太郎君と夢
これは夢です。
そうこれは夢。
夢なのです。
「ですよね~、でないとこんなに太郎君が一杯いるわけが……」
空からも床からも横からもぽコぽコぽコぽコ生まれてくる。
なんだろう、さすがにアタシも
「キモイ」
あたしが言っちゃダメですか
ぽコぽコぽコぽコ……
「限度を知れぇえええええええええええ!!!!」
アタシも叫んじゃうよこれは!ありえない!
「太郎君はヒトリでいいんだよ!ヒトリ以上は本当に……!あれだよ!」
なんだよ
「き……た、たいへんだよ!」
まぁ、自分の夢に突っ込んでもしょうがないよね。
あ、何だろうこの影?
後ろを振り向き、上を見上げた。
・・・・・・やばい、生命の危機!アタシのピンチ
「きゃあああああああああ!!!太郎君の大波ぃぃ!!!」
太郎君の波に飲み込まれる。
あぁ、苦し……くはないけど、重い……あぁあぁあぁ~~~
ぱっ
電気がついた。
「おぉ!?」
なんだココ!?三畳間のちゃぶ台に天井にはランプが!?テレビもアンテナついてる!?
えぇ?何、何ココ!!
「あぁ!お父さん」
って、髭はえた太郎君じゃないかぁ~い!
「は!目の前にお茶……あぁぁ!!!お母さん」
って太郎君かーい、何で着物着てるの~~~!?
何この設定、いや過ぎる!
太郎君と家族ってそんなに嬉しくないね!?
「あたしどうしたらいいんでしょう」
なんとなく正座
もう何がなんだか、まるで現実味のない……って、いやはや、夢の中なんですけどね。こんなに夢と分かっているのに疲れる夢は無いでしょう。にしても、現実のようにアタシは今てんてこ舞いで参っちゃうよね。
「神さまとか、戦争とか、漆黒とか、どうしたらいいんだろうあたし」
新聞読んでいた太郎パパが顔を上げた。あ、メガネかけてる・・・・・・老眼?
『進みなさい』
「え?」
手をクイクイと忙しなく動かす。
『進みなさい、失敗を恐れず、傷つくことを恐れず』
「太郎君……」
誰かにそっと優しく手をなでられた、見れば太郎ママ……いつの間にお化粧したの?
『まずは、≪心≫からつくろう。やればできるんだから≪やろう≫という心をつくりなさい』
「心……」
『そう、誰だって、心があればなんだってできる。心があることはそれは素晴しい人類の奇跡』
『心はいつだって人を幸福にする』
大丈夫、自分を信じて
「ありがとう……太郎君」
って、感動してるけどこれ夢ですよね?
……まぁいっか
サブタイトルの変更をしましたが、内容は変更していないので安心してください。まぎらわしくて申し訳ありません。