第1話 気が付いたら異世界
プロローグ的なものなので短いです。
「どういうことだ?」
俺、大河内 陸は目の前に広がる光景にその言葉をこぼす。自分は自宅のベットで寝ていたはずだ。しかし今自分は両の足で大地を踏みしめており、目に写る光景もレンガや石造りの家が並び西洋の街並みを感じさせる。さらに街を行き交う人々の姿が、
「エルフにドワーフ……あっちにいるのは獣人か?」
あきらかにファンタジーな世界でなければお目にかかれない種族が人間に混ざっている。
「もしかして……夢?なんか俺も服が変わってるし……」
見れば自分の服も街の人達と同じような白い布の上着と茶色いズボン、腰には紐で口を縛った皮製の袋が括り付けられている。まさにファンタジー世界の住人のような姿だ。寝ている時に来ていたジャージは何処にも無い。ためしに頬を抓ってみる。
「痛い……」
どうやら夢ではないらしい。となれば答えは一つしか無い。
「異世界トリップ……マジで!?」
ライトノベルで読んだ様な展開に思わずテンションが上がる。しかも中世ファンタジー系はライトノベル、ゲームを含め自分が最も好むジャンルだ。
「ひとまずは情報収集からだな」
ここは、ゲーム知識に則って行動してみることにしよう。