第22話 本体、ダンジョンマスター本登録
オークのダンジョンを攻略したものの、いきなりダンジョンマスターに登録されてしまった。
仮登録なしですか?いきなり本登録ですか?アカウントも作ってませんよ?パスワードも…もういいか。
ダンジョンマスターと言っても、何をどうすればいいんだろう。
[ダンジョンの所有者を更新、現在の生命ソース〔4,254/99,466,615〕魔力ストレージ〔78,462,167/125,456,897〕です。
いや、感覚でなんとなくわかる。
ダンジョンが体の一部になったかのようにダンジョンを自由に動かせそうな感覚。
待てよ、これ下手に動かしたら危ないんじゃないか?
ダンジョン崩壊しそう。
新しく作ろうにも長い年月を掛けて作ってきたこの洞窟のようにはいかないだろう。
自由に動かせるとはいっても、ダンジョンのすべてを把握できているわけではないんだから。
あ、いや、いけるわこれ…。
クローンにマッピングさせて、ダンジョン内すべてを記憶しているんだった。
脳内でマップを足したり消したり。自由に作り変えられる。凄いぞこれ。
やっぱり、ダンジョン完全攻略しておいてよかったね。
ゲームなんかでも、マップを完成させないまま
次のマップに進むっていうのが許せなくて、何もないただの隅っこを目がけて、
マップの端から端まで移動したりなんてことをやっているもんだから、
ゲームの進みが遅い遅い。
その悪い癖が、まさかこんなところで生きてくるなんて。
人生何がどう転ぶかわかりませんな。
まぁ、それもクローンあってのことなんだけどね。
今、行き止まりのはずの巨大空間の先に小さな通路を作ってみたけど、
音もなくぬぬぬぬっと穴が伸びていく。
試しにクローンを一体置いて通路を消してみる。
壁に押し出されるようにして巨大空間に戻って来るクローン。
敵を通路ごと消し去ることは出来ないか。
結構えげつないアイディアだと思ったけど、そう上手くはいかないみたい。
でも、通路を封鎖して閉じ込めたりはできるか。使いようだな。
封鎖した挙句、暴れられてダンジョン壊されてもかなわないけどさ。
ダンジョンを付けたり消したりするたびに、
魔力ストレージが増えたり減ったりしてるので、
これがダンジョンの容量みたいなもんなんだろう。
そして最大値の方は、ダンジョンをいじるたびに徐々に減っているみたいで、
魔力を消費してダンジョンを変更しているのが分かる。
そしておそらく、現在はほとんど使用していない生命ソースの方が
ダンジョンのモンスターのことだと思う。
今日は殆んどオーク倒しちゃってるしね。
ためしにオークを生成してみたけど、
生命ソースと魔力ストレージの値が変化しただけで
最大値に変化はなかった。
生成は生命ソース2:1魔力ストレージと言う割合の使用量だった。
これはオークに限ったことで、他の魔法が得意な魔物だったら、また違ってくるのかもしれない。
何もせずにソースと、ストレージを見てると、徐々に増加しているのが分かる。
これが、ダンジョンの今の収入。
一分待って計ってみた。
一分間にソースは約40000、ストレージは約50000増加しているようだった。
さっき高さ幅2メートル、深さ20メートルの穴を掘った時に使ったストレージが5000位だから一日で結構な空間を作れそうだった。
もっと効率的にダンジョンを作っていけば
数年でオークの巣を倍くらいに成長させられそうだけど。
一からここまでダンジョンを成長させるのには、どれだけの時間がかかったのだろう。
ダンジョンって広げれば広げるほど収入増えるのかな?
そこら辺もどうにかして確かめられればいいけど。
今のところよく分からないからとりあえずはこのままでいこうかな。
魔結晶にはダンジョンとダンジョンマスターの記憶が残っているようだった。
[魔結晶接続、オーククイーンのクローン生成が可能になりました。
魔結晶に組み込み生命ソースと魔力ストレージを使い自動生成できます。
つまり、ダンジョンマスター兼ダンジョンモンスターとして倒して、
魔力回収できるってことか。ドレイクさんみたいなもんだねきっと。
そして、今まで通りに魔物の生成からダンジョン拡張まで任せられる、と。
そこに俺が介入して、自由に改ざんできる、と。
オーククイーンを生成する。
ダンジョンの土壁から、一体のオークがモリモリと盛り上がり形作られていった。
さっき倒したオーククイーンと全く同じ姿かたち。
何から何まで至れり尽くせりですな。では、さっそく介入しまして。
オークの共食い部屋と、オークの皆でいちゃいちゃ部屋を、オークの詰所に変更しましょうか。
共食いとか、いちゃいちゃなんか、魔力の無駄ですからね。
オークのイメージも悪くなっちゃいますよ。
討伐のおじさんたちがやって来ちゃいますよ。
お肉食べてもらえなくなっちゃいますよ。
こんなにおいしいのにね。
…これでよしと。マップはすべて把握してるので、簡単。
試しに詰所に突撃してみたら、オークのお兄ちゃんたちが、
棍棒を片手に壁にもたれかかったり、地面に胡坐をかいたりして待機していた。
これでよし、と。
後は今まで通り、オーククイーンにダンジョンを管理させて。
おいしいお肉をゲットしましょうね。
ダンジョン譲らなきゃダメかな。ダンジョンマスターになったわけだし。
お肉の権利は多分もらえるとして(オーク肉食べないみたいだし)、
ダンジョンマスターの権利も譲らなきゃいけなくなるってことかな。
そうだ、ロズ隊長なら何か知っているかもしれない。
とりあえず本体に戻り、ロズ隊長に聞いてみることにした。




