終章
事件から一週間後。先日、ようやっと神殿は混乱から立ち直り、神殿長選挙を終えた。最も対立候補の副神殿長は犯罪の露見の後自殺という結末で、殆どドジャーズの信任投票だったが。
ジェーン等一同は事件の後始末にて神殿から事情を聞かれるためラインに滞在をしているのだった。最も、それも今日で終わりだった。
「一応、神殿では新体制が正式に発足となったわ。私は相変わらずの無役だけど」
ここは神殿の会議室。今まで関わったジェーンとライジングドラグーンへの報酬の支払いと、経緯の説明をしているのだ。
「……すると、副神殿長の家は燃えてしまい、証拠は出なかったのか」
ぼそりと普段、あまり口を開く事のないレイ・アカツキがマージに声をかけた。レイの言う通り、あの事件の直後ケーヒスの屋敷から出火。消火活動に関わらず全焼失となった。
「原因は不明だけど……多分放火が有力。犯人は心当たりが多すぎて分からないの。こればっかりはジェーンを恨むわ」
「え?なんで?」
優雅にお茶を啜っていたジェーンが目を丸くする。
「あの事件が明るみになってからケーヒスへの風当たりが強いの。市民は怒り心頭で放火の心当たりが多すぎるんだって」
「あちゃー」
「まぁ、それはどうしようもないよ」
苦笑をしてフォローしたのは同性という事もあるイオン・クリストフ・ランカスターだった。
「まぁ、それでも神殿の執務室は無事だし、生き残った敵兵やなんかから大分裏はとれたの。やっぱりこの事件の犯人は副神殿長だった。ジェーンの推測通り。そして動機は帝国への復讐……ただね、この事件もうちょっと気になることがあるの」
「気になること?」
「ええ……いくら怒り心頭の市民が多いって言っても放火魔でするのかしら。なんだか私はこれって証拠の隠蔽のように思えるの。それに警戒が厳重な公文書館からの盗難方法は結局最後まで分からなかったわ。……まだこの事件の闇があるのかしらね」
一同に沈黙が包む。
「相手の思惑はどうであれ、いかなる立場であろうとも私はこの町を護らないといけない。ジェーン、ライジングドラグーンの皆さん。手伝ってくれるかしら」
マージの言葉に一同がうなずいたのだった




