戦争反対
彼女の家は彼女のように簡潔で必要なものしかありません、という感じだ、そして彼女の部屋は……意外なことに可愛い小物がいっぱいだった。
「マジスか」
「なんでそれしか言わないわけ?それしかいえないの?ねぇ?こっちみろ」
先生より怖いよ委員長
「……」
紙とペンがある、少し拝借してこれまでのことを書こうかと思ったが、リアリストの彼女が信じるだろうか?異世界のことを
『トリップって信じる?』
そう書いて見せたら、彼女はゲームのこと?と信じていないようだった。まぁそりゃそうだ
『信じてくれとはいわないけど、一応聞いて(見て)欲しい』
これまでにことを誤字を交えながら書いたら素早く委員長に指摘された。後でいいじゃないか~
そして全て伝え終わった後会長を見ると、手を出していた
「?」
「実物を出しなさい、その黄金の葉やら林檎やら」
おぉ、なるほど
太郎君からそれぞれ出す。無駄に輝くそれに彼女は顔を顰めた。
「自作自演という可能性も否定できないけど、貴方がわざわざそうする理由もないし、信じるわ一応」
「マジスか」
「で、そのふざけた言葉はいつ治るの?」
さぁ?
「ここで吹いてみなさいよ、これ」
黄金の葉を出して目の前で突きつけてきた。
「吹いたら来るんでしょ?犬笛のように」
ドラゴンまさかの犬扱い
しかし、来るかどうか試すのも悪くないやろうかと思い手に取ったが、停止した
「どうしたの?」
『アタシ、草笛ふけないの』
前にブフって言ったし
「大丈夫よ、吹きなさい。てか吹け」
委員長相変わらず強引
息を吸って吹いてみる
ふふ~
「……」
「……」
「笑ったの?」
首を横に振る。難しいんだって!
「……貸してみなさいよ」
委員長挑戦
「マジスか」
綺麗に演奏しちゃいましたね。彼女はアタシを越えたようです。
黄金のキラキラが目の前に出現した。
彼らの後輪だ。
『貴様ぁあああああああ』
殴られた。何故!?
『何逃げ帰ってんだよ』
「マジスか!?」
あ、今のは逃げ帰ってないよ!?って言いたかったのね
『マジスかじゃねぇぇえええええええ!!お前が消えたおかげで教団VSマヤ族の争いになってんぞ』
「まじすか!?」
なんで?!
『当たり前だ、お互いがお互いそっちが匿ってるんだろう隠しているんだろうって大騒ぎだ!』
「マジスか」
「若葉さん、その言葉しかいえないのいい加減言ったらドウなの?可哀想だわ」
どらごんが
これまでのことを見せるとドラゴンは頷いた豪快な舌打ちもしたけど。ドラゴンって舌打ちできるのね
『奴か、まぁアイツは反人間派だからな』
「まじすか」
……けられた
『とりあえず、もう一度帰るぞ』
「まじすか?」
『行くぞ』
「きゃっ!」
金粉が飛んでいる。そんなイメージが目の前に広がった。
これが本物だったら……どうもならないか。
。。。
刃の交じり合う音に僅かに漂う血の匂い、転がる遺体には異臭があり、戦意を喪失して天を見上げて放心しているものも少なくは無く。死んだものを運ぼうと躍起になっている人も居た。
見るも無残な光景
アタシのせいで
「……なんで」
言葉が戻った。この世界に戻って来たからか、それともあまりのショックでなのか
『人間の血は我々聖獣には毒だ』
ルートがこちらを見つめた
『戦争を止めろ』
それがアタシの使命なら、アタシにそれができるなら、今すぐにでもやりたい。でも
拳を強く握り締める。
体の中で流れる力を制御できない。このまま力を使えば、彼らは全滅しそうだ。
「できないよ、周波がバラバラなの!このままで使ったら皆死んじゃう」
「だったら」
飛鳥に首をつかまれた。
「だったら言葉で止めなさいよ!頭を使いなさい、そんなチカラに頼るんじゃない!」
「!」
そうか、力を使って止めなさい。なんてルールは無い。
武力を持って静止させる必要性も重要性も無い。
「わかった!言ってくる」
「言って来るって、ちょっと!?」
飛鳥は頭を押さえた。
「まさか本当に言って回るつもりじゃないでしょうね!」
『アイツならありえるぞ』
「もう、私までこの世界に来ちゃって混乱してるってーのに!!」
先走った少女を追いかけていく。
「むかしっから人の話をそのまま素直に聞き入れるんだから!!ったく」
『そういえば、お前誰だ?』
「説明は後!」
気丈な少女は漆黒の少女を追いかける。
ホントに叫びまわっている少女を止めるために
「戦争はやーめーまーしょーうー!抗争はーんたーい!!」
「小学生デモかアイツは」