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とりま逃走


アンブロシアに帰ってきた。


「おやぁ、トリューじゃない」

「久しぶりだなマミ姉」


知り合いらしく仲良さげに会話している。


「おい、何呆けてんだよ」


トリューに頭を小突かれて歩き出す。つつかれたついでに思い出した


「マミー、漆黒の毒婦ってなに?」

「聞いたことも無いけど?どうしたん?」

「騎士さんにいわれてたよ」


クロが変わりに答えてくれた。

そうそうと頷くとマリミアうーん、と唸った。


「そろそろ近所に住んでいたゼシルが帰ってくるから聞いたらどうだい?」

「誰それ」

「この町出身の騎士様だよ」


ふーん

騎士って随分と出世コースなのなぁ


「アイツがこの町の一番の貴族様の末っ子だから甘ちゃんに育つと思ったら騎士様にねぇ」


トリューはへ~と感心したように温かいスープを飲み干した。

今気がついた、もうこの時間帯はお客さん居ないんだ。


「知り合い?」

「この町は小さいからな」

「意地悪いわねぇトリューそろそろいったらどうなの?」

「何が?」


トリューは拗ねたような顔してそっぽ向いた。

おば・・・じゃなくてマリミアはそれを見て楽しそうに笑った。教えてくれないのね


「今度はいつ消えるんだ」

「誰が?」

「お前」


ユイのほうをがっちり見ながらいった。


「?、……ん?どうゆうこと」


私がココに来たことあるって知ってるってこと?

ん、もしかしなくとも私この人見たことある?


「もしかして……トリューティテス?」

「やっと思い出したか」


「ええええええええええ!?」


見たことある灰色の瞳だなって思ったけど、ケド……


「小さいコロの可愛げは何処いったの?!」

「あのなぁ」


この町の案内をにこにこにこかわいらしい笑顔で案内してくれていたトリューが、いまや可愛げのない大人に成長~?


「かなり失礼なこと思ってくれてるようだな」

「ア、声出てた?」

「……せっかく助けてやったのに、そーゆう態度とるかよ~へいへい、可愛げなくて悪かったなぁ」

「ごめんごめん、イヤァ……馬鹿だから忘れてたわ」


なんか皆沈黙した。うん?なんかアタシ墓穴掘った?


「阿呆」


デコピンされた……うあぁなんか懐かしい


「ゼシルってさぁ、ゼシルヴァンだよね、懐かしいなぁ泣き虫君」

「よく泣かせてたもんなぁ、そのくせアイツ戦ったら一番強くて」

「そうそう、結局三人で泣いたっけ?」


華やかな昔話に花を咲かせていると店の扉の開く音が聞こえた。


「マリミアさん、お久しぶりです」

「あら、噂をすれば、ほらユイ」

「ユイ?」


綺麗な琥珀色の淡い色がその水のような雅で落ち着いた雰囲気をかもし出していた。


「うわぁ、久振り~ぜんっぜん面影ないね」

「トリュー……に……」



「え?」


目の前には細長い騎士のツルギが堂々たる様で目に映った。


「……漆黒の……毒婦」


またですか?

え~、私の幸せってコレでおしまい?早くない?


「……えーと、ゼシル君だよね~?」

「おい、いきなり何するんだ忘れたのか?」

「忘れてない!確かにボクも会いたかったです、しかし」


射止められるかのような眼差しは心にも痛いよ


「『漆黒の毒婦』を放っては置けない」

「……分かった、いや、よくわかんないけど」


彼と私の間に机があってよかった。

足で机を蹴り上げる


「!?」


それに気を取られたうちに雪衣は走り出した。

階段を上っていく

そして与えられた部屋に入り無駄だと分かっていながら鍵をかける。


「太郎君……」


どうやら私には君だけのようだよ。

扉を叩く音が聞こえる。あと、もめる声も


よし


「話し合いは、よいしょ、嫌いなのよ」


屋根の上に上る。窓から上がるってすっごく怖いね太郎君。

日の落ちた空は……真っ暗でもう夜だ……


あぁ、闇が、星が、月が、まるで私をあざ笑っているようだ……

ふはははは!はぁ~っぁ

逃げよう……


太郎君と一緒に

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