出来る限りの
「ネーネ何してんの?」
クナは人が一生懸命かいていた紙を奪って覗き込んだが、あたしの世界とこの世界の文字は違うため、へんな字。の一言で返された。
「うん、記憶の整理、かな?」
だって今までなんか言われたこととか重要語句とか、全部ギャグで流しちゃったから
「とりあえず、書いてあたしのやるべきことを見つめなおそうって思って」
「ネーネ偉いねぇ」
「覚えてんの?」
クロは痛いとこ突いてくるなぁ。
えぇ、ほぼ覚えてませんよ
「うん、今考えちゅ~」
「ちゅー」
いや、キッスのちゅうーじゃなくてね
「違うの?じゃあ誰とちゅう?」
「思春期なんだよね、うん。邪魔しないでね」
しょうがないよ、思春期だもん。ということにしておこう。うん
紙の上にかかれている文字は少なく白紙が多い。
「えーと、オーベンの片目?だっけ……もうココから怪しい。で……黄金のドラゴン……あ、関係ないか。うーん」
文章能力無いから何をドウ書けばいいのやら。
委員長を見れば皿洗いを手伝ってるし
まるで勉強頑張るできない妹を無視して先を行く完ぺき主義の姉の図みたいだなぁ
……実際アタシの姉は常にアタシを見下して男漁りに精を出して親に反抗ばかりしてたけど
「うーんっと
・偉大な神の……ビー玉?
・地獄とどっかの扉を開ける鍵?
・ゆうげんかいろの終焉(聖女ボインが言ってた言葉)
・神殺し。変革。またはこの世の終わりのため?
・予言の書に殺されそうになった
・委員長どうしよう
・太郎君
アタシどうしよう・どうしよう・こまったな~」
あぁこまったなぁーと書き続けていると、紙を無駄にするなとマリミアに怒られた。
「おやぁ?そういえばトリュー」
「ん?」
「ル二ソーラのじっちゃまは?」
「知らねぇけど?」
「あら、あんたの後ろくっつくように歩くのみたんだけどさぁ?気のせいかね」
「老化?」
マリミアの拳が持ち上がったので見ないふりをしつつ、紙を見つめる。
うむむ
「まぁ、あの爺さん気まぐれだし、帰ったんじゃないか?」
「そうだねぇ」
しかもお茶目だしね。
「ねぇカァカ」
「ん?なんだいクナ」
「新しい本買って?お気に入り燃やされちゃったんだもん」
そういえば予言の書とやらに燃やされちゃったね。あは
アタシも死に掛けたなぁ
はっはは~
「あ」
そういえば
「予言の書についてあの本かかれてたじゃない?」
「うん、クナ覚えてるよ、えへん」
そりゃすごい、じゃなくて
「最後読もうとして燃やされたじゃん?あれってもしかして見られちゃ困るからとか?」
「あー、そうね、その可能性も無くはないわ」
おぉ、委員長が認めてくれた。でも太郎君は認める気がないらしく、視界の隅にも入らないように目を逸らしている。そこまで拒絶しなくてもいいのに……
「でも、本が無いからな」
トリューは残念だと表現するように肩を上げた。
「クナ覚えてるよ?97回読んだから」
「すごい!全く面白くなさそうな本なのに!!」
クナに睨まれたよ~ん
しかしそれなら話は早い
「どうだった?」
「うん!」
・・・・・・?
「思い出すから!」
「覚えてないんかい!!」
まぁ所詮小学生ぐらいだもんね~しょうがないよ~アタシだって伊呂波歌全部いえないもん。
ジュゲムはいえるんだけどね。
「ウン、じゃあ思い出したらいってね」
期待はしません。
「うん、ねーねも頑張ろうね」
それは遠まわしの厭味ですか?
「ウン、ネーネモガンバルヨ」
やったろうやないですかぁあああああああああああ!
まずは何をするか決めよう。
うん、それがいい。
・・・・・・。
「マミ姉~飲み物~」
太郎君を持ち上げてお茶を待つ。つまりアタシは……諦めた。