何も考えず甘んじる。言いなり状態はまだ続いているんです」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「えっと、どうなさいましたか?」

「親は助けてくれなかったの?」

「いくら訴えても助けてはくれませんでした。

証拠をきれいに隠滅されたために被害を証明できなかったんです。

それに姉さんは成績がいつも良くて親の言うことをきちんと聞いてたから

私の言い分を戯言と親は一蹴したんです。何度話しても結局

言い分は聞き入れてもらえませんでした」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「もしいつか事実が明るみに出て親に謝罪されたとして、

表面上は許してもあの時助けてくれなかったという不信感は

一生消えないし結局内面ではどうしても許せないでしょうね」

「キミは、とても辛い人生を送ってきたんだね。」

「同情は不要です。何にもなりませんから」

「それでも同情させてほしい」

「・・・・・・お好きにどうぞ」

「ありがとう。ちなみに暴力を振るわなくなった後に

朱音からそれらの行為に対する謝罪はあったのかい?」

「未だありません。それに今更そんなものがあったところで

何の意味もありません」

「何てこと・・・・・・・でもこれで朱音のブラコンな行動の本質が見えたよ。

その根源は愛情じゃない。執着心と独占欲だね」

「響さんもそう結論づけますか」

「むしろそれ以外に考えられないだろう。さっき浩太くんが話した行動は

弟であるキミに執着するあまり暴力で服従させるという手段でキミが朱音から

離れられなくしようとしたんだろうね。本当にそうしようと思ってしていたのか

無意識だったのかはわからないけどね」

「自分の中にある醜い執着心とそこから芽生えた独占欲を満たすために

私を利用したってことですか。

そのためであれば暴行罪・監禁罪・傷害罪等で逮捕されることも

厭わない・・・・・・・狂ってますね。

ですが実際のところは家族間で発生してるということと

証拠が不十分なことを理由としてそれらの罪で逮捕されたとしても

不起訴になるってところが非常に悔しいですよ。

それを恐らくわかっててやってたと思うと余計に腹が立ちますね」

「そうだね・・・・・・・朱音のやったことは人道的に許されることではないし」

「ええ。ところで響さんの疑問に対する答えはこれでいいんですかね・・・・?」

「ええ、そう、ね。正直答えがここまで闇に包まれたものだとは思わなかったけど」

「じゃあ、響さんが私と話をして知りたかったことはなぜ私から離れようとしないのか、

私の行動を逐一知りたがるような行動をとるのかをはっきりさせるため、ですか」

「その通りだよ」

「やはりですか。でしたら私の回答で解決したようでなによりです」

「ああ」

「しかし、まさか過去の話を他人に話す時が来るとは露程も思いませんでした。

何故全部話してしまったのか、自分でもわかりません」

「それは、もしかすると私ならわかってくれる、そうどこかで

思ったからじゃないかな」


そう響さんに指摘されてはっとした。

今まで自分の過去を誰かにわかってもらいたいなんてことは

微塵も思ったことなどない。

なのに俺は響さんには姉さんの異常さを理解していただくためとはいえ

躊躇いもなく昔起こったことを話した。

この人ならわかってくれると思ったのだろうか。

いやそんなことはない。

だがそう考えなければ説明ができない。

俺は何故そんなことを・・・・・・・?


「・・・・・・・・・・・・・」

「随分と自分の言動に戸惑ってるみたいだね。

だけどね浩太くん、人間は時として自分の主義に反することを

躊躇いなくしてしまうこともあるんだよ。いい意味でも悪い意味でも」

「今日の私の過去の告白もそれだと?」

「私はそうだと思うよ」

「・・・・・今はそう思っておきます」

「ところで、浩太くんは朱音との関係を今後どうしたいの?」

「どうするも何も、現実問題として今更この関係を変化させることが

できるとは思えません」

「もう利用されるのは御免なのでしょう?」

「今の状況を打開できる策があるとでも?」

「じ・つ・は~お姉さんから魅力的な提案があるんだけど~乗って見ない?」

「あのですね、明らかに胡散臭い誘い文句に私が易々と食いつくとお思いですか?」

「そうだね、確かにいきなりそんなことを言われてもキミは信じないよね。

浩太くん、朱音にとって一番我慢ならないことは何かわかるかい?」

「無いでしょうそんなもの。あったとしても様々な手でその状況を無理矢理

自分に都合よく改変するでしょう」

「もしどうしても自分の力が及ばない、及ばせることが不可能な相手が

いたとしたらどうだろうか?」

「姉さんでは相手にならない敵、とかですか?そんなのいるわけ」

「どんな人間にも思い通りにできない人間はいる。そしてそういう相手に

自分のモノや欲しい物を取られるというのが朱音みたいな

人間にとって一番の屈辱なのさ」

「姉さんに敵対するつもりですか?」

「まぁ、これからそうなるね」

「頭がおかしいとしか思えません。何故そこまでしようとするのか私には分かりかねます」

「只のお節介さ」

「お節介・・・・・・・・?それにしては行き過ぎたことをなさる」

「私にはそれをするだけの価値がある」

「一体何の価値があるというのですか?」

「それは私にしかわからないさ。そしてこれから私は朱音から浩太くんを奪おうと思う。

単刀直入に言おう。浩太くん、今日から私と恋人同士にならないか?」

「・・・・・・・・・・・はい?」



思わず思考停止するほどの衝撃があったこの提案が

俺の後の人生その他を大きく変化させるきっかけとなった。

誤字・脱字報告は発見次第お願いします。

可及的速やかに訂正いたします。

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