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第55話 ドレイクの王


-リザードマンの洞窟最奥-


一体のドレイクキングが鎮座している。

体は灼熱色に染まり。鎧は透き通った深紅。

そして煮えたぎるマグマをその刀身に宿したかのような、

二振りの大剣が静かに赤熱の光を放っていた。



「ようやく来たな。幾日ぶりになるか。随分と待ちわびた気分だ。」


「すいません。国の事とか、兎人族の事とか。今、色々立て込んでて中々来れなかったんです。」


「そうだったのだな。

 ヒトシと出会ってからと言うもの、待ちの一日が長くていかん。

 ダンジョンに虜にされた頃よりの悠久の時など、大した時間では無かったと言うのにな。」


「それはそれは、大変お待たせしました。

 では始めましょうか。」


「うむ、少し様子が変わったようだな。魔力の中に生命力を感じるな。」


「さすがです、サルバさん。気付きましたね。

 俺この前、初めて自分自身で敵を倒したんですよ。

 それで、初めてレベルも上がったんですよ。」


「初めてとは。では、初期レベルでこの強さだったと言うのか?」


「いえ、魔力レベルは2400を超えるくらいなんですけど。」


「なんと言うことか。魔力レベルとは、人間が面白いことを言う。

 しかも2400?馬鹿げている。

 いや、ヒトシのクローンは倒した魔物の魔力を食らうのだったか。

 それならば有り得ない話では無いか。

 人間の口から魔力レベルと言う言葉を聞くことになるとはな。」


「やっぱり人間には魔力レベルは存在しないんですね。」


「魔力レベルはないが、成長点と言うものがあると聞いたが?」


「はい、俺もそれを聞きました。」


「おそらくそれが魔力レベルであろう。人は魔力を取り込むのが極めて苦手だ。

 魔物を倒し続け、僅かに蓄積された魔力が溜まると、ステータスを急激に引き上げる。

 それが成長点の答えだ。そして人にはその魔力レベルと言うステータスが存在しないようだ。」


「俺はその逆でしたけどね。」


「レベルがなかったのか?」


「はい。敵を倒してレベルアップするまで魔力レベルがレベルと表示されていました。」


「そんな話は聞いたことがないな。」


「クローンスキルのせいかもしれません。」


でも、なにかが引っ掛かる。


「我ら竜族は魔力を取り込むことが人間より長けている。魔族もまた然りだ。

 竜族はバランスよく両方取り込めるが。

 魔族は経験値を得るのが少し苦手で魔力を吸収する方が得意だな。

 なので必然的に人族よりステータスが高くなる。

 長命な分、成長速度は遅いようだが。

 

 我はレベル250の魔レベル80だ。

 2400と言うレベルがいかに馬鹿げた数値かわかるだろう。

 そして経験値とは生きた証。すなわち生命力だ。

 経験値は相手の命を奪った時にのみ手にできるものだ。

 相手の命を、人生を身体に取り込むのだ。

 魔物ならばよいかもしれぬが。同族を殺めるならそれなりの覚悟を持って望むことだ。」


「そうですよね。不用意に力を振るってはいけないですよね。

 心しておきます。

 身を守るためとはいえ、相手が死んだ時の事は思い出したくもありませんよ。」


「そうか、すでに過ぎたことだったか。」


「はい、でもなんとか生き返らせたので、取り乱さずにすみました。」


「・・・?」


「サルバさん?」


急に黙ってしまった。何かいけない事を言っただろうか。


「生き返らせただと?」


「はい、蘇生魔法で。」



「ヒトシ、お前は一体何者だ?人を蘇らせるという事は死霊術か。

 死霊術は世の理を外れる術。お前は何をしようとしているのだ。」


「死霊術も知ってますけど、それじゃなくて、蘇生魔法ですよ?」


「本当に死人を生き返らせたのか?」


「はい、胸を大きく貫いたので、たぶん。」


「一度死んだ肉体の再生は不可能だ。

 死体と魂を結び再生させるなど死霊術以外ではありえん。」


「違うと思いますよ。顔色もよかったし。

 あ、青ざめてたけど。怯えて帰っちゃって、悪いことをしました。」


「クク、クハハハ!」


真面目な話をしていたはずなのに、何がそんなにおかしかったのだろうか。


「お前はホントにお人好しだな。

 しかし、どんな影響があるかわからんから多用はするな。」


「わかりました。無暗に使うのはやめます。」


「うむ。今日は手合わせはやめよう。」


「いいんですか?あんなに楽しみにしてたのに。」


「そうだな、代わりにお前の話を聞かせてくれ。」

 


… 


俺はこちらに来てからの4ヶ月にあったことを話した。


「ハハハ、面白い。面白すぎるぞ。ヒトシは本当に退屈しないな。」


「笑ってますけどね。ホント、大変なんですから。」


「すまない。そうだな。

 だがヒトシの力を持ってすれば、そんな国など簡単に黙らせられるだろうに。

 

「いやいや、それがいるんですよ。強いやつが。」


「うむ、ヴォルフガングか。確かに、警戒すべきはそいつだな。

 王国の兵でも無いようだが。素性の分からぬ油断できん相手だ。」


「サルバさん!やっぱり稽古つけてください!」


「そうだな。やはりやるか!

 そのヴォルフガングとやらに負けぬようにな!」


俺はザルバさんに会いに来たんだ。

相談には乗ってもらいたかったけど、小難しい話は今はもういいや。


「お願いします!」


それから3時間で相当な打ち合いをした。

「反応と力に頼りすぎないように」と言うのがザルバさんの教えだ。

戦いの流れを読み、最小の動きと力で受け、最小の動きと力で打つ。

ステータスで圧倒的に勝る俺が、サルバさんに掠る事さえ出来ない。

サルバさんの攻撃も効かないけど、さっきから何回も急所にもらってる。

でも最後は俺がクローンのスキルとステータスを全解放して倒すんだけど。


「ヒトシ、地力を上げろ!練度を上げろ!強さはステータスだけでは決まらないぞ!」


「はい!心得ました!」


「よし、今日はそろそろお終いの時間だな。ここからはお互い全力だ!」


戦うたびにザルバさんの能力は上がっていく。

ダンジョンマスターが仕込んだダンジョンの力によるものだ。


俺は地力を上げて、少しでも勝負できるように頑張ろう。

クローンに頼らなくても生きていけるくらいに。


下書きばっかりが溜まっていきます。

早く投稿したい。

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