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※ある女の話(他視点)

私は普通の家庭で生まれ育った。私を愛してくれる優しい父と母、二つ上には優秀で綺麗な姉。姉ほど綺麗ではないけど容姿には自信がある。それにメイクをすればどんな姿にもなれる。姉のことは少し妬ましかったけど、私を大事にしてくれるから大好き。


うちはお金のある家だったからエスカレーター式の私立に小、中、高と通っていた。


中学の時Ωだって診断された。屈辱的だった。私が最下層であるΩだなんて…家族は荒れ狂う私を宥めて"運命の番"の話をした。そんな人が私にもいるのだと心躍らせた。それでもヒートは大変で、周りの感情も、視線も鬱陶しかった。

高校の時、ある女と仲良くなった。その子の家は私よりさらに大きくてお金持ち、学内でもかなり有名で、才色兼備、文武両道、絵に描いたようなお嬢様だった。目の上のたんこぶな彼女だけど、お近づきになればこれからの人生は安泰だと思った。だから仲良くなった。純粋な彼女は直ぐに心を開いてくれてそれから直ぐ家に招いてくれた。そこで私は"おば様"と出会った。


高校卒業後、私達は大学は別々のところになったけど、それからも交流を続けていた。

大学でも順風満帆に過ごしていた。そんな中私は彼を目にして一目惚れをした。


彼の名前は氷室 蒼。そして第二の性はα。


初めて自分がΩな事を心底嬉しく思った。

何とかして彼に近づくために行動したけど、まるで見えていないかの様に避けられた。彼は色んな女と付き合っては別れているらしい、早くしないと彼が私のものにならない。おば様に頼んで例のものを貰って自分に使った。そしたらあっという間に蒼くんは私の虜になった。


それなのに蒼くんの幼馴染のΩが私たちの仲を邪魔する。

蒼くんに振られたくせにいつもいつも蒼くんにまとわりつく気持ち悪い奴。蒼くんとの仲の良さを見せつければ諦めると思ったのに蒼くんは"悠月、悠月、悠月"ばっか。


だからあいつを屋上に呼び出して罵った。蒼くんから離れる様に纏わりつかない様にいった。

それなのにあいつは蒼くんの同情を誘うために私の目の前で落ちた。


あぁでも、これで蒼くんは私だけを見ると思った。


…そうなるはずだったのにあれから蒼くんとは会えなくなった。


あいつが目を覚ましたらしい。あの日のことは事故として片付けられたけど、学内で流れる嫌な噂のせいで私は大学に行けていない。


あいつが入院する病院に行った。あいつと笑いながら楽しそうに話す蒼くんをみて心底腹が立った。

しかもあいつは蒼くんがいるのに新しい男を作りやがった。私の蒼くんをとったくせに。


なんであいつばっかり幸せなんだ、私がこんなにも苦しんでいるのに、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで


ある日、言われた、あいつが邪魔だって、殺せって、じゃないと私がやった罪を暴露するって。


だから、あの日私は公園に行った。蒼くんに仕掛けた盗聴器で人気のない夜の公園で会う事を知っていたから。


あいつが今度こそ死ねば…私は…きっと幸せになれる


公園に着くと、ブランコに乗りながらスマホで心底幸せそうに話すあいつがいた。

相手はあの男だろう。


声をかけるとあいつは驚愕した表情を浮かべた。私を得体の知れない化け物だと思っているのか次第に顔が青ざめていく。


バックからナイフを取り出してあいつに切り掛かった。なのに気づいたらナイフを叩き落とされていた。何が起きたの?なんで目の前では走り出そうとしているあいつの後ろ姿、再度ナイフを手に取ろうと手を伸ばした。


だけど、それは出来なかった。目の前であの人があいつを金属バッドで殴ったから。


え?

え?

え?なんで?


それからあの人は私が捨てたナイフを手に取り目の前で躊躇する事なく自身の首を切り裂いた。

気づいたら2人とも死んでいた。


「ははっ」


乾いた笑いが夜の公園に響いた。


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