真紅の翼 その後
※あまり面白い話ではありません。
グロいのが苦手な方は読み飛ばして次に進んでください。
-冒険者ギルド医務室-
「アヤさん、カインが目を覚ましましたよ。」
決闘場で俺に気絶させられたカインが、うめき声を上げながら目を覚ます。
「ま、待ってくれ!大臣だ。すべては大臣が仕組んだことだ。
俺はそれに従っただけだ。」
「アヤさんを傷つけることが大臣に頼まれた事なのか?
そんな訳ないだろ…。」
あきれてしまう。
「アヤ、許してくれ。俺が間違ってた。
昨日の夜、俺本当の気持ちに気づいたんだよ。
お前が俺のすべてだ。戻って来いアヤ。」
カインの表情が変わる。これが操心術か。確かに気持ち悪い。
「無駄です。もう私に操心術は通じません。
もう負けないって決めたんです。」
「なんでそれを知ってる?
お前か、お前かヒトシ!
俺のアヤに、何を吹き込みやがった!?」
「これがコイツの本性です。またアヤさんを操って、
自分の思うとおりにするつもりです。」
「はい。よく分かりました。ありがとうございます。
私の為にここまでしてくれたんですよね。
本当はただ始末すればよかっただけなのに。
おかげでスッキリ忘れることが出来そうです。」
アヤさんは、もう未練はないのか医務室からさっさと出て行った。
後は好きにしてくださいと言わんばかりに。
「アヤ、何を言ってるんだ。
お前には俺しかいないはずだ。
もう俺しか愛せないはずなんだ。」
「気づいてないのか?お前、自分が操心術にかかってるって事に。
そして、これからお前らに掛ける術はもっと楽しくて永遠に続く病だ。」
さて、とりあえず。移動しようか。
真っ暗で楽しい場所へ。
真っ暗な空間にはたくさんの男たちが集められていた。
松明で照らしてやると、カイルには見知った顔のようだ。
そう「真紅の翼」のメンバーだ。
カイルと一緒に好き放題やっていた奴ら。容赦の必要はない。
「さて、まずお前たちには不死身の体になってもらうぞ。」
誰も口をきく者はいない。なぜなら、全員死んでいるから。
作ったクローンは死霊術士。死体の心臓を喰らい。死者を操る。
心臓を取りだし、ひと飲みにすると、起き上がる死体。
「あれ俺、確か死んだはずじゃ。あれは夢だったのか?
恐ろしい夢だった。」
次々に意識を取り戻していく死体。
お互いの生を喜び合い、抱き合い。気づく。
あれ?冷たい。土のように、冷たい。
胸の真ん中に付いた傷。まだ、乾いていない。が、血は出ない。
「心臓が、動いてない…。」
カインも目覚める。
「お前たち、おいヒトシ!これはどういうつもりだ!
俺たちに何をしようって言うんだ!?」
俺は一言もかたらず。クローンを作る。サキュバス。夢魔だ。
夢の中に現れ男を誘惑し堕落させ生命力を奪う。
こいつらは死んでいる。永遠の夢の中だ。
さあ、幸せな夢を見せてやってくれ。
サキュバスは次々に男たちに抱き付き口づけをしていく。
ある者は、自分の好きな者の名を。
ある者は、自分の好きな行為を。
それぞれに、夢を見る。最高の夢を。
そして、それは、地獄に変わる。
日付が変わり。次々と現れる。飢える者。
飢餓を与えられたオークたち。
そして飢餓を与えられた甦った男たち。
さあ、狂気の宴の始まりだ。
最高の夢は終わりを告げ。激痛と共に目覚める。
夢魔によって与えられた快楽はオークによって食い破られた。
が逃げ惑うことなく、オークに食らいつく男たち。最後の一匹、最後の一人になるまで延々と繰り返される戦い…。
24時間後。血塗れのオークが一匹。
そして再び日付が変わりオークが生まれる。
そして、男たちも生まれ変わる。
サキュバスによる最高の夢の中に。
そして再び始まる。狂気の宴。
そう、彼らはダンジョンに取り込まれた。
拒否権はない、死霊術士の支配下にあるから。
こうして彼らは永遠の時を生きる。終わることも許されずに。




