こうはい
[佐藤悠基&石川実里&清水柊]
「おでかけ!しましょう!」
『えっ……?』
「いやーやっぱり!文芸部の人数も増えたということで!仲良し会的なの、やりたいと思いません?」
『いや別に……』
「なんでそういうこと言うの!」
[佐藤悠基]
石川さん、なんかキャラ変わった……?
こんなに賑やか系の人だったっけ……?
おでかけ、か……。いや、楽しいとは思うけどね……初めて、だからこその緊張があるというかなんというか……。
[石川実里]
おでかけ!するしかない!
これは昨日家に帰ってから考えたことだ。
清水さんに私と佐藤くんの仲の良さを見せつけて有利を取るしかない!
本当は2人だけがよかったけど、佐藤くんに怪しまれちゃうし緊張するからね……。
いつか、行ければいい……かな?
[清水柊]
んー……あんまり外出は好きじゃない……。
けど……仲良くは、なりたい。
もやもやの正体、分かるかもしれないし。
[佐藤悠基&石川実里&清水柊]
[じゃあ、明日の土曜日の午前10時!駅前集合ね!]
『いや、行くこと決定してないですけど!?』
「お願いしますおでかけにいきましょうお願いします」
「そんなに頼まれたら……まぁ、清水さんがいいって言うなら……。」
「私は……別に……構わないです……。」
『じゃあなんで最初に断わったの!?』
「別に……って言っただけで……断ったつもりは……ないです……。」
「確かに……。」
「なら、おでかけ!決定!時間はさっき言った通り!LANEにも送っておくから!それじゃ、今日は部活早退します!また明日!」
「なんか嵐のようだったな……。」
「そう……ですね……。」
「まだ部活終わるまで時間あるけど、どうする?帰るならここで部活終わりでもいいけど?」
「今読んでる本……もうすぐ読み終わるから……それまでいいですか……?」
「わかった、待ってるね。」
[石川実里]
明日楽しみだなー何着ていこうかなーうーーん悩むー。しっかりおめかししていかないと!
[清水柊]
初めて、佐藤先輩との2人きり。
緊張して本に逃げちゃったけど、心があったかくなる。これって2人で帰ったり、するのかな?
遠くから見てただけの顔が、すぐ近くにある。
ずっと見ていたいのに、5秒程度先輩の顔を見るとすぐ視線を本に戻してしまう。
本の内容が全然入ってこない……。
[佐藤悠基]
今日はこのまま清水さん送っていくのだろうか?
なんか最近女の子との関わり多くないか……?
[佐藤悠基&清水柊]
「下校のチャイム、なったね。僕はあっちの窓の戸締り見てくるから、清水さんはこっちの窓の戸締り見てくれる?」
「あっ……わかり、ました……。」
[佐藤悠基]
石川さんの2人で帰った時のように、どうにか本の話題で繋げば大丈夫なはず……。
[清水柊]
はぁぁぁ……さっきから体が熱い……。
風邪でも、引いたのかな……。
先輩に移さないようにしないと。
[佐藤悠基&清水柊]
「そ、そういえば、清水さんって電車帰りだったよね?」
「あっ……はい……そうです……」
「わかった、送っていくね」
「ど、どうも……ありがとうございます……」
[清水柊]
玄関までがひどく近くに感じた。
やっぱり熱があってぼーっとしてるんだ……。
早く帰ろ……。
[佐藤悠基]
清水さんとの下校は静かなものだった。
別にお話が面白くなかったとか、そういう訳ではなかった。
僕が振った話題に清水さんは反応してくれるし返してくれる。
ただ……いつも静かな子だが、今日はやけに静かすぎる気がした。……まだ知り合って2日だけど。
暗くて顔色は見えないが体調でも優れないのかな?
[佐藤悠基&清水柊]
「えっと、清水さん、体調でも悪い……?」
「あっ……少し……熱っぽくて……。」
「やっぱり……。ちょっとおでこ貸してね。」
「ッッッ!」
[清水柊]
先輩!顔!近い!
先輩もしかしておでこ同士くっつけようとしてる……?って既にくっついてる!くっついてるよ!先輩!なんかさらに熱上がってる気がする!
[佐藤悠基&清水柊]
「ほんとだね、少し熱があるよ。」
「あっ……先輩……少し……近いです……」
「えっ?……あっ。ごめん!つい、いつもの癖で……。大変申し訳ない……」
「あっ……いえ……大丈夫ですけど……」
「とりあえず、早く帰らなきゃだね。僕、そこのコンビニで飲み物買ってくるね!」
「あっ……すいません……ありがとうございます……」
[清水柊]
あぁ……先輩には申し訳ないことをしたな……。
心配させて……飲み物も奢ってくれて……。
早く、風邪、治さなきゃな……。
そして、この気持ちの正体も……。