太郎君と老人
眼中に無しといった感じでおいて行かれたル二ソーラと太郎君。
二人は、まぁ正しくはル二ソーラが太郎君を見つめた。
「うむ」
と、頷いた。
頷いただけだった……。
「紹介するわねユイ、北帝国国王であり、私の従兄弟≪ジョルナン=ディダ≫」
大きいですね。この家系は身長が高いようで、羨ましい。
しかし移動魔法って便利だね、普通一週間以上もかかる場所を一瞬で移動できるんだから。
「ところでココ何処?」
赤い横浜の港町~なんっつって
でも窓の外から見える風景は赤いレンガで造られた町並みで、朝だけど夕焼けのような美しさを彩っていた。
ここが敵国。
「ご苦労エイル。そしてユイ我々は君を歓迎しよう」
「はぁ、どうも……あの一ついいですか?」
眼帯の男は愛想よく微笑んだ。
「アタシいつまで縄でぐるぐる巻きなんですか?」
英雄視されてるんじゃなかったっけ?漆黒
「おい!どうゆうつもりだ!」
ムイトが怒鳴る、彼らもまた縄で縛られていた。これでは監禁場所が変わっただけだ。
って、アタシには関係ないけど
「なるほど、マヤ族を謀ったってわけか」
「まぁ、そう取ってもらっても構わない」
ジョルナンは挑発的な笑みを浮かべた。
「といっても、もともとマヤ族は我々の国眷属……それがいつの間にかミットガウンに変わっていたというだけの話」
「ミットガウンって国だったんだあそこ、じゃあノーナイトラウンって町の名前か……うーん、町の名前のほうが立派な気がする」
今は関係ないですよね、はいスミマセン。みんなでこっちみないで。
「えっと、ahahaha」
とりあえず笑って誤魔化してみた。
だって真面目に内容も聞いてないから何がどうやら分けわかんないんだもんね
ジョルナンは王座に座ると顎でどこかを差した。
すると兵士がやってきて連れて行かれるあたし
「ユイ!この、離せ!」
「おい!何処に連れて行く気だゴラ!?」
「マルクム!ムイト、……のアホぉおおおおおおお!!」
連れて行かれたアタシ。扉の向こう越しに「なんでやねぇええええええええん」っていう関西弁の突込みが聞こえた気がするけど。うん、聞こえないフリ
あたしのそばにはボイン……エイルがいた。
ロングスカートからはみ出る白い脚が美しい。アァ羨ましい。男のハート射止める女の武器
話脱線した気がする。
「あたしたちをどうするつもり?」
「知らないわよ」
しらないわよって……貴女
「あのねぇ、貴方だけに言ってあげる。物覚え悪いから」
「いやぁ照れる」
「褒めてないから」
耳元で小さい声で囁く
「私は中からココを潰す。敵を欺くにはまず味方からってね」
それだけ言うと「また会いましょう」とだけいって、颯爽と去っていった。カッコイイといえばそうだけど……
(……結局、貴女はどこの味方なの?)
そして結局どうなるアタシ。