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第37話 悪魔の契約

トレントの森に進軍する王国軍の本体とは別に、

ものすごいスピードでハウスタートルに向かってくる一部隊がいた。


身動きの取れるクローンはトレント入口に移動させてしまった。

今からクローンを呼び寄せるか。いや、あっちは2万だ一人でも抜かれない様に牽制しないといけないからそんな余裕はない。

クローンを作ってやり過ごすにしたとしても俺の居場所がバレてるんじゃ下手に隠れれば逆に狙われる。

しかたない、けどやるしかないか。

俺だってそれなりに強くなってるはず。別動隊の奴らが精鋭だったとしてもやれるはずだ。


それにしてもここに居るのがバレるなんて、ロズさん以外、誰にも言ってないはずなのに。でも今回の遠征にロズさんは参加していない。

おそらく索敵能力もちがいるな。となると隠密系のスキルは使えないか…。あー、少し厄介かも。


隊は500あまり。どこの番隊か分からないが、森の中なのに統率の取れた迅速な移動。精鋭部隊で間違いない。

騎兵たちは急速に接近し、ハウスタートルの前で停止した。

陣形を組んで、攻撃態勢に入るところだな。

そして隊長らしき人が前に出てきた。

もしや、これが一騎討ちと言うやつですか?

こっちにはこれといった武器はないけど、相手が剣の達人だったとしても距離を詰められなければそれなりにやれるか。


「ひとしー、いる?」


あんた俺の友達か?!やけに馴れ馴れしいぞ。

でも国王軍には7-3隊以外知り合いはいないはずだけど。


とは言え閉じこもっていても仕方ないので、ゆっくりと扉を開け姿を現してみる。


「おー、ホントにいたよ。どっから出てきたの?

 でも、ロズの言うとおりだったね」


ロズ隊長に居場所を聞いてきたのか。

もし、討伐隊に編成されたときにコッソリ会えるようにと思ってたけど、まさか別の人間が来るなんて思いもしなかった。


「ロズ隊長の知り合いですか?」


「あ、うんそう。俺はアルス。ロズの奴とは同期で元同じ隊所属なんだよ。」


「もしかして、3-1隊の隊長さんですか?」


「お、ロズから聞いてた?そうそう、じゃ、話は早いね。

 あー!そうだ、オークジェネラルの肉、スゲーうまかったよ。

 王都でもあんなうまい肉出す店なんてなかったよ。

 ロズの奴あんな美味い物、俺に断りなしに一人で食おうなんて、

 薄情な奴だよね。食い意地の張った酷い奴だよ。」


うん、二人がどんな関係だったとしても別にアルスさんに断る必要はないしね。いや、ロズさんの事だからむしろ秘密にしたかったのかも。


「えーとそれで、ただ挨拶に来たわけじゃないですよね」


何にしてもトレント攻略中にこっちに来るということは、

何かしらの意図があるはず。


敵か、味方か。


「あ、うん。俺たちはここで戦うつもりはないよー。安心していいからね」


俺の顔から考えを読み取ったのか、アルス隊長が話し始めた。


「僕達はこのまま森に迷って、そのまま王都に帰る予定だから」


迷うことまで予定に入ってるみたいだけど。

とにかくここでやり合うつもりは無いみたい。そうとなれば、


「じゃあ、迷った時のために食糧準備しなきゃいけませんね」


ここに来た意図はまだ読めないけど、さっきのオーク肉の話から察するに、これくらいの提案はしてもいいかな。


「えー、いいの?話が分かり過ぎるんじゃないか?

 確かにロズの言うとおり、かなりのお人好しみたいだね!」


テンションの上がるアルスさん。

ものすごく嬉しそうだ。なんてったって小躍りして喜んでいるくらいだから。


「いえいえ、こちらにも思惑がありますからね」


俺はニヤリと笑って見せた。


「おお、恐ろしい……!ははっ、それでこそ白い悪魔だね!」


あー、俺そんな名前で呼ばれてるンスか。俗に言う通り名ってやつですね。

あれですね。連邦軍の白いモビルな奴ですね。分かります。


それにしてもその名前、大臣さんの悪意しか感じないんですけど。

どっちが悪魔やねんって話な。


「フフフ、それじゃ、そそのかされて悪魔との契約結んじゃいますかー!」


「そうですね。オークの肉で買収されてください!」


「うん!されちゃうされちゃう!」


ホント、ノリのいい人だな。お調子者とも言うけどね。

ロズ隊長とは正反対の性格。けど、人に好かれる性格なのはどちらも一緒か。


「あ……!」


という声を出し、固まるアルスさん。


「ロズからの伝言を伝えるの忘れるとこだったー…。

 危ない、これ忘れたらロズにマジで殺される……」


なんか急に青ざめてすごいマジ顔になったんですけど。

そんなに?そんなにロズ隊長が怖いの?


「ヒトシ、ロズからの大事な伝言があるんだ。あのね、ひとしの情報が国に漏れてるよ。

 情報の量と種類から推測すると、ギルド関係者からだね。

 僕も内容を確認したけど、たぶん、いや間違いないね」


なんと、衝撃の事実!


ギルドって国には属してないはずだし、俺の情報はギルマスを始めとして一部の人しか知らない。

まさか、ダンテさんが裏切っていたの?

いや、俺を売ったところでギルドに利益ってあるの?

収入減るだけでしょ。

それとも俺を捕まえてコキ使う気なのかしら?

