62/65
第六二話†女性専用車両・反対主義観点編†
この頃、世の中は物騒になったものだ。満員電車では、しょっちゅう、お客様トラブル、殊更、痴漢が横行している。
それに対する処置として、電車が混雑する時間帯では、一部の鉄道事業者が女性専用車両というものを導入した。
だが、それは、果たして良いものなのだろうか?
日々、酸素欠乏になりそうな満員電車で、私のような一般社員は通勤しているというのに、女性専用車両では女性が優雅に紅茶を嗜んでいるのだ。これは、笑止千万だ。甚だおかしいものだ。
「巫仙戯んな! 通勤するだけなら、茶なんか嗜むんじゃねえぞ! こっちは、通勤するだけで疲れるのに、何、考えてんだよ!」