赤ちゃんと吃驚
今アタシたちは必死に
逃げてます。
「うぁああああああああ」
コケそうこけそうこけそうだってばぁ~
「トリュー!お願いがあるの」
「なんだ!?」
走りながらお願いを言うアタシは最早お願いというより叫びになってしまう。
「助けてぇええええ」
もう駄目、だってアタシ小・中・高オール帰宅部だったんだもん。むしろココまで走ったということが奇跡だよ。良く頑張ったんだよアタシ偉いよあたし
「ユイ、こっちだ」
腕をつかまれた。
「わ」
ドスンドすんドスン……ドラゴンは走り去っていった。
「ふー、ココらへん岩が多くて助かったな」
「あのぉー、トリュー?」
「ん?」
受身取れないアタシを庇ってくれたのは分かるけど……そのさ
「なんでアタシの下にいるの?」
聞くのも愚問だけどさ
「なんだ、ユイが押し倒したんだろ?」
「えぇ!?違うよ馬鹿」
「冗談だよ」
久振りにトリューと会話した気がする。
相変わらずトリューは時々意地悪な冗談を言う……。
「ユイ」
「ん」
頬をそっとなでられる、わがままを言うなら頬より頭が良かったな……久振りの再会、そして二人っきりの空間
「あぁああああああああああああ!!!」
「どうした!?」
びくっとしたトリューの上からどいた
「ヴェルザがヴェルザが……赤ちゃんがいないぃいいいいいいいいいい!!」
二人きりに喜んでる場合じゃないよ!?ラブコメじゃね?とか思っている場合じゃないよアタシ!?
アタシの赤ちゃんどこぉおおおおおおお!?
「落ちつけユイ!」
「だってトリューいたいけな赤ちゃん……」
「抱いてるじゃないか、腕に」
「え?」
なんか前回も似たようなことしたような気がする……デ・ジャ・ビュ?
「お前はもう少し周りを見たほうがいいと思うぞ」
「ご、ごめんなさい」
イチルに散々空気読めないって思ってたけど、アタシもそうでした。
「といより、頭領は?」
食べられちゃったけど、あの人
「あぁ、多分大丈―――!?」
キィィン!!
金属がぶつかった音が響いた
「あぁ~んえぇ~ん」
音にビックリしたヴェルザが泣き出した
「え?ちょ……」
襲ってきたものに抗戦するトリュー、それよりユイの目に映った人物は
「イチル!?何してるの!?」
なぜ丸腰で剣に立ち向かえるのか教えて欲しい……
ソレよりも気になるのはきりつけられても傷つくことすらしない服が気になる
じゃなくって
「イチル!トリュー!戦うのをやめてってば!!聞いてる?」
聞いてませんね、はい
「はっっ!」
イチルの蹴りをトリューはしゃがんで避けると、後ろにあった岩が粉砕した。
「前から思ってたけど、イチルの身体何でできてるの?」
人間ですか?
一向に止まない戦いにそろそろイラってしてきた。
「いい加減にしないと怒るよ?」
体中にみなぎるオーヴェンの力の流れを掴む……この能力難しいから使いたくないんだけどね……止まらないなら仕方ない
能力を使おうとしたら二人の動きが止まった。
え?防衛本能とかいう奴?
「「ユイ!」」
あれ?違う?
「後ろ!」
後ろ?
そこには大きな口を開けたドラゴンが居た……
「うきゃああああああああああああ!!??」
どっかぁああああああああああああん
能力が不発した