さすがにそれは無理がある。

だとするとギルドマスターのダンテさんではない。

だとすると、俺の能力を知っているのはシェロルさんとアヤさんの二人か。

いや、まさか、だってどっちも一生懸命仕事してくれるし、真面目な人たちだよ。

あれが演技だったとしたら、俺はもう一生人を信じれなくなっちゃうよ。


ショックだ。ショックだけど、だとしても、調べなきゃ。

このままじゃ俺だけじゃなく誰がどんな危ない目にあわされるか分からない。

恐らくギルドの情報も漏れてるだろうし。

でもどうやって調べる?

クローンを使ってみんなを監視するか?いや、それだと時間がかかりすぎるし、証拠隠滅のために内通者が消されるかもしれない。これは早急に手を打たなければ。



俺はギルドに戻る前にアルスさんにオークの肉を分けた。500人分5日間。

結構な量だな。しかーし、それくらいだったらね。

オーク100匹分くらいならどーんとサービスしますよ。ロズさんの知り合いだしね。

そうか、これがお人好しってやつか…。


「「「「おぉー!」」」」


買収の品、オーク肉の塊を引き渡すと、


隊員の皆さんからの感嘆の歓声を頂きました。

これだけで余は満足じゃ。


「ありがとう~。

 この前冒険者に頼んでオーク肉を採ってきてもらったんだけどさ。

 臭くて、えぐ味も強くて食えたもんじゃなかったよ。

 ありゃ、オーク肉を食ったら魔物になるってのもただの噂じゃないね。

 ヒトシはうまい奴の見分け方でも知ってるの?

 後で俺にもコッソリ教えてよ。」


「うーん、特にはないんですけど。」


俺は遭遇したオークはすべて肉にしてるけど、不味いのに当たった事はない。


「まぁ、俺はヒトシから買うからいいんだけどね。今度会ったらぜひ譲ってくれよ。

 ロズにでもいいからさ。頼んだよ。」


「わかりました。次に戦場で会わない限りは」


俺は皮肉交じりにそう言った。


「はは、そういえば敵同士だったね。

 戦場で白い悪魔にあったら気を付けることにするよ。

 それじゃ、負けることはないだろうけど。

 気を付けてね。」


「はい、アルス隊長も」


「あぁ、アルでいいよ。それじゃまたねー」


行ってしまった。

戦場のはずなのに、全然張りつめてない。

不思議な雰囲気の人だったな。人を引き付ける魅力がある。

ロズさんが言うには酒と女には弱いみたいだけど。


はぁー、そうかー……。

ギルドから情報が洩れてたか。

道理でトレントの森の場所とドリさんと世界樹の事までバレてるわけだ。

んー、何かの間違いであってほしい。



変わってトレントの森入口。


敵の数は20000。

たかだか元冒険者一人に差し向けられる人数じゃない。

完全に俺の能力もばれてるな。白い悪魔とか言われてたし。


大臣たちは俺を潰して、ダンジョンを奪う気だ。

でもトレントの森は世界樹と、ドリさんのモノだ。

この自然溢れる場所が人の手に渡ってしまったらどんな扱いを受けるか分からない。

ましてや国に渡ったら絶対にろくなことにはならない。


ここはいっちょデカくやるか。

もう絶対に手出ししてこないように。

それに下手に殺したくないし。

となれば力の差を見せつけるしかない。


俺はトレント達から樹霊術のスキルの欠片を集めて習得はしている。さらにドリさんにも指導してもらって、

それなりに使えるようにはなった。


まず、2本の木を選ぶ。

50メートルくらい離れてるやつを選んで、

一気に魔力を流し込み。成長させる。

100メートルまで真っ直ぐに成長したところで、

2本の木を絡ませさらに大きくする。

300メートルの高さまで成長させた木は下から見るとそびえ立ち、さらに巨大に見えた。

魔力を注げばこれくらいは簡単なんだけど。

これを操るのがなかなか……。一筋縄じゃいかないんだよね。


それを手足のように自由自在に扱えるドリさんはさすがです。

ま、形を作るくらいなら俺にも何とかね。

足を作り、胴体を作り、腕を伸ばし、頭を作る。

頭の上には大きな木を生やしてみた。なかなかキュートだ。


突然現れた森の巨人に王国軍はパニック状態。

士気をそがれ、散り散りに逃げ始めた。

これで終わったな。

ちょろいちょろい。


次来たときには迎撃態勢整えておくからね。

10万だろうと20万だろうと捻り潰してやるよ!

俺と、この森に手を出したらどうなるか分かったか!国だろうと何だろうともう容赦はしないからな。

今回の件で本当に頭にきてるんだ。汚い手を使いやがって。


ははは、貴様ら覚悟しておけ。

白い悪魔と呼ばれたこの我輩がどれほど恐ろしいものかを思い知る時が来たぞ。

その傲慢を改めない限り王国は滅び、人類は蹂躙される事になるぞ!

ハハハ、フハハハ、ふははは…。と、ちょっとばかし調子に乗り過ぎた。

悪魔ってなんか楽しいね、閣下。


えと、


あの、


皆さんなぜか更なるパニック状態にになっていらっしゃる。

と思ったら、


樹霊術の能力を通して俺の思ってた事がこの森の巨人を通して森全体に伝わってたみたいだよ…。

おかげで効果は絶大のものとなったとさー。


えっと、ごめん、これ以上は何もしないから、気を付けて帰ってね。

とりあえず本編を


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