太郎君と悶絶
崖から落ちた上に足をくじきました。
地味に放心していると、しばらくして……詳しく言うなら六分後十五分二十秒ぐらい……ちなみに誤差はあると思う。だって適当だもん。じゃあ言うなよ?……自分突っ込みいたい子~
……なんだっけ?
「おぉーい、ユイ大丈夫か―――?」
「え?何が?頭が?」
向こうが心底哀れんだ顔を見せた。冗談だったのに真剣に受け止められても
「足をちょっと挫いたみたい、でも大丈夫―――!」
「ちょっと待ってろ」
そういうとトリューは滑らかな動きで全くブレずに滑り降りてきた。
まるで王子様みたい……うっわ、自分ひくわぁ
「ホラ」
近くまで来ると手を差し伸べた。
シッカリとした男の人の手、アタシなんかとは全く違う……
「ありがとう」
その手をとって立ち上がる。と、同時に太郎君を落としてしまった。
「あっと、あ、わわわ!?」
「っと、大丈夫か?」
「わっ!えあぁ?うん、あ、りがとう……でもさ」
「ん?」
トリューは愉快そうに小さく笑った、バランスを崩して倒れそうになったユイをトリューが支えてくれたのまでは良かったが……近い。
「そうか?」
抱きしめられるチカラが強くなる、近い、近い近い近い
「も、いいから」
「何が?」
分かってるくせに
セクハラで訴えてしまおうか。コノ世界に裁判所とセクハラってのがあるのか知らないけど
「いい加減に」
「おぅおぅ若いっていいのう、じゃがちとワシ寂しいぞ?」
ル二ソーラが頬を淡く赤色に染めながら茶化す。この人空気読めないらしい、いやでもある意味助かった。やっとトリューが離してくれた。
「ほら」
ついでに太郎君も拾ってくだすって……ありがてぇ
「アリガト」
「いえいえ……さて、と」
足が地面から離れた。
「……ん?」
これは、俗に言う……『お姫様抱っこ』という奴ですか?この歳で?いやぁ歳は関係ないかな?
とりあえず
「照れるぅぅぅ!!!!やめて下ろして離して!恥ずかしいって本気で」
本気と書いて本気だってば!
「はっはっは」
トリューは楽しそうだ。
「このドS―――――!!!」
太郎君の首を絞めながら大声でそう叫んだら、ル二ソーラは楽しそうに笑った。
「行先はどこかの?」
空気読めてないよお爺ちゃぁぁあああん!!!
ただいまです。楽しみに待っていてくださった方、そうでない方も、ただいまです。はい。更新また復活します。
一日おきは難しいかもしれませんが、できるだけコレは早く更新させていきたいと思います。