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第76話 魔王アリの能力

リイヴの逃亡によって終了を迎えた六天魔会議。

結局、なにも決まらなかったわけだけど。


「俺の真意は行動で示してみろ」


的な決着でいいんだよね。


魔王様たちはそれぞれ時空の歪みを通って帰っていった。

帰り際アリさんが


「災厄によって絶望を世界に撒き散らし、

 それが敵意という一つの意思になった時、

 初めて人間すべてを敵に回すことになる。

 つまりそれが何を意味するかわかるな?」


「人間対魔王の世界を巻き込んだ戦争。」


「そうだ。例えばお前だヒトシ。

 お前はペンレシアの王を敵に回した。

 王は邪魔物の排除に失敗し、お前を魔王にした。

 世界の敵としてな。

 いくら王とはいえ、民意無しではただ一人の人だ。

 しかし、魔王討伐とひと度民意を得れば、

 多くを巻き込む巨大なうねりとなり

 多くの不幸を生むと知れ。

 民意を王に集めるな。

 敵意を魔王に集めるな。

 忠告はした。

 世界征服、成し遂げて見せろ。だが失敗したときは…。」


「覚悟しておきます。」


「わかっていればいい。

 我輩とて、貴様とは争いたくなどない。

 分身を使い、魔力も生命力も大量に収集する、

 …化け物などとはな。」


「なぜそれを…。」


「それを教えると思うか?」


「それがあなたの…。」


「少し喋りすぎたか。

 まあ、僅かだが期待はしている。

 そして、信用もな…。」


!?


そう話すと魔族の王は時空の歪みに姿を消した。


他の魔王の手前、強硬な態度をとったアリさんだったけど。

俺の、能力を見抜いていたみたい。いや、或いはもっと…。


そもそもこの魔王システムは

魔王が絶望を撒き散らす事を強制する仕組みになっている。

まるで魔王らしくあるようにと。


望まぬものにも等しく。


とにかく、俺は俺のやれることをする。

でも一人じゃ不安だ。

困ったときは、あそこだな。

助けて、ギルドマスター!


「と、言うわけです。」


「…。」


「ダンテさん?」


「ヒトシ…。」


「はい。」


「魔王に認定されたのは予想外だったな。王にしてやられた。」


「はい。」


「それだけヒトシを危険視していたと、

 いうことにもなるか。

 だがな、『世界征服』とはどういう事だ?こ

れでは嫌でも世界を敵に回すことになるぞ。」


「それは誤解なんです。」


「世界征服に誤解も六回もあってたまるか。」


「まあ、宣誓したからにはやらなきゃいけないんですけど。」


「それから突然ヒトシに対する嫌な感情が湧いてきたんだが。

 魔王となにか関係があるのか?」

「それが魔王の能力です。魔王には災厄という能力が与えられます。

 これで絶望を撒き散らし、集めて、魔王として成長していくそうです。」


「やはり、本物の魔王になってしまったんだな…。」


「そのようです…。

 そして、災厄を定期的に使わないとすぐに寿命を迎えてしまいます。」


「な、なんだそれは。じゃあ…。」


「俺の寿命は1年6ヶ月です。」


「ばかな…。

 それじゃあ、災厄をばら撒きながら生きる、

 忌まわしき存在になってしまったのか?」


「そうかもしれません。

 でも、どうでした俺の災厄?」


「少しイラっとしたな。」


「それだけ?」


「ああ、それだけだ。」


「道理で絶望が集まらないわけだ。

 なら俺は不老です。」


俺は魔王システムと世界征服の事について説明した。


「絶望と、敵意か。

 まるで魔王を人間の敵に仕立て上げるかのようなシステムだな。」


「やっぱりダンテさんもそう思いますか?

 今は六天魔のてによってバランスが保たれていますが、

 誰がなんの目的でやっているのか。

 善意か悪意か、全く分かりません。」


「六天魔と言えば度々災厄をもたらし、

 かと思えば人助けをしたり。

 侵略してくるわけでもないが明らかに脅威になる存在。

 とにかく矛盾だらけの存在だった。

 まさか行動原理がそんな理由だったとはな。」


「前提として、宣誓の実現というのがありますけどね。」


「魔王も魔王で自分の理想のために

 世界とのバランスを取りながら

 動いていることは確かだな…。


 それでヒトシはこれからどうするつもりだ?」


「それなんです。そこでダンテさんの力を借りようと思って。」


「お前な、魔王になってまでなんで俺に頼る。

 何故俺が魔王に力を貸すと思う?」


「え、だってダンテさんだし…。」


「何だそれは?

 だがな、魔王に貸すほどの力はさすがの俺にもないぞ。

 魔王に対抗できるのは

 ほんの一握りの超S級冒険者と勇者だけだ。」


「勇者この前倒しちゃいましたけど。」


「あれは勇者のひよっ子だ。

 うちの国にはあれしかいないが、本物はあんなもんじゃない。

 他国にいけばあんなのはごろごろいる。

 ま、言ってしまえば今のこの国は

 ヴォルフガングの武力と大臣の政治力、外交力で持っている。

 その両方を潰しかけてるやつがいると聞いたがな。」


「そんな危ないやつがいるんですね。」


「お前だよ。魔王様。」


「あ、俺か。」


「潰すのはいいが、代役をちゃんと立てないと、

 他国に付け入る隙を与えることになる。

 それだけは避けなければならない。」


代役か。そこまで考えてなかったよね。


「やっぱりダンテさんに相談してよかったです。」


「誉めてもなにもでないぞ。」


「出すのはこっちの方です。」


俺は無限収納からある塊を取り出した。


「ふふふ、これが何だか分かりますか?」


「そ、それは、ドラゴンの肉!」


「あまい!ただのドラゴンの肉ではないですぞ。

 レッドドラゴンです。」


「な、なんと、レッドドラゴンとは!

 い、いいのか?しかもこんなに?」


「御望みとあらばもうひとつ、追加しますぞ。」


「さすがにそれは…、」


「いいのですかな?もう手に入らないかもしれませんぞ?」


「そ、それは、うーん…。」


ダンジョンだから毎日手にはいるんだけどね。


「ほれ、ほれ、ほれ。」


「わかったわかった。受けとる。

 で何をしてほしいんだ?」


「さすがギルマス、話が早いですな。

 俺がこれから持ってくる素材を全て買い取って

 市場に流通させてください。」


ダンテさんは今までにないくらい驚いた顔をしていた。

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