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第40話 衝撃の結末

-ギルド長室-


「そうか、アヤだったか。

 ギルド職員の身辺調査は俺の仕事だ。

 守ってやれなくてすまん。」


ダンテさんは本当につらそうだ。


「謝らないでください。

 とりあえず、始まりからすべて話しますので。

 聞いてください。」


事の始まりは3か月前。クラン「真紅の翼」のリーダーカイル。


どっかで聞いたな。あ、シェロルさんにちょっかい出してきたヤツじゃん。

二人同時に声かけてたのか。つくづくクズ野郎だな。


受付をしていると、声を掛けてきた。

自分には他に心に決めた人がいたはずなのに、

なぜかそのまま付き合うことになって。

どんどん夢中になって。

自分で自分がコントロールできなくなっていた。

ギルドの事をすごく楽しそうに聞いてくれるので、聴かれるすべてを喋ってしまった。

その時は何とも思わなかったし。悪い事をしている認識もまるでなかった。

だからギルドに来ても罪悪感もなく普通に過ごしていた。

もちろん付き合っているんだから、愛し合った。

彼ののぞむままに、彼以外の副リーダーや、

クランメンバーとしてくれと頼まれれば彼の為に応じた。

とにかく彼の為に。それだけを考えるようになっていた。

そして、彼に愛されている最中、いずれは大臣に差し出されることを知った。

ショックだった。

でも、「こんないい体の女を差し出すなんてもったいない」

と言われたことがうれしかった。


淡々と語っていたアヤさんの瞳からは大粒の涙がこぼれていた。


「それでもまだ、彼に気持ちが残っているんです。

 意味が分かんないですよね。ただ利用されていただけなのに。」


ポロポロこぼれる涙は目からこぼれ膝に落ちた。


「もう、ギルドにはいられません。

 こんなにみんなに迷惑かけて。」


「すまないアヤ、守ってやれなかったのは俺の責任だ。

 身辺調査、交友関係の把握はギルドマスターである俺の仕事だ。

 誰もお前を責めたりなんかしない。ヒトシもな。」


「そうですよ。こんなこと、大したことじゃないですよ。

 悪いことしたやつが悪いんです。アヤさんは被害者です。

 こんなに傷ついて。」


「うぅ…。ごめんなさい、本当にごめんなさい。」


アヤさんは大泣きしてそのままテーブルに伏せてしまった。


ショックだったろう。自分が操られていたこと。

そして、それに気づいた今。

自分が何をされ、何をしていたのか、わかってしまったんだ。

どうしようもなく、みじめな気分だろう。


クソ野郎、やっぱりシェロルさんに手出しした時に、片付けておくべきだった。

そうすれば、こんなに傷つくアヤさんを見ることもなかっただろう。

俺にも責任がある。これはダダでは済まさない。

タダで終われると思うな!


「いってきます。」


俺は思わず立ち上がった。


「あぁ、頼めるか?」


ダンテさんは低い声で言った。


「はい、俺もそいつは知ってます。シェロルさんにも声をかけてきたやつです。

 あのクズ野郎。その時に始末しておけばよかった。」


「始末って、その…。」


アヤさんは戸惑っているようだった。そりゃさっきまで仮にも好意を持っていた相手だ。


「大丈夫です。悪いようにはしませんから。」



探せ、探せ。

あいつ、全然懲りてなかった。


そしてクローンを使い。それはすぐに見つかった。


クラン事務所か。


今度は直接乗り込むか。




-クラン真紅の翼事務所前-


ベルを鳴らす。


「ギルドの者です。カイルさんに伝言を。」


ドアが開き、ダルそうに姿を現した男。カイルだ。


「ギルドの使いだ?こっちには何の用もねぇよ。

 さっさと帰ってくれ。」


「アヤさんの事で。ボク、アヤさんの恋人なんですけど。」


「あぁ?ギルドの使いってのは嘘か?

 アヤの彼氏君?ああ、なんか言ってたな、好きな人がいるって。

 もうお前とは終わってんだよ。アヤももう忘れたってよ。

 俺といる方が気持ちよくなれて幸せですって言ってたぜ。かかか。」


お前が言わせてたんだろうが。思わず睨みつけてしまった。


「はは、怖いねぇ。アヤを満足させられなかった彼氏君が悪いんじゃないかな。

 自分の胸に手を当てて考えてみなよ。」


「あなたが無理やり従わせてたんでしょ?」


「あぁ?うぜぇな。だったらなんだよ、ダサくて弱いてめぇより俺を選んだって事だろ?

 分かったらさっさと消えろ、雑魚が!」


腹に蹴りがめり込み。蹲る。


そこにアヤが現れる。


「ヒトシ、大丈夫?」


「ヒトシ、だと?」


「あぁ、大丈夫。何ともないよ。ただ、アヤの事をあきらめてもらおうと思ってね。」


「何言ってるのヒトシ、私はもうあなたのモノよ。」


抱きついてくるアヤ。


「ヒトシ、だと?」


「アヤは甘えん坊だな。よしよしして欲しいのか?」


「おい!」


「うん!してほしいなぁ。」


「おい!」


「その目で見つめられると、もう何でもしてあげたくなっちゃうよ。」


「無視すんなぁ!

