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第30話 本体、正体を明かす

翌朝、おかみに改めて謝られた。レイスと話したこと、そして事情を伝えると、女将は、スッキリしたのか晴れやかな顔で「それなら仕方がないね。つきあってあげるよ。」と、笑っていた。

とりあえず俺が滞在している間は、俺の部屋以外に姿を現さないと約束したと言うこと、女将には感謝していた、と伝えると、女将はうっすらと目を潤ませ「さ、朝食の時間だ。約束通り今日から大盛りだよ!」と元気に言って厨房に向かっていった。


さて、朝食も済ませたしとりあえずギルドに行って、依頼のチェックと、オークの皮、リザードの素材一式を買い取りに出してみよう。


受付に向かうと、昨日の美人さん、シェロルさんだった。


「おはようございますヒトシさん。さっそく依頼を受けにいらしたんですか?」


「おはようございます。ええ、それと、素材の買い取りをお願いしたいと思って。」


「素材ですか。常時依頼ですね。では今常時買取の素材リストをお見せしますね。」


シェロルさんは、カウンターの引き出しの中から冊子を取り出し、F級のタグの付いたページを開いた。


「F級の魔物はこちらになりますね。こちらの魔物を討伐して、素材をカウンターまでお持ちください。」


ワイルドラビット…皮・肉

ジャイアントビー…羽根・外殻・毒針・顎

ブラウンラット…皮・肉


F級は3種類のようだ。しかも一匹に付き銅貨1枚。

F級で稼いで生活していくのはなかなかに大変そうだ。



「いえ、素材ならここにあります。」


“透明”なドザエもんを近づけまるでポケットから取り出したように装い、オークの皮とリザードの素材一式を取り出して、カウンターに置いた。うん、きれいに剥ぎ取りが行われていて、余計な肉片とか、地とかが一切ついていない。状態はすこぶるいいはずだ。


「………


シェロルさんが言葉を失い、素材を見つめ、目を見開いている。

美人さんが台無しですよー。


そんなに素晴らしい状態だっただろうか。うん、確かに俺から見ても完璧だ。


「あのシェロルさん?


「…ひとしさん、それ、今どこから出しました?」


「え、収納魔法からですけど。」


「シューノゥマホゥ?」


どこの国の方ですか?


「ヒトシさん、ちょっとギルドマスターのところまで…。」


連行された。



ギルドマスターの部屋。


「ヒトシ、収納魔法とはなんだ?」


「え、何って、袋の中身を魔法で拡張して、沢山物が入るようにすることですよね。」


「…。そんな魔法は存在しない。


「え?


「今はな。古代の遺跡なんかではそういった文献も発見されているそうだが。それは神話やお伽噺の世界の話だ。そしてそれは、高度な空間魔法と言うやつだ。


あれ?これって見せちゃダメなヤツだった?だって異世界って言ったら収納魔法は定番でしょ?だってどうやって収納魔法なしで大量のモノを持ち運ぶのよ。沢山の人と時間が必要になるでしょ。そんなことしてる方が不思議だわ。

あ、それが普通か。クローンのせいでかなり麻痺してる感があるな、俺。

でもドレイクさんあたりだったら当たり前に知ってそうだけど。


「でもアイテムポーチとかありますよね?」


「ヒトシ、お前何者だ?

 シェロル、少し席を外してくれ。」


「…。かしこまりました。」


シェロルさんは、渋々といった感じで退室していった。


「お前、どこまで知っている?」


「なにをですか?」


「アイテムポーチと言えば、古代遺跡から発掘された稀少なアーティファクトだ。国でもほとんど知る者のいない最高機密をなぜ知っている。他国に知られようものなら、奪い合いの戦争が起こるような程の代物だ。各国、数個は所有しているという噂もあるが、だれもその真実は知らない。その有用性からその数の差が戦争の引き金になる可能性すらある。けん制の意味も込めて各国はそれの存在すら公表していない。軍隊とダンジョンがが表の国力とするなら、収納魔法は裏の力であり、まさしく最終兵器なのだ。」


どうやら相当凄いものらしい。ボクドザエもんは一人一個持ってますけど。


「で、どこでその力を手に入れた?古代禁呪書を読み解いたか?」


そんな難しいことはしてないんですけど。クローンを使えば何とかできるかもしれないけど。


うーん、ここはクローンのことを話すべきか。悩むところだ。


これからしばらくはここのギルドにお世話になるだろうし。ギルドマスターと、何人かの職員さんには、知っておいてもらった方が口裏合わせとか、融通してもらえるだろうか。


「実は―。」


俺はクローンの能力を話すことにした。魔力を使って自在に操れる分身体を作れること、その分身体に様々な能力を付けれること。

そして、東の森の魔力異常を調査しに行った隊が、白い亡霊と遭遇したことを報告しているはずだけど、それはクローンであること。


話した後、ギルドマスターダンテさんは、難しい顔をしていたけど。

しばらく考え込んだ後、いくつかの決まりごとを提案してきた。

国や、他のギルドに知らせるにしても、ことが大きすぎるので何が起きるか分からない。

なので今まで通り、クローンのことはもちろん、無限収納のことも人に話さないこと。

そして、クローンの活動は、深夜のダンジョンのみに限ること。

を条件にギルドで活動することを認めてくれた。

むしろ、そんな能力を誰にも言わず使い続けて取り返しのつかない大ごとになる方が怖いと言われた。

確かに、ギルドに協力してもらって、周囲にごまかしながら活動したほうが、こっちとしてもすべてのことに気を回さなくてもよくなるから安心だし。


これからの活動は深夜になりそうだ。ここは頑張って依頼を沢山こなしてギルドの役に立てるように頑張ろう。



-1か月後-



俺はC級昇格の知らせを受け、ダンテさんに呼び出されていた。

この一か月間色々なことがあって、沢山考えた結果、

俺もそろそろ身の振り方を考えて、ギルドマスターに相談をしようと考えていたところだった。


いつも読んでいただきありがとうございます。初めての方、楽しんでいただけたでしょうか?

無事冒険者ギルドに登録し、ようやく冒険者として活動することになったヒトシですが、そのエピソードを書いてると、いつまでも魔王にたどり着かなそうなので冒険者ヒトシのエピソードは別タイトルで徐々に投稿させていただきます。

ヒトシの1ヶ月間の冒険者ギルドでの活動を描いたものになります。

良かったらそちらの方も宜しくお願いします。

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