第11話 クローン、魔人始めました
ジョブとスキルを手に入れたクローンたちは
おもしろいほどサクサクとダンジョンを攻略していった
あ、スキルはとりあえずステータス強化と各種耐性をつけておいた
ほんとはダメージ無効とか作りたかったけど
絶対魔力消費的に無理だからそっと胸の奥にしまておいた
レンジャーには隠密と索敵をつけておいた
あとはかく場所のリーダーに統率のスキルをつけてみた
これが意外と有用なスキルでクローン同士の連携が非常によくなった
スライムの巣のクローンは相変わらずピストン輸送
それ以外は魔臓君に一度貯蔵して
そっから必要な分だけを転送してもらっている
今のところクローンは200体を超えて
スライム 30
オーク 70
リザード 100
行動中残りは何かあった時のために待機中
主に俺に何かあった時の為だけど
相変わらずスライム洞窟からはスライムが枯れる気配はなく
湧水のようにこんこんとプルプルと湧き出してくる
オークはというと奥に進み
一回り大きなオークが出てくるようになった
相変わらず共食いや 情事に没頭しているようだけど
討伐には何の問題もないみたいなのでそのまま攻略継続
リザードの方はというとなかなかに厄介だった
湿地帯には数千の沼が存在しているようで
それが地下道とか地下水路とかいろいろ
オークの洞窟以上に立体的に入り組んでいて
思わぬところから奇襲を受けるものだから
なかなか先へ進まなかった
索敵をしながら進みたかったが
こちらには地下水路もあり
レンジャーを連れて
索敵しながら進むことは困難だった
そこでようやくスキルの存在を思い出した
魚人に索敵スキルをつければ
奇襲に対抗できるんじゃないかと
そこで気づいたのが
レンジャーと魚人では索敵スキル付与の時の
魔力消費が全然違うということだった
そりゃ当然だよねレンジャーは索敵に向いたジョブだし
魚人なんかは失礼だけどそういうのには鈍そうだし
どれくらい差があったかというと
レンジャーが消費10、なのに対して
魚人は消費がなんと300
まぁ、魔力大量に持ってるから全く問題はないんだけど
ジョブとスキルの相性なんかも考えながら付与しなきゃなと
そう思ったのだった
んで、索敵をつけた今
リザードの沼の攻略も進み始め
面積的に一番広いリザードの沼に多くの人員を配置
という構成になってるわけ
そうだ、オークってブタでしょ?
そう思って食べてみたの
これが結構おいしかった
ビッグボアより肉が柔らかくて
こっちの方が断然好みだった
オークの性質は全然好みじゃないけど
声『スキル<クローン>のレベルが8に上がりました
最大生成数 300体→1000体
魔力回収率 100%
魔力量 本体の25%
操作性 120%
派生スキル<魔物化>が<魔人化>に進化しました
魔力の吸収率が100%になりました
クローンの性能が2倍になります
スキルの残滓を読み取ることが可能になりました
うん、相変わらずの凶悪設定
これ以上強くなってどうするよ
それともこれが普通なの?
クローンのスキルも十分強力だけど
派生スキルがさらに輪をかけて
いや倍々で凶悪化させてるよね
そうこうしているうちにオークの巣から連絡が入る
オークの集落発見 巣の異変に気づいて
多くのオークをまとめて戦闘準備をしているということだった
ここで一度オークの巣のクローンたちを一斉退却させることにした
せっかく魔人化のスキルを手に入れたんだから念には念を入れて
全員魔人化してから挑んだ方がリスクは低いと思ったから
今日は合流と魔人化で戦力を強化して
明日の朝一で一気に突撃してオークの巣を完全攻略してやろう
あ、全員帰還させたから魔臓君も戻ってきていた
なんだか俺に申し訳なさそうに大木の影に隠れているが
横幅の広い体が半分はみ出していた
魔臓君には相当な魔力が溜め込まれていて
一気には回収できないので
合流するには相当な時間が必要だった
おかげで相当量のクローンとジョブとスキルを持った
俺史上最強の軍団が誕生したのだった
その数300!!
ちょっと過剰戦力じゃないですかって思いもしたけど
いいのいいの、いずれは最大数まで作るんだから
それよりさっさと攻略してしまって
リザードの沼の方も制圧してしまおう
こうしてオーク集落殲滅戦を明日に控え夜は更けてゆくのだった…
レベル 224
筋力 6720
体力 6720
敏捷 6720
魔臓 6720
魔導 6720
魔力総量16,400,000
ユニークスキル
クローン Lv.8
最大生成数 1000体
魔力回収率 100%
魔力最大値 本体の25%
操作性 120%
派生スキル
自立思考 LV.4
思考加速 Lv.4
魔力転送 Lv.4
増殖 Lv.1
ジョブ Lv.4
スキル Lv.3
魔人化(吸収率100%)
魔力収入(1日)収入/支出
スライムの巣 1,100,000/18,900
オークの巣 780,000/69,000
リザードの沼 650,000/32,000
計 2,530,000/119,000
ヒトリノヨル
夜、男は悶々としていた
男の頭の中にはある考えが浮かんでいた
こちらの世界に来てから誰とも出会っていないのである
2週間。この期間が長いのか短いのか
男はきっとそれほど長い期間
他の人間と会わなかった経験がないのかもしれない
誰だってそうだろう、部屋から出ないとしても
テレビだってインターネットだって
他人とのかかわりはできる
それは一方的なものであっても
関わりに変わりはないのである
しかし男は人間、文化、文明
いずれも存在しない森の中にただ一人いた
ただ、特殊な力『クローン』を使い
自由に自分の思い描いたイメージ通りの
存在を生成することができたのである
彼も、一人の男の子(聖人。いや成人)である
なんでもイメージ通りに生成できるのだ
世の男性諸君、やりたいことは分かってくれただろうか
そこのゲスい君、その通りだ
自分好みのおにゃの子を作り出すのだ!
しかし男は葛藤していた
そんなコトにこの素晴らしい能力を使っていいものか
いや、これは俺の能力だ。俺自身だ。
誰に遠慮をする必要がある?
誰に文句を言う権利がある?
そうだ、だれにもない!
誰にもこの思いを止めることなどできないのだ!
男は決意した!
昨夜夢に出てきたおにゃの子を作ってみたいと!
そう思うともう止められなかった
男は作り出してしまった禁断のクローンを!
すらりと伸びた長い脚。引き締まって少し小さめだが上に上がったヒップ。
腰骨上まで切れ上がったレオタード。
強く抱きしめると折れてしまいそうなほどのすらっと細い腰。
腰から上に目をやると
そこにはレオタードに負けじとハリのある弾力で一生懸命押し返す二つの小ぶりな果実。
そこからあふれる魅力は、谷間の深い芳醇な果実には出せない甘酸っぱい香りが漂う。
あらわになった鎖骨から肩にかけてのラインはもう何物にも代えがたい。
ボブショートのつややかな髪からはウサ耳が伸びて、おしりにはキュートな丸しっぽ。
そして小顔であごの細い……
…
「俺がいた…
そうだった
クローンて、顔だけはどうしても俺になるんだった
男はそっと目をつぶり…
…
…
…
翌朝、
罪悪感と虚無感と記憶と共に、ウサギちゃんを、
男は、一生封印することにした。




