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第19話 本体、王都へ向かう

ここは王都の東に広がる密林の奥地。

俺たちは笑顔で語らいながら、おいしいお肉ぱーちーをしていた。


「いやぁ、最初見たときはものすごい顔でこっちに話しかけてくるから、思わず化け物かと思ったぜ。


「やだなぁ、ガッドさん。あれは友好のスマイルじゃないですか。


俺は、山賊さんもとい、ひげモジャさんもとい、ガッドさんと楽しく盛り上がっていた。


「いや、ヒトシ。ひとつ忠告しておく、あの笑顔はもう人前で見せねぇ方がいい!

 俺はあんな恐ろしい笑顔を始めてみたぜ。


限界まで口角を上げて、できる限り目じりを下げて…確かに。

過ぎたるはなんとやらってやつだ。


「それは言い過ぎですよ~。ひどいなぁ。


「いや、ヒトシ。俺もそう思うぞ。

 王都に行って大臣に謁見することになると思うが、

 その笑顔だけは絶対に見せるな。

 ただでさえこんな森の中でオークの肉食べてたんだ。悪魔扱いされるぞ。

 


なんか、お肉をリスみたいにほっぺにいっぱい詰め込んだロズ隊長が、マジ顔だ。

これはギャップ萌ですか?そうなんですか?隊長!好きです!


「わかりました。気を付けます。



「悪魔って言やぁ大臣の笑顔もよぉ、十分悪魔みてぇだけどな。

 あの、自分の思い通りに事が運んだ時の醜悪な笑い方ときたら。


「悪魔っていうより脂ぎったオークだな。あっちのオークは焼いても食えないけどな。


「がはははっ!隊長も言うじゃねぇか!少しは見直したぜ!


同じ釜の飯。じゃなくて、オークの肉を食べて隊長とガッドさんの距離も縮まったようです。よかったよかった。



なんでも、ロズ隊長は元は10ある王国軍の第3軍1番隊の副長だったそうで。

7軍3番隊の隊長が横領で処刑されたことで、急遽、隊長に任命されたそうだ。

3-1隊の隊長は士官学校の同期で、世渡り上手で要領がいいので、

多くの功績をあげひょいひょいと出世して3年で一番隊の隊長になったそうだ。


ちなみに。1番隊というのは。その軍の中でトップの隊。


だけど、実は面倒事は全部ロズ隊長に回ってくるので、その対応が大変だったそうだ。

その面倒事を解決してきたロズ隊長も、相当な実力の持ち主なんだろう。

しかも、その手柄をちゃっかり自分のモノとして報告していたそうだ。

普段もちゃらんぽらんで、女と酒にだらしなく、仕事にも支障をきたすほど酷かった。

と、ロズ隊長の愚痴は留まるところを知らなかった。

しかし、作戦や、討伐となると、人が変わったように的確な指示と行動力で、

隊をまとめ上げ、その実力は軍でも一、二を争う実力がある。

と、自分のことのように誇らしげに話していた。

そんな3-1隊は、他の隊が嫌う下町の警備や、トラブル解決、

魔物の討伐など、積極的に行い王都民たちからの人気と信頼は高い。

この間起こったスタンピード(魔物の群れの襲来)も、

ほかの隊が小さな村を犠牲にして時間稼ぎしようとしている所を、

3-1隊だけで村の前に防衛線を張り、撃退をし、

村にはほとんど被害が出なかったそうだ。

しかし、他の隊や、大臣からは、単独で勝手な行動が多く、

しかし実績はトップクラスであるため、煙たがられているということだった。


「俺が、7-3隊に急遽飛ばされたのも、

 同期コンビを解消させて3-1隊の力を削ぐためだ。

 しかも、7-3隊の前の隊長が最悪の男で、

 長が腐ると隊ごと腐るんだな。荒くれ者だらけさ。



それを聞いてガッドさんが苦笑いしながら話し出した。


「確かにな。俺たちも甘めぇ汁を吸わせてもらってたからよ、

 前の隊長が色々と悪りい事に手を染めてるのは知ってはいたんだが、

 見て見ねぇふりをしてた。

 だがよぉ、ロズ隊長が来てぶん殴られて、みんな気づいたんだよ。

 