 てめぇがヒトシか!

 くそっ!俺は忘れてねぇぞ!あの夜のこと!

 思い出すたびに、気が狂いそうになる!

 あんな卑怯な手を使いやがって!

 アヤを手に入れてお前の名前を聞いたとき、

 俺はイキたくなるほど興奮したぞ!

 これでお前に復讐ができるってな!

 どうだ、国を敵に回してやったぞ!

 もうお前に勝ち目なんかねぇ!

 カイル様の名前を聞いたら穴倉の中で怯えながら過ごせ!」


「ねぇ、これからどうする?」


「これから?決まってるだろ?」


「アヤを死ぬほど幸せにしてやるんだよ。」


「もう、ヒトシのばかっ!」


「アヤ、もどってこいよ。こいつはもう終わりなんだ。

 俺ともう一回やり直してくれよ。

 なぁ、お願いだよアヤ、なんでもするから。

 そんなやつより、俺の方がお前を愛してる。

 狂おしいほどに。」


よしよし、完全にかかったな。

こいつ、このアヤさんがクローンだってことに気づいてない。

幻覚、幻惑、魅了、そして、操心のスキルを付与したクローン。

まさか自分が落とした相手に、落とし返されるとは思っても見ないだろう。

さて、もう一押し、挑発しておくか。


「何を言ってるんだ、アヤがお前みたいな雑魚と一緒になる訳がないだろう。」


「てめぇ、だったら正々堂々と戦ってどっちがアヤにふさわしいか決めてやる!」


完全に筋書き通りですね。思わず吹き出してしまいそうなほど予想通りの答え。


「それじゃ、ギルドの決闘場に移動しましょうか。」


「あん時みたいにいくと思うなよ。俺はAランク冒険者だ!てめぇなんか捻り潰してやる!」



ギルドの決闘場。揉め事が起こった時、両者の合意の下、決闘にて成否を決める。

まさに勝った者が正義。力こそがすべて。そんな荒くれ者たちに相応しい場所である。


そして今、二人の男がすべてをかけて決闘に臨もうとしていた。


「カイル・バーナルは代償にクランリーダーの座を賭けて。

 ヒトシは代償にその命を賭けて。」


そう、ぼく賭けるようなもの命しか持ってないんで。

あ、ダンジョンマスターでもいいよ。欲しいならだけど。


決闘とは王都の者にとっても一大イベントである。

それが高ランク冒険者しかもクランリーダーの決闘ともなれば

ウワサはすぐに広まり決闘場は観衆で埋め尽くされた。


武器、魔法の使用制限は無し。

しかし、場外に被害が及ぶ場合は即座に負けとする。

勝敗は、どちらかが戦闘不能になるまで。

今回はかけるものが命と言うことで生死は問わない。


わー物騒なこと言ってる。ま、こっちは命かけてるからね。

あ、カインさんは殺さないよ。殺しちゃったらそこで終わりだからね。


「では、始め!」


開始の合図とともに観衆の興奮が膨れ上がる。


カインは、全身赤の装備。真紅の翼。

その名の通り、翼のようなフォルムの大剣を両手持ちにして構える。


一方こちらは動きやすいように革の鎧と、鉄の小手肘当てスネ当て。革の靴。

明らかに格下装備だ。素手だしね。剣とかあるけど。

危ないよね。命奪っちゃいそうで。


「おまえ、なめてるのか?」


「いえいえ、この装備でいいんです。やってみればわかりますよ。」


「すぐ終わりにしてやる。」


言い終わるのが早いか。剣が振り下ろされるのが早いか。

Aランクの実力。確かに、言うだけはある。


ま、所詮Aランクとも言うけど。


大剣は地に着くことはなかった。

すでに柄の先に刃はなく。

砕け散った欠片が、むしりとられた羽のように、

ハラハラと宙を舞っていた。


「ただの回し蹴りだ。」


驚き、声も出ないカイルに説明してやる。


「ただの回し蹴りで、伝説級装備の銀翼の剣が砕けるものか!」


あ、伝説級の貴重な装備を破壊してしまいました。いくらするんだろう。

そもそもそんな武器普通に武器屋とかで買えるのかな?弁償とか言われたらどうしよう。

とりあえず何か文句を言われる前に黙らしちゃえ。


踏み込み、一瞬で懐に潜り込み、鳩尾をチョン。


バックステップで離脱。と。


あれ、なんか、しーん。って、なってるよ?


周りを見回すと。みんな不思議な顔で俺たち2人の事じゃなくその奥にある壁を見つめていた。


あれ、なんであの壁崩れてるんだろ?

耐震強度偽装で崩れちゃった?

もうダンテさん、ちゃんと建設業者は選ばないとね。


あ、俺か。鳩尾はチョンだったけど。踏み込み。張り切り過ぎたか。

移動でできた衝撃波が決闘場の壁を破壊していた。


うん、とりあえず、勝負はつきましたね。相手、気絶してるし。

これでもう、クランリーダーとしての地位はおしまいだね。

ま、これで許すつもりはないけど。クランもろともね。

ヒトシの冒険は改めて別タイトルとして。上げていきます。

後書きに書くと言う無謀な挑戦は失敗に終わりました。

だって、後書き途中で保存できないんだもん。

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