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第七話†手書き作家の主張†
私はパソコンやスマートフォンといったものが大嫌いだ。私は批評家なのだが、原稿用紙に万年筆というスタイルで批評をする。別に気持ちが伝わるからとか、機械音痴だからとか、そういうのではなく、ただ何かが私をそれについて嫌いにしているのだ。
だから私は毎回六〇〇枚近い原稿用紙を送付する。
するとある日、手紙付きで編集者に添削してもらっていたものが返ってきた。
付いていた手紙にはこう書いてあった。
《以前からお伝え申し上げようと思っていましたが、話の批評をする以前に、もう少し文字を綺麗に書いてほしいです》
「パソコン使うか」