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第六一話†女性専用車両・冷静女性観点編†
この頃、世の中は物騒になったものだ。満員電車では、しょっちゅう、お客様トラブル、殊更、痴漢が横行している。
それに対する処置として、電車が混雑する時間帯では、一部の鉄道事業者が女性専用車両というものを導入した。
私は、その恩恵を受けている身である。そして、正直、私は、その恩恵に安心している。
「これで、電車に乗っている間は、痴漢に怯えずに済むわ」
私は、安心して、ある程度、空いているその車両で、会社と、住居とを往復する生活を続ける。