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第59話 世界樹巡り 北側

兎人族の掟や今後については、

ダンテさんと族長が話し合って上手く決めてくれるだろう。

丸投げとか言わないでね。


そして掟が決まれば、兎人の能力の悪用も防げるだろうし、

兎人族が本来望む方向に力を使えるようになるだろう。

つらい事だけど、兎人族のみんなには今までの事実を受け止めてもらって、

これから前を向いて頑張ってもらいたい。

大丈夫。タルトがいる。

彼は今回のことで成長した。

自分で考えて、答えを出した。

きっと彼が先頭に立って兎人を新しい方向へと導いていくはずだ。


さて、用がすんだから俺は「世界樹スタンプラリー」へ出掛けますか。

まず周辺の村をめぐって…。

結構な時間がかかりそうだな。

タルトは付いて来たがってたけど、

「兎人の村を頼む」って言ったら。

シュンとした後、「頑張ります」と張り切った。


翌朝になり。さあ、出発だ。

みんなに見送られ、次の世界樹へと旅立つ。


と、出会い頭に熊か。腹に潜り込みボディブロー。

手には革製のグローブ。

ブラックアナコンダという、ここら辺の森で一番硬い魔物の革に、

世界樹の朝露を染み込ませて魔力を込めた手袋。

兎人族の族長チルトがくれたものだ。

今の兎人族には腕力はないけど、

昔兎人族は剛力で、剛腕の戦士たちが使用していたそうだ。

今では誰も使い手がいないという事で、ぜひ使って欲しいという事だった。

魔力の通りがよく、力が伝わりやすい。

力の調節もしやすく、使いなれれば、手加減も全力も、

思いのままにできそうな便利なものだった。


熊は木々をなぎ倒し、挽き肉になっていた。

うわぁ、グロいなぁ。

あれ?手加減したつもりが。

まだまだ練習が必要なようです。


出会うものはワンパンチで挽き肉になったので、

時間を取られることもなく、昼過ぎには二つ目の村に辿り着いた。


チカラカゲン、ムズカシデスネ。


まずは世界樹に挨拶しないと。


はい、タッチ。


流れ込んでくる世界樹の力。


「うーん、癒しのエネルギー。心地よし。」


「こんにちは!」


お、今度のチビドリは元気な男の子?


「ひとしでしょ?」


呼び捨てかい。

ワンパクって感じだな。


「そうだよ。」


「やった、やっぱりね!

 はいこれあげる。」


「はいはい。ありがと。」


手のひらには真ん丸いツヤツヤの木の実が一杯。いっぱい?

そして、木の実が割れた。あれ、無数の芽が?もぞもぞしてる?これって、足、触角?


「うきゃー!」


思わず払い落とす。


ダンゴムシ!大量のダンゴムシ!


「アハハハハ!お前もこいよ!こいつ面白いぜ!」


いたずらっ子か。こんちくしょう!


木の陰から気弱そうな男の子が顔を出した。


「恩人にそんなことしちゃダメだよ。はい、欲しいのはこれだよね。」


こっちの子はいい子そうだね。


「ありがとう。」


笑顔で答える。


いい子は穏やかに微笑んだ、


…じゃないニヤッとした?


「ばきゃー!ゴキブリ!」


「アハハハハ!ひっかかった!」


「二人揃って!いたずらっ子か!」


二人目、完全に油断してたぜ。

チクショウ!


「何変なこといってるの?僕は一人だよ。」


気が付くと周りには、10体以上のチビドリが。


「はい、これあげるよ。」

「ぼくもはい。」

「「「「ぼくも。」」」」


蛇や蜘蛛、ムカデ、ナメクジ。


「むきゃー!」


投げないで、お願いだから投げないで。


ケタケタと笑うチビドリ共。


チクショウ!悪い子にはお仕置きだ!

これは途轍もなく精巧に作られている、樹霊術で作った人形だ。

樹霊術なら俺も対抗出来る、


大地に手を付け魔力を流す。

ミシミシと音をだし、チビドリは動かなくなった。

大量の魔力で樹霊術の支配権を奪った。


「こんなのずるいぞ、大人げないぞ!」


「いいや、これが大人の役目だ。」


ギュッと手のひらを握ると、伸びてきた枝がチビドリを捕え締め付ける。



「さあ、おしりペンペンか?

 こんな事はもうしないか?」


「ひぐっ!ごめんなさい。」


「なんだ、拍子抜けだな。もう反省したか?」


拘束を解いてやる。


「もうしませんはしませんよーだ!!」


!?


「どうだこの演技力!

 でも、今日は負けたからこれやるよ!」


今度はちゃんと木の実だった。


「次は人形の上手さで勝負だぞ!また絶対こいよ!」


と、世界樹の中へ飛び込んで消えた。


なんだ、また来て欲しいならそう言えばいいのにね。素直じゃない。

次は人形勝負か。あの精巧さ、勝てる気がしないな。

腕を磨かないと。


さて、ひと騒ぎあったけれども、いよいよ獣人さんの村を目指しますか。


…しかし、


周辺をくまなく探したけれど、村は見つからなかった。


森が枯れた事で全滅したか。他の場所に移り住んだか。

そういうこともあるよね。


少し寂しい気持ちになりなから次の世界樹がある場所へ向かう。





「こんにちは!」


今度は10才くらいの女の子か。

でも、やっぱり裸だね。

危険な臭いがしてきたぞ、倫理的に。

これは着るものを用意すべきだな。


「こんにちは、また来るよ!」


「え?あれ?」


とりあえず王都に飛んで生地を買ってきた。

クローン、ジョブ、テーラーを生成。

裁断、縫製、仕立て、服飾のスキルを着けて。


「こんにちは!」


「あ、さっきのお兄ちゃん!ビックリしたよ。」


「ごめんね。ちょっといいかな? 」


採寸をして、生地を切り取り縫製、

何とも手際が良い。


「試着してみて。」


「何これぴったり!しかもかわいい。ありがとうお兄ちゃん!」


「うん、上出来。よく似合ってるよ。」


「ありがとう。この生地ってねえ様と一緒。」


ねえ様?あ、ドリさんの事か。


「よく気付いたね。」


「すごく素敵な色だから覚えてたの!」


「それは気に入ってもらえたみたいで良かった。」


「うん!ありがとう。はいこれ。」


これで三個目の木の実。


「ここらに村あるかな?」


「西に猫人の村があるよ。」


「わかった、ありがとう。

そういえば、ここの近くにある世界樹の辺りを探索したんだけど一ヶ所村がなかったんだよ。」


「それは鳥人達ね。鳥人の村は、村自体が木の上にあるから気付かれ難いし、

 多分別の場所に移動してると思う。

 でも、世界樹の復活を知ったら戻って来ると思うよ。」


そういうことか。


「そっか、ありがと。それじや、猫人の村に行ってみるよ。」


「うん、こっちこそありがとう。いってらっしゃい。」



猫族。楽しみですな。

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