何でも屋アリア
筋肉痛です。
動けない、しかしイチルは運動し足りないといって山の中を探索ついでの散歩へと出かけていった。
「うぅー、昨日は散々だったなぁ」
死ぬ気の運動の後、野宿……木の上で寝るのは怖かったなぁ
なんて、遠い目をしていると大地を震わせるような音が響いた。
「え?なに」
音に驚いたヴェルザが泣き出した。
山のふもとのほうではいろんな色や形の旗が風に揺られなびいていた。幾多もの人々が鎧をまとい一触即発の雰囲気をかもし出していた。
え、この音……戦争開始音?……大きな音楽会みたい……
「って、やばくない!?」
まだコッチは心の準備もできていないのに!
白と青を光と象徴とした赤薔薇の国旗VS緑色と青色が入り混じるような模様入りの国旗
ヴィルエールフ北帝国VSミッドガウン
「戦争」
心臓がどきどき言っているのが分かる。
どうしよう、どうしよう、どうしようどうすれば
「お困りのようですな」
「え?誰?」
いつの間にそこにいたのか、ヨーロッパ紳士の服装を着た12歳ぐらいの少女が居た。
帽子で目元が良く見えなかったがニッとだけ口元が緩んだのだけは分かった。
「中層町『スリーライトタウン』でお店を出している『何でも屋アリア』店長ですな」
「そ、そうですな?」
よくわかんないけど
「店長さんこんな所で販売?」
「そうですなぁ、販売といえば販売ですな」
しかし、全くの手ぶらに見える。
「何をうってるの?」
「はっはっは、面白いことをいいますな。先ほども述べましたでしょう『何でも屋アリア』と」
「あーアリアって名前?」
「店の名ですな、meの名ではないですな」
帽子をかぶったまま頭を垂れた。
「テュルフィングと申します」
「……はぁ」
ってそうじゃなくて
「戦争!」
人々が交じり合って刃をぶつけ合う
止めないと
「おや、貴女は戦争をお止めになると仰るのですな」
「そりゃそうだよ」
「何故ですかな」
疑問系で返されたほうが不思議
「どうゆうこと」
「いえ、meも戦争を望んでいるわけではないのですよ、ただ貴女のなさろうとしている、その心に興味ございましてな」
「?」
ココロ?
「それは偽善のために動くのか、愛のために動くのか、契約のために動くのか、興味がございまして、支障がなければ教えていただきたい。どれですかな?」
微笑んだまま真っ直ぐに身体を向けていた、まったくの微動だにせずに
「アタシが動くのは……」
約束、だから契約になるし、アタシのせいだから贖罪というのもあるし、責任感みたいなものを感じたりしているけど、実際関係ないし……戦争を止めようと思うのは……
止める理由は
「そんなの、ないよ」
きっと、そう
「人が争うのは見たくないからとか、そんなきれいごとじゃないよ……ただなんとなく」
そう、なんとなく
「止めたいから」
戦争があって喜ぶものは居ないのなら終わらせたほうがいい。それだけだと思う
「そうですか」
店長さんは微笑んだ口元を消した
「商売しようと思いましたが、できそうもございませんので今回は消えましょう」
「え?」
彼女は帽子をかぶったまま頭を下げた
「御機嫌よう」
・・・・・・
「え?!」
なんだったの?!
ざざざ
「おい、ユイ戦争だそろそろココもヤバイかも知れねぇ」
「なんで?」
「戦場地だからだよ阿呆」
わぁあああああああああ
兵士達の鍔迫り合いの波が迫ってきてアタシタチは巻き込まれた。
予想していただけに困り果てた
アタシって
駄目な子