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第62話 ドッペルゲンガーの結晶

ドッペルゲンガーの瘴気を吸収した後には、黒く透き通る結晶が残っていた。

持った瞬間、手に吸い込まれる結晶。

[ドッペルゲンガー回収]

[スキル生命力吸収レベル1を獲得。

 討伐時、生命力(経験値)を20%吸収する。

 クローンにも適用可。クローンに経験値ストレージを作成。

 蓄積が可能。]


(我々も経験値を蓄積できるようになりました。

 マスターのレベルアップも捗りますね。

 それから我々にも生命力を込めて頂けると、

 より強力なクローンが生成できます。)


そうか、クローンは魔力体だもんね。

魔力体に生命力を注ぐことで、

俺が勇者を倒してレベルアップした時みたいに

クローンも強化されるってことか。


(ご明察です。魔力体はステータスを引き延ばした状態。薄っぺらです。

 そこに生命力を注ぐことで厚みを持った本来の力が発揮できるのです。)


じゃあ順次生成し直そう。


(了解いたしました。

 では魔物から吸収した生命力を利用して

 各ダンジョンでクローンを更新します。)


でもそれじゃあ、俺に経験値が入らないよね。


(そこで我々からマスターに提案があります。)


凄いね、提案までしてくれちゃうの?


(マスターの深層心理を読み取り提案しておりますので、

 すべてはマスターの考えの内かと思われます。)


あ、そうなの?じゃあ、逆を言えば俺の知識と閃き以上のものは出てこないって訳ね。


(ご明察です。)


それで、その提案って言うのは何?


(はい、我々はそれぞれ魔力回路で繋がっておりますが、

 魔力は各自の所有になっております。

 そうなると、マスターに魔力を回収して頂かないと、

 レベルアップに繋がらないのです。

 しかし、手に入れた魔力と生命力を一度プールし、

 マスターの管理下に置くことで、

 マスターに経験値と魔力を集める事が出来るのではないかと考えます。)


そうか。でもそれだと今までの魔力回路と変わらないじゃないか。


(そこで我々にスキルを付けて頂きたいのです。)


そうか。無限収納の生命力、魔力版を作るみたいな感じかな?


(クローンに共有のスキルをつけていただければと思います。)


共有か。なんとなくそんな感じで作れないかなとは思ってたんだよ。

どれくらい魔力消費するだろう。


(元々クローンは共有に近い性質を持っているので、魔力100前後かと。

 無限収納も同じ理屈で魔力消費は低くなっています。)


そうだったのね。通りで、空間転移と無限収納に魔力消費の差があり過ぎると思った。

それなら付け無い、という選択しは無いね。

あと、一々生成し直さなくても俺がレベルアップしたら

基礎ステータスを自動的に底上げするとか。


(可能ですね。生命力と魔力は消費しますが、

 プールから魔力を引き出しステータスアップに利用できます。)


魔力に余裕が出てきたらそれも考えよう。


すごい、元々が俺の考えだからなのか、

深いところまで理解できる。

考えがまとまらない時に箇条書きにして書き出すと、

整理できたり、気付かなかった事に気付いたりする事が出来る。

それに近いかな。まとめる事って大事だよね。


「ヒトシさん大丈夫ですか?」


あ、ドリさんがやって来てくれた。


「はい、お陰さまです。」



「よかった。本当によかった。」


「森ボロボロにしちゃいましたけどね。」


「それもヒトシさんの力で元通りです。問題ありません。」


こらえきれず抱きついてくるドリさん。

本当に心配してくれていたんだろう。

豊満なバストが心地よい。フニフニ。


「俺が思うにまだドッペルゲンガーは三体はいます。」


「え、三体もですか?」


「ドッペルゲンガーは多分俺の魔力漏れが原因です。」


「魔力漏れ…。」


「魔力を吸収しすぎて容量を超えた魔力が体から漏れだした状態です。」


「危険な相手ですから大変ですね。」


「でも、倒し方わかったからもう怖くないですよ。

 祝福もありますしね。」


森の加護は強化されて祝福に進化していた。


「はい、回復力が上昇して生命力と魔力の吸収力もアップしますから。」


森の祝福…回復力(大)

