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第47話 スライム攻略再開

送られて来た刺客を利用し、クローンによる幻覚で大臣たちを逆に陥れることに成功した。

死の恐怖と苦痛。自分が陥れたと思った相手から陥れられていた、と気づいた時の絶望。

幻覚から目覚めた時、何を思うのか。


はぁ、スッキリした。

これに懲りて、俺にちょっかい出すのやめてくれるといいな。


こっちは手出ししちゃダメなのに向こうからは平気で刺客を送ってくる。

そんなのって不公平でずるいよね。

命狙われてるんだし、これくらいやらせてもらわないと割に合わない。

手は出してないんだしいいよね。


さてと、タルトを連れてこんな所からはさっさと出ましょう。


「タルト、帰るよ。」


「ヒトシさん、その幻覚って解けないんですか?怖いんですけど。」


「ああ、ごめんごめん。今解くから。」


クローンから色が抜けていく。


「あんまり変わらないような。」


「そうだった、もともとジョブがアンデッドだった。」


「なんだかさっきまで騒がしかったのにやけに静かですね。」


「みんな疲れて眠っちゃったよ。偉い人たちだから忙しくて疲れもたまってるんだよ。」


「そうなんですね。偉い人って言うのも大変なんですね。」


君は素直でいい子だね。だから簡単に騙されるんだけども。

とりあえず宿に戻ろう。


暗がりの中、歩く姿を数名に見られたけど、皆さんもれなくダッシュでいなくなったね。

人の事見て、化け物だなんて失礼しちゃうわ!ただの生きる屍よ。


-銀緑亭-


タルトを俺の借りてる部屋に案内する。

俺は銀緑亭の一部屋を貸切にしているので、いつでも泊まれるようになっている。

オーク肉を納めてその代金から宿代を引いてもらっているので、タダみたいなもんだけど。

女将はタルトを見て、一瞬驚いたが徐々にニヤニヤし始めて、「ヒトシも男の子だね。」

なんて言ってたけど、男だと分かると、言葉を失っていた。うん、分かりますよ。その気持ち。


部屋に入ると。


「ヒトシさん、遅いよ!」


「あぁ、レイちゃんお待たせ。」


「ん、待たされたわ!

 早く、ヒトシさんのアレ、ちょうだい!

 …誰?その女の人。ヒトシさんがそういう事する人だったなんて…知ってたわ。」


急に声のトーンが下がって、無表情になるレイちゃん。


ヤメて、誤解を招く発言を連発しないで!

誤解が誤解を生む負の連鎖が始まっちゃうから!


慌てて事の成り行きを話し、タルトとレイちゃんの自己紹介を済ませる。

話が理解できてくると、俺の慌てぶりを見てニヤニヤし始めるレイちゃん。


最近、俺を誘惑しては、その慌てぶりを見て楽しむのがレイちゃんのマイブームのようです。

やめてほしいです。


「つまり、レイさんはヒトシさんの使い魔みたいなものなんですね。」


「え?」


どうしてそういう理解になった?

ま、頼み事はするけど。命令はしたことないよ。


「そうなんです。毎晩毎晩私はヒトシさんの言いなりで。

 あんな事やこんな事…。ごめんなさい。

 これ以上女の子に恥ずかしいことを言わせないでください。

 とにかく好き放題にされてるんです…。」


ウソつけ!そして、そのクネクネした動きをやめろ!


