2章 -弟の決意- part5
全然筆が進みません。
そのため少し投稿を遅らせました。
次回は今月末に投稿予定です。
普段の投稿タイミングと多少ずれますがご了承ください。
水曜日。
響さんとお話をする日が来た。
今日は梅雨の時期によくある雨模様。
まるで俺の心のようだ、なんて詩的なことは言うつもりはない。
そうそう、響さんが家から帰った後から今朝まで
また更に激しくスキンシップを求めてきたが全て躱した。
で、今日の授業が全て終わりHRも終わり帰り支度をしているときに
スマホにメッセージが入る。
校門前で待ってるからね。女性を待たせちゃだめだよ
とL〇NEに入っていた。
すぐ
わかりました
と返信する。
「立花、今日用事あるから先帰るわ」
「そうか、じゃ僕は図書室で本でも漁るとするよ。
また明日」
「ああ、また明日」
と立花に挨拶し急いで校門に向かう。
校門に出た瞬間、明らかにこの高校では送迎で
使っている家族はいないメーカーの外車が止まっているのを発見した。
そしてその外車の運転席の方を見ると俺にこっち来いと
促しているらしい女の人が見える。
その人が響さんだと理解した俺はその外車の助手席に近づいた。
するとウィンドウが開き
「浩太くん、乗って」
と響さんが促すので素早く助手席に乗る。
「雨が降ってるから車で来たよ」
「なんか・・・・すみません」
「いいよいいよ。じゃぁ、私の家に行こうか」
「え!?それは一体どういうことですか!?」
「詳しいことは私の家に向かいながら話すよ」
そういうと車を発進させ高校を離れる。
「シートベルト付けたよね?」
「ちゃんと付けてますよ」
「よろしい」
「ところで何で響さんの家なんですか?」
「家族に関する話を公共の場所するものじゃないからね」
「成程です。ただいきなり女性の部屋というのはその」
「何言ってるの。姉の部屋に平気で入る男が言うことではないよ」
「いや、あれは不可抗力なんで」
「不可抗力?ホントかねぇ?」
「信じなくていいです」
「いじけないでよ、揶揄っただけだから」
「・・・・・・趣味悪いですね響さん」
「何をぉ!」
と、響さんの家に雑談をしながら向かっていると
突然響さんが険しい顔をする。
「どうしたんですか?」
「後ろの車が私をつけてる」
「えっ」
「ごめん、ちょっと運転が乱暴になるよ」
「え、ちょ、待っ・・・・・・!」
車が突然急加速し、その時の加速力に耐えられず俺の意識は途絶えた。
「--くん、--くん。浩--?」
ん、なんか声がするぞ・・・・・・・?
何故だ?
そう考えていた時響さんの家に向かっていることを
思い出して飛び起きる。
「おおっと!?いきなり起きないで欲しいな、吃驚するじゃないか」
「えっ!?あっ、すみません!」
「い、いや、いいんだけど・・・・・・浩太くん、
キミアクセル踏んだ直後くらいで失神しちゃってたんだよ?」
「え、あぁ、そうなんですか。ところで今どこですか?」
「私の家の前の駐車場だよ。さぁ行くよ」
そういうと響さんが車から降りる。
それに合わせて俺も車から降りて響さんについていく。
「ここだよ、私の家」
と言ってマンションの一室の前のドアを指さして言う。
響さんは部屋の鍵を解錠し
「どうぞ」
と入室をするように俺に言う。
俺も響さんに続いて入ろうとして立ち止まった。
俺は一抹の不安を覚えた。
もしこのまま入室すれば響さんに好きなようにされるかもしれない、
この部屋には響さんが仕掛けたカメラやICレコーダーがあって
無理矢理された後脅されるかもしれない。
出されたお茶に毒や睡眠薬が・・・・・・・
そういう不安が出てきた瞬間拭えない。
「どうしたの?早く入って」
玄関で立ち尽くしていた俺を不思議そうに見る響さん。
俺が入らないことにはどうにもならないので
腹を括って入る。
一応いざという時のための手段は用意している。
緊急時はそれを使えばいい。
そんなことを思いながら部屋に通され、
椅子に座って待つように俺に言ってキッチンのほうへと
響さんは向かっていった。
「ふぅ」
おっと思わず溜息が。
姉さんのことと言い、この状況といい、どうしたらいいのかと
考えていたら自然と出てしまった。
「ごめん、待たせたね。コーヒーどうぞ」
「すみません、いただきます」
出てきたコーヒーをブラックで少し飲む。
どうやら変なものは入っていないようだが
まだ安心できない。
慢心しては駄目。
歴史が証明している。
「さて、浩太くん、先日の答えの続き、聞かせてくれるかな」
響さんが俺の向かいに座るとそう問いかけてきた。
誤字等ありましたら報告ください。
確認次第直します。