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赤ちゃんと騎士


「あ!ヴェルザ!」


赤ちゃんだけは守らなければ

彼女の身体を抱きしめる。


「う、い、イチル……」


声が響かない、雄叫びと剣の交じり合う音のほうが大きすぎてどんな声を出しても全くの無意味、その上人が多すぎてイチルとはぐれてしまった


「うぁあああああああああ」


敵味方の区別もついていない雑兵が剣を振り回してコッチにやってきた


「う、嘘!?」


なんという不運!


「うあああああ」

「きゃああああ!?」


剣が弾き飛ばされる音がした。

そっと目を開け前を見れば白と青の薔薇の紋のはいったマントを身にまとった40代ぐらいの男性だった。


「大丈夫ですか!?さぁ、あちらに」


しかも紳士!


「あ、ありがっきゃあ!?」


再び敵が現れたが難なく彼は敵を薙ぎ払った。……かっこいー

口笛を吹くと敵味方の間をくぐり抜けるように白い馬が駆けて来た


(は、白馬)


彼は素早く馬に乗ると手を差し出した


「さぁ、早く」





王 子 様 キタ――――!?



手をためらうように伸ばせばその手を取られ持ち上げられ前に乗せられた。

赤ちゃん持ったちんくしゃじゃ、絵にならないけどね


「落ちないようにシッカリ私に捕まっていてください!」


そう言うや否や馬が駆け出した

馬に乗った人はその速さをジェットコースターと同じぐらい怖いって言ってたけど……



「きゃああああああああああ」


そんなの私的に比にならないぐらい恐ろしかったです



人々の喧騒がだいぶ遠く聞こえるようになった頃馬の脚のスピードもだんだんと緩やかになった。

彼は周りに敵がいないか確認した後馬から降り立ち、足を折った


「アナタのようにか弱い女性が戦場にいたのに気がつきませんでした」

「そ、そんなアタシが勝手にいただけです!頭を下げなくても……」


照れる、生で頭下げられるって……あんまりいい気持ではない。なんというか、痒い


「お許しいただけますか」

「勿論ですハイ」


彼は微笑むと立ち上がった

いやーこの世界の男性は紳士が多いな~ビックリしたなぁもう~


「ありがとう、私は騎士をしているウォーレンというものです」


ドクン


「え?」

「この戦場で指揮を執っていたのですが、気づきませんでした」


ドクン


「アナタはココらへんで住んでいるのですか?」


ドクン


ウォーレン……?


「アナタは思ったよりも清らかそうだ……お会いできて光栄です」


偉大な……騎士

ドクン


「漆黒の『毒婦』」




アタシを……殺す者




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