「ヒトシさん、いくら使い魔だからと言ってやり過ぎじゃないですか?!」


ニヤッとするレイちゃん。


俺はレイちゃんをキッと睨み付け、無言で大きなお胸に手を伸ばす。


「いやん!」


身をよじり避けようとするが、その体を突き抜ける俺の腕。


「わかった?」


タルト、目が点になってるよ。


「触れないの。あんな事やこんな事なんて出来るわけないの。」


舌打ちが聞こえた。


はぁ、なんか疲れたよ。


「俺はもう寝るから、勝手に生気でも何でも吸って。

 タルトも空いてるベッドと、この部屋好きに使っていいから。

 じゃ、おやすみ。」


「はい、ありがとうございます。おやすみなさい。」


「ねぇねぇ、ヒトシさんもっとお喋りしようよ。

 私頑張ってるんだよ。宿の掃除も。最近は厨房の手伝いだってしてるんだから。」


そういえば、掃除とか、俺が来る前からやってたんだよな。

どうやってほうきとか触ってるんだろう。


なんか一生懸命アピールしてるけど、とりあえず今はそんなの聞く気分にはなれません。

さ、本体は放置して、クローンでドリさんとこに行こう。

世界樹の様子とか、タルトの村の事とか、他の獣人についても聞きたい。


-トレントの森-


「あ、ヒトシさん!良かった、無事だったんですね。

 とても心配してたんですよ。」


「ありがとうございます。まだ油断はできませんけどね。

 でも、この森の事は絶対に守りますから。」


「ありがとうございます。

 私も早く本来の力を取り戻して、ヒトシさんの力になれるように頑張ります。」


そうか、ドリさんもこれが本来の力じゃないんだ。

でも、強くなったドリさんも想像しづらい。


「はい、頼りにしてますよ。

 そういえば、王都で兎人族の青年に会ったんですけど。

 ドリさんが世界樹の苗木の様子を見て回ってるって言ってましたよ。」


「そうなんです。森にすむ獣人さんたちは世界樹を信仰しているのです。

 そして、獣人さんの集落の近くには必ず世界樹の苗木が植えられるのです。

 その苗木を通して世界樹は信仰の力を集め、

 森の恵みや、生命力を獣人さんたちに与えているのです。

 世界樹が森を育て、獣人さんを生かし、獣人さんもまた世界樹を信仰して、世界樹に力を与える。

 そうやって、生命力と魔力が森を巡っていたんですけど。

 人間の信仰が失われたことによって世界樹が弱り、

 遂には苗木との繋がりを保つことさえできなくなってしまって。

 そのつながりを今復活させて回っていたんです。

 苗木を守ってくれていた獣人さん達へのお礼も兼ねて。」


「そういう事だったんですね。

 それで、一つ聞きたいことがあったんです。

 兎人族の村って、ここら辺にあります?」


「ええ、ここから北にある森の中にチルトと言う兎人が納める村があります。

 森の加護があれば世界樹の気配を辿って迷わず着けるはずです。」


「分かりました。じゃあもしかして、世界樹の気配をたどれば、

 他の獣人の村にも辿り着くことが出来るってことですか?」


「はい、それも可能だと思います。

 ぜひ獣人さんの村を訪ねるときは、苗木にも顔を出してあげてください。

 喜ぶと思いますから。」


「そうですね、探索しながら尋ねてみたいと思います。」


後で本体もこっちに戻すという話をしてから、スライムの巣に移動する。


-スライムの巣-


さて、また一階からやり直しだな。

一度国にダンジョンを引き渡してからしばらく放置していたので、国にも放置されていたので。


あれからずっと攻略法を考えていたんだけど。

一か所で戦うから倒しきれないし、スライムから出てくる水も地面に吸収しきれず溢れちゃうんだ。

それなら数か所に分けて広い所で倒せばいい。


スライムの巣奥。どんどんと溢れ出すスライムは圧力に負け壁や地面に吸収されていた。

そこに出現したのは青く輝く魔法陣。

四方に展開された魔法陣に触れたスライムは跡形もなく姿を消した。

次々と消えていくので。スライム水が出ることもなければ、押し寄せるスライムに負けることもない。

ただ魔力だけはスライムが消えるたびに徐々に削られていった。

魔力転送があるからまだまだ余裕ではあるけど。

この魔法陣、何を隠そう転移魔法の魔法陣。スライムの巣の殻広場に転移場所を指定し

そこで待ち構える雷魔法によって次々と葬られていた。


すぐに第二階層へと続く縦穴までたどり着いた。


このまま魔法陣を展開したまま降りるぞ。

第二階層はさらに圧力が強まるから、魔法陣を増やして前進。


それにしても転送魔法は効率が悪いな。魔力をガンガン削られるのが分かる。

満タンだった魔力が10分で底をつき順番に交代していった。

放射状に展開し前進。広がる毎に魔法陣の隙間からスライムが漏れてくるようになった。

しかし、そこを大魔導のサンダーウォールで通さない。

さらに前進し範囲が広がってくると、圧力も分散され、

サンダーウォールだけで事足りるようになってきた。

最終的には大魔導50体、3時間を掛けて地底湖以外の第二階層を制圧した。

いつもお読みいただきありがとうございます。


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