 これじゃいけねぇって。


 いやな、新米隊長がどうしても生意気に映っちまって。

 ホントはわかってんだ。

 この真っ直ぐな隊長に付いて行けば俺らも真っ当にやり直せるってな。



「ま、そういうわけだ。

 こうして、腹を割って話せるのも、オーク肉のおかげだな。


ロズ隊長は嬉しそうに、ハニカんだ笑いをこちらに向けた。

何このテライケメン!いますぐ抱いて!


「それじゃあ、オークの肉で腹が膨らんだら、一休みしてさっそく王都に出発ですか?


「いや、すまないがもう少しここ周辺の魔力異常の調査をして、

 異常が発見されなければ、王都に戻りたいと思う。

 今日中には終わらせる予定だ。

 それと、少しダンジョンのことも調べさせてもらいたのでな。

 出発は明日の昼前頃になるかと思うが。

 もう少しだけ、待っててもらいたい。


「ええ、こちらは全然問題ありませんよ。

 食料もまだ余裕がありますしね。皆さんの分も含めて。


「はは、なんだか悪いな。王都に帰ったら礼はさせてもらうよ。



俺は、7-3隊の人達の帰りを待ちながら、

クローンたちの今後について考えるのだった。



今ここで白い亡霊クローンの正体を明かしてもいいものだろうか。

いや、絶対まずい。ドレイクさんも見たことのないスキルだって言ってたし。

これはみだりに人に見せるべきものではないような気がする。


とりあえず、ダンジョン攻略は一時中断して。再開できるのか?

ダンジョンを王国側に引き渡すことになったとして、

再びこのダンジョンにもぐることができるのだろうか。

聞いた話だと、ダンジョンは国にとって最も重要な財産であり、

収入源、国力の源になっているらしい。そりゃそうか、

魔力を回収してきっといろんなものに利用するのだろうから。

俺のスキルもステータスも魔力のおかげでこんなに強力になっている。

軍事の強化にも財政の強化にも一役も二役も買っているに違いない。

そんな重要拠点においそれと一般人が踏み入れるはずがない。

王都までは早くても3日、途中休息などを挟むとして4日は掛かると言っていた。

さらにそこからダンジョンの調査団を結成して、出発で。2日くらいか?

そこら辺はよく分からないけど、

最重要事項らしいからそんなに時間をかけずにやってくるはず。

そして出発してまた4日。10日くらいはあるか。


結構な猶予があるな。

ここは、黙って攻略してしまおうか。

なんなら、森の奥にさらに探索を掛けて、こっそりダンジョン探そう。


ダンジョン調査は明日みたいだからとりあえずダンジョン前に場所を移して、

クローンの回収と作成を再開した。


その後元の場所に戻り、オーク肉を焼いて7-3隊が腹ペコ君で帰ってくるのを待った。

翌朝もオーク肉を焼き、ダンジョンを案内し、軽く入り口付近の調査を行った。



「いや、何から何まで助かった。このことはすべて報告させてもらうよ。

 国からそれ相応の報奨金が出ると思うから、期待しててくれ。

 俺からもささやかながら、礼をさせてもらうよ。

 あんなにうまいオーク肉をごちそうになったんだからな。


「いえいえ、そこは気になさらず。

 オーク肉もひとりじゃ食べきれないくらいの量があったんで、

 みんなに喜んで食べてもらえたほうがよかったですよ。


「そう言ってくれると有り難い。

 それでは、そろそろ王都に向かって出発しよう。

 

「はい、道案内宜しくお願いします。


…こうして俺は王国軍第7軍3番隊の皆さんと、魔力異常の調査結果、新ダンジョン発見、白い亡霊、の報告をするため王都に向かうことになった。

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