     再生(中)

     森林移動速度大幅上昇

     森林行動速度大幅上昇

     経験値獲得50%アップ

     魔力獲得50%アップ。


森の恩恵×3…樹霊術強化

       精霊召喚 樹精

       回復力上昇

       再生力上昇


森の恵みも恩恵に進化していた。


「精霊召喚とかありますけど。」


「それはヒトシさんに恩恵を授けた精霊達を呼び出して、

 敵対する者から身を守ると共に、相手の生気と魔力を吸い取ります。

 一つ一つは大した力では無いかもしれませんが、

 たくさん集める事で必ず力になってくれると思います。」


なんだか心強い味方を得ることができそうだ。


「そうだ、あれから一ヶ月もたってるんだった。」


ドリさんに確認すると、世界樹の方は

クローン達が毎日トレントをしっかり納めていたそうだ。

よかった。


「王都の方がどうなってるか気になるので行ってみます。」


「はい、兎人達は上手くやっているようですよ。様子を見に行ってあげてください。」


「わかりました。」


ドザエもんでギルド長室に転移する。


「あれ、誰もいないかな?」


ギルド長室から出ると職員達が慌ただしく走り回っていた。


なんだか物々しい雰囲気だ。何かあったんだろうか?

あ、ダンテさんだ。


「あの、ダンテさん何かあったんですか?」


「ヒトシ?ヒトシか?!お前、無事だったんだな!

 兎人族と話がついて、東の森の外周部を探索中だとタルトに聞いたが、

 まさか闇の魔力に囚われていたとはな。

 東の森の瘴気は王都からも見えるほどだったぞ。」


「そうみたいですね。まさかそんなことになってるとは。」


「それに瘴気から逃げてきた魔物が王都に何度か押し寄せて大変だったぞ。

 しかし、まさかブルーレインの連中だけで防ぎきるとは思わなかったがな。」


ブルーレインとは冒険者の頃に知り合ったパーティ。

その頃はたしかCランクのパーティだったはず。


「いつのまにかそんなに強くなってたんですね。」


「奴らは既にAランクのパーティで、王都でも今一番勢いがあるパーティだ。

 ヒトシのスラム開発計画を知って、スラムを守るために自ら動いてくれたんだ。」


いや、開発計画とか、そんな大それたもんじゃないんだけど。

でも、そんな理由で動いてくれたなんて、なんだか嬉しいね。


「もちろん影ではロズも、アルも動いていたんだが。

 無駄足になってしまったようだ。被害がなければそれでいいんだがな。

 

 しかしあの規模の瘴気は正直驚いたぞ。」


「はい、5億だそうです。」


「ご、5億…。桁外れな。

 終息しなければ王都は滅んでいたかもな。」


「そんな大袈裟な。まあ、森も元通りなんで、勘弁してください。」


「お前な、この騒ぎは誰のせいだと思ってるんだ?」


あ、俺か。


「これから調査隊を編成して森へ向かう。

 すでに瘴気の発生は終息しているから、すぐに終わると思うが。

 また国が騒ぎ出すぞ。

 そうだ、国と言えばお前、勇者を潰したな…。」


そうだった。


「あ、これ。返しておいてください。」


聖剣を取り出しダンテさんに渡す。


「お前、これ…。

 はあ、どうやって説明すんだよ。」


ギルドマスターは気苦労が絶えませんね。お察しします。


待つのじゃ。嫌じゃ嫌じゃ。

妾は真の勇者の元がよいのじゃ。

あんなゲスでナルシストでポンコツな勇者の元になど戻りたくないのじゃ。

後生じゃ。ヒトシ、助けてたもれ。

ホレホレ、キラキラじゃぞ。

聖剣の輝きじゃぞ。聖剣は永遠の輝きじゃ。

女の子にモテモテじゃ。

あんなことやこんなこと、好き放題じゃ。

そうじゃ、ハーレムなんてどうじゃ?

右にも左にも上にも下にもおなごの柔肌じゃぞ。

ええじゃろ?ええじゃろ?

これぞ勇者の特権じゃ!


聖剣、…いやゲス邪剣の声は俺にはもう届かなかった。


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