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第52話 聖剣エクスカリバー

黄金の右ストレートを手に入れた俺は森にKO勝利を収め、朝日を浴びて立ち尽くしていた。


あらー、やだわー、はずかしー。


タルトを横目でちらりと見る。


びくっ!


あ、今ビクってなった。ビクって。

ほらほら、こっちにおいでー、怖くないよー、よしよしウサギちゃん。


にっこり微笑む。


「ひっ!」


何故だ、なぜ友好の笑顔にそんな反応なんだ?

何故「ひっ!」なんだ?


こうなったらウサ耳撫で繰り回してやる!

どうだ!どうだ!ウサ耳、これでもか!


あれ、タルトさん。急に無表情ですわ。どうなすって?


「……そ。」


「え?」


「ヘタクソって言ったんだよ!

 ヘタクソが俺の耳触ってんじゃねぇよ!」


「はい!すいません!」


なんですかこの豹変ぶり。タルトさん、ですよね?

男としてのプライドをへし折るような発言はやめてください。

これがウサ耳族のタブーってやつか。


「あ、すいません。取り乱しました。

 すごい威力ですね、そのパンチ。さすがヒトシさんです。

 あれ、ヒトシさん?」


恐怖して、激怒して、平常心を取り戻したようです。


「うん、凄いね…。」


俺は自信を打ち砕から、涙をこらえるので精一杯です。


その後タルトのフォローで何とか自分を取り戻した。


ありがとう、タルト。


【ウサ耳触るべからず】


俺の第一の掟が出来上がった瞬間だった。


思いもよらぬ勇者の主激を退け、無事異世界での初戦闘に勝利したわけですが。

今、目の前にあるもの。光り輝く刀身。神々しいオーラを放つ聖剣を手に入れた。

勇者の忘れ物だけど。


鑑定解析

聖剣エクスカリバー

…古より人と魔との戦いにおいて大きな功績を残してきた神器。魔に対して絶大な威力を誇る。装備者の能力を最大限に引き出す。光の加護で装備者を害意から守り、再生の力を与える。


聖剣の代名詞エクスカリバーですやん。

これ国宝とかじゃないかな。返した方が良くない?

勇者、これ無くして今涙目でしょ、絶対帰ったら怒られるヤツだよ。


しかし。しかし、この輝きが、俺の心を鷲掴みにして放さんのだよ。

あっちから攻めてきたんだし、こっちは撃退しただけだし。

戦利品と、申すモノにございます。よし、構えてみよう。


『ブブー』


あれ、なんかブザー音が。しかもダメなヤツ。

何、装備しちゃダメなの?


「何々、聖剣に認められた者のみが装備できる、だと?

 どうすれば認めてもらえるのだろうか?」


「聞いたことがあります。聖なる剣、清き者、正しき者に力を授けん、と。」


「てことは、俺は穢れていて、不誠実だと?」


「それは、…判りませんけど。」


そこは分かって?違うと言って?


まだ鑑定には続きがあった。

装備条件…レベル100以上

     光の洗礼を受けている事

     容姿端麗である事


条件を満たさないと装備できないみたい。

最後の容姿端麗が引っ掛かるところだけど。

そもそも容姿端麗って誰基準だよ。誰が判断するんだよ。


『妾じゃ。』


また変な声が聞こえた。疲れてるのかな?

そうだ、今の質問はなかったことにしよう。

やっぱり返そう、これ。


『ま、待たぬか!妾が話し掛けておるのじゃぞ?!

 聖剣の頂点たる妾が、お主にじゃ!』


えー、思ってたのとだいぶ違うんで結構です。


『え、え?どう、ではどういうのが良いのじゃ?』


こう、もっと低い声で。

『我は至高の聖にして究極の剣、聖剣エクスカリバー。

 選ばれし者よ、力を欲するか。ならば、そなたに力を授けよう。』

みたいな?


『分かったのじゃ。

 我は至高の聖に…』


違う違う、もっと低い声で。我は、はい!


『う、うむ。

 我は聖剣エクスカリバー。

 どうじゃった?』


うん、まあまあかな。でも、「じゃ」は無しね。


『無しなのか。分かったのじゃ。…あ、むぅ、難しいのう。

 いやいや、そういう事じゃなくてじゃな。

 妾の声が聞こえる者など何千年ぶりか。

 そなたなら妾の力を引き出し、存分に魔の者を滅ぼしてくれるであろう。』


あ、俺勇者じゃないんで。

むしろ勇者に狙われるような立場なんで。


『そんな馬鹿な。妾の声が届く者など、真の勇者しかおらんのじゃが。』


ごめん、元の持ち主に返す予定だから。それじゃ。


『ま、待つのじゃ、待ってくれぬか。何でもするから。

 装備条件か?装備条件も変えるの……。』


俺は聖剣をドザエもんの無限収納に預けた。

はぁ。

戦闘の度に「ああじゃこうじゃ」と騒がれたら堪ったもんじゃ無い。

聖剣エクスカリバーよ。男のロマンよ。イメージをぶち壊しにしてくれたな。

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