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第91話 スタンピードは自作自演

即席最強御者軍団に王国軍がコテンパンに

蹂躙されている訳ですけれども。

そこに追い討ちをかけるように、

南からスタンピードが向かって来ている訳ですから王都は大混乱ですよ。

そしてなぜか魔王レベルが2つほど上がりましたよ。

そして新たな災厄「脅迫」を覚えたようです。

俺は王都の方々に絶望を与えることに成功したようです。

という事はあのスタンピードは俺のせいだと思ってらっしゃるのかしら?

失礼しちゃうわ。

ホント、その通りです。すいません。


て言うかゆっくり戻ってきてって言ったよね。

あれから一時間も経ってないんですけど。

スレイプニルの住む森からだと早馬でも一日は掛かる距離のはず。

これじゃあダンテさんに報告してても結果は一緒だったかも。

とにかく誤解を解かないと、


≪布告≫

『あーどもども。毎度お騒がせしております。

 ちり紙交換…。じゃなかった、魔王ヒトシです。

 まず落ち着きましょう。落ち着きたいときは深呼吸です。

 

 すーはー。うん落ち着いた。

 

 あれはスタンピードではありませ…。

 スタンピードですが、やったのは俺じゃありません…。』


なんだか言い訳にしか聞こえないな。


『その証拠と言ってはなんですが、

 我が最強の友、御者軍団に制圧してもらいます。

 行け我が友よ!今こそ力を示すときだ!』


…。


うん、みんなポカーンですよ。


「「「「「ウォォー!」」」」」


「お前ら今こそ魔王様の恩に報いるときだ!」


「「「「「オォー!」」」」」


「俺らの力を魔王様に見ていただく絶好のチャンスだ!」


「「「「「オォー!」」」」」


「魔物共の好きにさせるな、自分の家を家族を大切な人を守るんだ!」


「「「「「オォー!」」」」」


御者達は闘志をみなぎらせ物凄い勢いで王都に迫る、

スタンピードに立ち塞がるのであった。


うん、御者達がやる気を出せば出すほど

だんだん申し訳なくなってきた。

そう、この混乱を利用して好感度上げよう作戦、

自作自演ですから。


もちろんスタンピードではない訳で戦う必要もない訳ですから。


俺は疾駆を使いウルの場所まで移動する。


「ウルストップ。」


物凄い土煙をあげ馬の群れが止まる。


「早いよ。」


「でも、これでもゆっくり来たんですよ。」


「普通は一日かかるからね。」


「ごめんなさい…。」


「いや、いいんだいいんだ。馬達の実力も分かったし。

 でも王都じゃスタンピード扱いされてるから。」


「え…。」


ウル涙目。


「そんな、私、そんな。」


誰だこんな幼気な少女を泣かせる奴は。

…あ、俺か。


「大丈夫。ウルは悪くないから。とにかくここでしばらく待ってて。」



(クローン。いいよ、始めて。)


(はい、マスター。)


大地に巨大魔方陣が描かれ、


「ピギーッ!」


一匹のオークが現れた。


「これはオークだな。何をする気だ。」


ジグさんが尋ねるが、

俺は振り向かずニヤリと笑う。


魔方陣から次々と姿を表すオーク達。

一回り大きいハイオークも姿を現し始めた。

そして、一際大きなオークが。オークジェネラルだ。

そう、オークの巣の集落を丸々転移させたのだ。


さ、公開軍事演習の始まりだ。


オーク、ハイオーク合わせて2000匹の軍勢だ。

今回は飢餓と統率は封印ね。あれは初心者には刺激が強すぎるからね。

オーク達が獲物を目とよく利く鼻で捕え、

次々と御者に向かって進み始めた。


御者達は四人一組のチームを作ってオークを迎え撃つ。

誰の指示だろ、元軍関係者でもいたかな?

これは心強い。


バラバラになだれ込んでくるオーク達を

前3人後1人で広がり迎え撃つ。

後方でリーダーが指示を出しながら討ち漏らしを倒し、

背後に回らせない作戦だ。


いつの間にリーダー決めたり、こんな連携取れるようになったの?

しかしオーク程度では討ち漏らしなんかもなく

次々と数を減らしていく。

瞬く間にオークの群れを殲滅して、御者たちはジェネラルに迫る。


いよいよ四方を取り囲まれるジェネラル。

槍を振り回し必死の抵抗だ。しかし御者達は全く動じていない。

ジェネラルの後方に位置する二人が示し合わせて前に出る。

ジェネラルの槍を掻い潜り、ふくらはぎを斬り付けた。

足の筋肉と健を切断され槍を振り回していた上体が

バランスを崩し体を捻りながら崩れ落ちる。

それを待ち構えていたかのように前方で剣を構えるフードの男。


あ、この人はできる人だ。

立ち方から身のこなし、構え、剣の握り方、

他の御者とは明らかに雰囲気が違う。


一閃。


まさにその言葉がぴったりの剣筋がオークジェネラルの命を絶った。


「あれ、あの人の剣、自前の剣かな。」


みんなに配布した石の剣ではなく、金属製の剣がキラリと光った。


「うーん、手応え無さすぎてこれじゃあ訓練にならないな。

 確かさっき別のクローンから連絡あって、

 レッサーデーモン群生帯に着いたって言ってたな。」


(クローンさん、レッサーデーモン転送できる?)


(はい。現在14体のレッサーデーモンを確認しております。)


(わかった。じゃあそれ送って。あと見つけ次第送って。)


(かしこまりました。)



「みなさん、まだ安心するのは早いですよ。次の敵が来ます!」


「何、まだ来るってのか?」

「今度はなんだ?」

「なんだってこいだ、叩きのめすだけだ!」

「「「「オォー!」」」」


魔方陣が現れぬっとレッサーデーモンが姿を表す。


「あれ、悪魔じゃないか?」

「何で悪魔がこんなところに?」

「俺たちで行けるのか?」


次々と魔方陣から這い出るデーモン達は

獲物を見つけるとニヤリと笑い呪文を唱え始めた。

御者たちに不安がよぎったそのとき。


ゴロン。


悪魔の首が落ちた。


「気圧されるな、恐怖や不安の感情は悪魔たちの格好の餌になる!」


悪魔の首を落とし、周りに声を掛けたのは、さっきのフードの男だ。


「魔法を使われる前にやっちまうぞ!」

「そうだな、魔法は厄介だ。先手必勝だな!」

「俺たちだって強くなったんだ。」


呼びかけに鼓舞された男達は次々に、悪魔に斬りかかっていく。

呪文を唱えていた悪魔達は詠唱を中断され、

応戦するしかなかった。


しかし、悪魔は身体能力も高く、一対一では分が悪いようだ。


「1人でかかるな、さっきのチームごとに別れて四人で対処するんだ!」


「「「「オー!」」」」


すごい、フードの男が一声掛けるだけで周囲がまとまって行く。

しかし、次から次へと現れるレッサーデーモンに徐々に劣性になる御者達。


(ちょっと、どんだけレッサーデーモン送ってくるのよ。)


(お待たせしました現在258体の転送を開始したところです。)


(ちょっと待てー!)


さっきまで直径2メートルだった魔方陣が一気に10メートルまで拡大する。

蠢き這い出してきたのは夥しい数のレッサーデーモンだった。


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