大人の為の子供相談室 税金
シリーズにしようかと、不意に思った。
一年間続いたらいいなー。
タケジー:えー、本番組は子供達の素朴な質問に大人はどう答えるべきなのか、あくまで『真面目』に考えていくことを基本としています。
ミカリン:なにそれこわい。
タケジー:というワケで今回のテーマはずばり『どうして税金を払わないといけないの?』というものです。確定申告のシーズンですし、大人としても大切な疑問ですね。
ミカリン:あー、確かにメンド臭いよね。確定申告ってさ。
タケジー:お、ミカリンは確定申告してるんだ?
ミカリン:私は契約社員のアンタと違うからね。
タケジー:というかミカリンの場合、そういう面倒なことをほったらかして督促されてそうなイメージが……。
ミカリン:失礼だな、君は。督促状とか一度しか貰ったことないよ。
タケジー:貰ってるんじゃないですか!
ミカリン:あ、払う気なかったんじゃないからね。メンド臭くて忘れてただけなんだからね。
タケジー:大差ありません。税金はちゃんと払って下さい。
ミカリン:まぁ昔はね、何とかして払う額の減額と戻ってくる額の増額を図れないものかと試行錯誤もしてみたワケよ。あんなことに時間と手間をかけていたこと自体が若気の至りって感じだけどさ。
タケジー:違法すれすれのこととか、してませんよね?
ミカリン:ギリギリアウトを狙うのがマイフェイバリット。
タケジー:放送できなくなるからやめて下さい!
ミカリン:心配しなくても、もうやってないってば。あんなのに時間使っても、損が少しばかり減るだけで、何も得することないのよねー。
タケジー:何というか、税金に対して随分とネガティブですね、ミカリンは。
ミカリン:何言ってんの。あんなのにネガティブじゃない人間なんていないでしょ。まぁ百歩譲って健康保険税とか住民税とかはいいわよ。役に立ってる立ってないはともかくとして、何の為に払っているのかがわかりやすいし。
タケジー:お役所の皆さん、これはあくまで彼女個人の意見ですからねー。
ミカリン:けど所得税って何? 働いて給料貰うのに、あいつら何か役に立ったか? 消費税って何? 商品買うのにあいつら何かしてくれてんのか? 何とか税って名前付ければ搾取できるとか考えてんじゃねーぞ、ゴルァ!
タケジー:いやでもホラ、税金ってそういうもんだし。むしろその二つはまだハッキリしてる方かと。お酒とかタバコとかガソリンとか、どうしてそんなに税金かけるんだって物が他にもあるワケですし。
ミカリン:……アンタってさぁ、基本的にドМよね?
タケジー:何でですか? 違いますよ!
ミカリン:アンタってアレでしょ。法律で決まってるから払わないといけないんだーとか、そういうことを真顔で言っちゃうタイプでしょ。
タケジー:いや、それはそうなのでは?
ミカリン:あーやだやだ、これだから社畜ってヤツは。
タケジー:しゃ、しゃちく?
ミカリン:奴隷ってことだよ、言わせんな恥ずかしい。
タケジー:奴隷って何ですか。別にそんな、イヤイヤ働かされてるワケじゃないですよ!
ミカリン:そう思わされている時点で……って、まぁいいわ。アンタが社畜だろうが奴隷だろうがドМだろうが、特に困るワケでもないしね。とにかく、私は納得のできない支払いには応じたくないの。
タケジー:まぁ、納得できないっていう点においては、僕も同意ですけどね。年金とか、ほとんど貰えそうにないですからねぇ。
ミカリン:何よアンタ、年金とか払っちゃってるワケ?
タケジー:給料から天引きされてますから……というか、ミカリンは払ってないの?
ミカリン:払うワケないでしょ、あんなの。
タケジー:将来困りますよ? 年金貰う権利とか、結構大事だと思うんですけど。
ミカリン:そんな権利貰うくらいなら、オプーナを買う権利でも貰った方がマシね。
タケジー:おぷーな? 何ですか、それ。
ミカリン:ゲームよ、ゲーム。
タケジー:あぁ、でも権利が必要なんてそんなに売れているとか?
ミカリン:逆だってば。
タケジー:つまらないんですか。
ミカリン:つまらなくないよっ。風評被害だよ!
タケジー:な、何で怒るんですかっ?
ミカリン:とにかく、そんな権利はこっちから願い下げだってことよ。じゃあ逆に聞くけど、年金払うのが年金貰う権利を買う為だとして、所得税とか消費税って、何を手に入れる為の税金なの? というか、税金を払わないといけない理由ってそもそも何?
タケジー:いや、それを考えて答えるのが今回の役目なんですが。
ミカリン:だから、私は意味ないって言ってるでしょ。アンタの回答は?
タケジー:えっと……日本に暮らす権利を得る為、とか?
ミカリン:ホームレスを挙げるまでもなく、税金払わずに日本で暮らしてる人達なんて少なくないと思うけど? まぁ、消費税を全く払わずってのは、さすがに難しいと思うけどね。
タケジー:確かに所得が無ければ所得税はありませんし、払わなくても日本で生活すること自体は可能ですね。だとすると……あ、選挙権とかどうです?
ミカリン:…………。
タケジー:えっと、ミカリン?
ミカリン:……あー、なるほど。
タケジー:なるほど?
ミカリン:つまりアレだ。私達が税金を納めて得ているものって、A○Bの投票券と大差ないものなんだ。うん、何か納得した。
タケジー:いや、変な納得しないで!
ミカリン:でも待てよ。アッチの投票券は個人が好きで購入したものだけど、コッチの投票券は義務で買わされてるじゃないか。最悪にも程があるわっ。
タケジー:買わされてるとか言っちゃ駄目だって! というかA○Bじゃないよ!
ミカリン:あんなジジイ共の投票券とか、何てものを売りつけてんだ。喧嘩売ってんのか日本政府!
タケジー:喧嘩売ってんのは君の方だよっ。
ミカリン:せめてイケメンなら一票投じてやるのに。
タケジー:やめてっ。もうやめてー!
ミカリン:あーもー、ホント確定申告とかやる気無くなってきた。マジ払いたくねーし。
タケジー:そんなこと言ったらミカリン、独身だし子供居ないんだから教育の義務もないし、納税の義務くらいやっとかないと、残るは勤労の義務しか残らないよ。大人としてどうなのっ?
ミカリン:…………。
タケジー:何ですかミカリン、その渋い顔は。
ミカリン:働きたくないでござる。
タケジー:そっちもかい!