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泥棒と女官


「い、イチルさん」

「あぁん?」


窓際から立ち上がるとベットに入り込んだ。


「ゴーグルのけないの?!じゃなっくって」


イチルの上に乗っかった


「ぐぇ!?」

「アナタも漆黒の使者なのー?!」

「んだそれ?しらねー・・・・・・っよ!!」


蹴飛ばされた。おぉわ!?隣のベットに落下、すごいコントロール


「俺は寝る、邪魔するな。邪魔したら殺す」


そういって静かになった。なんという横暴な人でしょう。


「……ん?」


赤ちゃんがよだれたらして放心してる


「あ、お腹すいたの?」


ていうか、大丈夫?





キッチンへと移動した。

どうやらこの赤ちゃんはイチルがいるときは泣くのを我慢していたらしく、部屋を出たとたんに大泣きした。


「よしよし、あのーすみません」


ひょいっと顔を出せば給仕さんが一人。若い女性で隅っこでしくしくないている。

今夕暮れだからスッゴイホラー


「あ、のー?人間ですよね?生きてますよね~?」

「は!?あぁ、はい?」


涙を手で払いながら笑顔で振り向いた。ピンクの髪が桃に見えて、桃食べたくなっちゃった。


「どうか、したんですか?」


目の下に、クマできてますよ?……怖い


「えぇええん」


赤ちゃんも更なる恐怖に涙する、じゃなくてお腹すいたのかな?


「あら、まァ大変オムツですね」


彼女はそそくさと出て行くとさっと戻ってきた。手には布オムツ

赤ちゃんを机の上に乗せると手早くオムツを取り替えた。


「手、手馴れてますね」

「えぇ、私こうみえて7人姉妹の次女なんですの」


何歳ですか?というより、そこは長女じゃないんですね


「どうして、泣いていたんですか?」

「えぇ、……ぐすん。私の妹達は各国に奉仕に出てるんですが、戦争で連絡がつかなくなっていて……」

「大丈夫ですよ、きっと」

「そうでしょうか?」

「はい」


そう微笑むと、給仕らしき女性が三人ほど出てきた。そこで一人の中年女性が驚いた声を上げた。


「ま!カーミル様!何故このようなところに?!」

「えぇ?!宮廷女官長様まじすごいんですけどー!?」

「うそぉー!会えるとか超嬉しいです」


二人の若い給仕さん、なんだか今時風な会話だね


「あぁ、すみません。貴族の方々に穀物を分けていただくという方針が決まったので……黙っていただきます」

「いやいや、駄目なんじゃないの?!」


あれ?!この布オムツどこから!?


「国王陛下の勅命ですから。ちなみに、ゼシルヴァン殿を御呼びしていましたよ?」

「わ、わかりました!」


給仕たちが走り去っていく


「……国王陛下?」

「えぇ、レイモンド国王……最近政権交代なさったのに、こんな風に戦争ばかりでお可哀想に」


カーミルは立ち上がるとサンタクロースが持ってきそうな袋を泥棒のように持ち上げた。


「……女官長って大変ですね」

「え?あぁ、ふふ……国王直属ですからね、いろんな仕事をするだけですわ」

「あの、アタシも城に連れて行ってくれませんか?」

「はい?」


国王なら、話し合えば戦争をやめてくれるはずだから……あたし話し合いたい!

真に迫る表情でカーミルを眺めていれば、彼女は微笑んだ


「では、明朝ゼシルヴァン殿とご一緒に同行してください。陛下には、私が言っておきましょう」

「ありがとう、カーミルさん!」

「いえ、そういえばお名前は?」

「ユイです」


彼女はもう一度微笑むと窓から去っていった。

うん、この世界の女性って、本当……パワフルだよね!


結局イチルが黒髪で『漆黒』がどうか聞けなかったけど、どうゆうことなんだろう。コノ世界に黒髪が一人もいないわけじゃなかったとしたら……

各場所にて『漆黒』の続きが違うというのも頷ける


アタシと彼女……どちらが『漆黒の毒婦』なんだろう


それとも、全くの無関係なんだろうか

分からない


気がついたらアタシは……ベットから落ちていた。



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