第34話 木材生産地トレント
なんか、後書きの方が長いかもです。
世界樹との約束から約一ヶ月。俺は来る日も来る日も、トレントを狩り続けた。
今ではトレントの森の半分は狩れるようになっただろうか。
トレントの森はとにかく広大で、
ドリアードからもらった森の加護がなければ、もっと時間が掛かっていたと思う。
伐採と運搬を優先しているのもあるけど。いずれは全域を管理下に置いて
アイアントレントを完全に制圧するのが目的。
でもさ、もうさすがに毎日木しか見てないと。人が恋しくなるよね。
でも最近はドリさんが、あ、ドリアードさんね。
ドリさんが、よく遊びに来てくれるから、ヒマはしないんだけど。
お土産に美味しい木の実を持ってきてくれるんだ。
これが不思議な味なんだけど、けっこう美味しい。
なんでも世界樹の生える森でしか採れないエタナの実って言うんだって。
最近は見かけなかったんだけど、俺がトレントの森を管理するようになってから
復活したみたい。世界樹が回復してる証だって、ドリさんも世界樹も喜んでた。
ドリさんも森の精なんだから実がなるんじゃないのか聞いたら、
「やだ、ヒトシさん!そういうことは女性に聞くもんじゃないですよ!」
と顔を赤くしてモジモジ、体をくねらせながらバシバシ叩かれた。
どうやら俺は下ネタを言ってしまったようだ。
ただの質問だったのに。
お胸もたくさんゆさゆさ揺れてたから、いいんですけどね。
むしろ良かった。
あ、ドリさんはもう裸ではありませんよ。
明るい緑色のふわっとしたローブをプレゼントしました。
何故ふわっとしたローブかは、いろいろあったんだよ…。
お胸の問題とか、いろいろ…。
あ、そうそう、ドリさんはね、俺のそばに来ると元気になるんだって。
まあ、俺にも元気な大樹が存在しているんでね。そのせいだろう。
…すいません、世界樹から比べれば小枝でした。
きっとあれだ。加護を授けた方にも、
加護を受けた者からのお返しみたいなものがあるんだろう。
ギブアンドテイク。お役に立てれば光栄です。
一日にトレント1万本のノルマは軽く達成して、残り分はギルドに出荷している。
ギルドは俺に体育館ひとつ分の土地と、その半分の買取出張所、兼、倉庫を用意してくれた。
ギルド増設してヒトシ専用買い取り室を用意してくれたんだけど、
トレントの木材大量に持ってったらすぐに一杯になっちゃって、
結局そこはギルドの倉庫として使うことになった。
丁度、ギルドの隣の土地と倉庫が売りに出されたから、
そこを買い取ってヒトシ専用倉庫にしてくれたみたい。
そこまでして大丈夫なのか聞いたら、
「お前の買い取り利益一ヶ月分で十分回収できる」って楽しそうに話してたよ。
俺そんなに稼いでた?報酬額とか気にせずそのままギルドに預けてたから、
いくら稼いだかなんて全然知らない。
もうちょっと、資金管理をしっかりしなきゃね。
そして、すぐその倉庫もトレントの木材で一杯になってしまった。
そこで、買取しきれない分はスラムに寄付して住宅を建設中。テント生活の人達の。
ギルドに売った利益で大工を雇った。スラムは今建設ラッシュ。
家が手に入れば、生活の基盤ができて、仕事とかも見つかるだろうし。
その場所で、生活が生まれてそこで経済がうまく回ってくれるといいな。
アイアントレントの方は頑丈だから、お城とか、貴族の屋敷、教会とか大規模な建築用。
ハウスタートルと一緒に、「メカニックタートル」と言う異世界には似つかわしくない
クローンを作り製材と斬鉄を組み合わせたスキルを持たせた。
加工しにくいアイアントレントの建材の注文をギルドに取ってもらってる。
原料の代金と、メカニックタートルの製材料で金持ちたちからガッポリと稼がせてもらった。
それでも「通常よりも安く、鉄よりも軽くて丈夫な建材が手に入る」と
大人気で、納入が追い付かないほどになってしまった。
アイアントレント次第だけど、大体一ヶ月待ちくらいかな。
それから、よく燃えるトレントは暖炉やカマドの焚き付け用として
人気商品になり需要が爆発的に増えた。しめしめ、思った通りだぜ。
と、こんな感じで、トレントの森の素材集めから販売まで上手いこと行っている。
果実とか木の実とかもいずれは販売していきたい。ギルドマスターと相談中。
と、いうわけで、そろそろ霊峰の麓を目指そうと思う。
魔力収入も増えて、東の森の探索で消費した魔力分はとっくに取り戻して、
霊峰探索用の魔力も蓄えられてきた。余裕を持って探索を始められそう。
探索で魔力2億も使っちゃったからね、取り戻すのに結構かかっちゃった。
だけどいよいよ。今度はドラゴンハンターになっちゃうよ。
霊峰ガルガドに向けて出発の準備だ。
探索組、シーカー、ワンダラーのコンビ20組と。主戦力組勇者、魔王、ボウマスター、賢者3組を編成して。
そしてやっぱり僕は一人でお留守番。
トレントの森を出て、半日ほど。遭遇する魔物を倒しながら進むと、徐々に標高が高くなる。
背の高い木はだんだんに姿を消し、低木が増え始め視界が開ける。
東の森を見渡す位置まで登って来たな。まだガルガドまでは相当かかりそう。
太陽は天辺を少し過ぎたあたりか。
と、その太陽の逆行を受け黒い影が空を横切った。
もしかして、あれがドラゴンか?
さっそく出くわしましたか。
勇者にはもちろん、竜斬のスキル。
抜かりは無いですぜ、旦那。さあさあさあ!どっからでもかかってきんさい!
ごうと言う羽ばたきの音と暴風!
ドシャリと地面に降り立つ!
スパン。あれ、これ首無竜かな?




