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お茶目


「トリュー」


繋いだままの手を見ながら相手の名前を呼ぶ、聖女様の家を出てからもうだいぶ経った。


「ル二ソーラの店さ」

「誰それ?」

「変な店でな、こうして心の中で呼びかけないと、現れないんだ……今回は機嫌でも悪いらしい」


それでさっきからずっと行先も言わずに歩き回っていたのかと納得


「座ろうか」


横に倒れた木に座る。


「……ル二ソーラってどんな人?」

「うーん、大抵ジジィの姿だけど、実際はどんななのか、誰もしらねぇな」

「へ~、見てみたいかも」

「気さくなじっちゃんだぜ?ま、人を実験台に使うのは悪い癖だけどな」


にかっとトリューが笑ったのでつられて笑う。


「悪戯も好きだな」

「されたことあるんだ?」

「あぁ、あのじっちゃん、変装が得意でな~、前はカーテンになってたぜ」

「それはもう、変装とかそういうレベルではない気が……」


変化じゃないの?


「変なものになって、困ったことになってたりもするぜ」

「へ~例えば?」

「例えば……」


うーんうーん


「……なんか聞こえない?」

「どこからだ?……この下か!?」


二人で立ち上がって座っていた木を見た。

一瞬白い煙が上がると、そこに長い白い顎鬚あごひげと長髪のおじいちゃんが倒れていた。


「座るもんに化けたら戻りにくいぞって言っただろ」

「じゃって、チューせんかなって」

「スルかっ」


トリューが倒れたままのじっちゃん、ル二ソーラを持ち上げて座りなおさせた。彼がお茶目なル二ソーラらしい


「ワシがル二ーソーラ=マッグル」

「雪衣です、若草雪衣」

「そうかぃ、で?何がお望みじゃ?移動か?物か?金か?わしか?」

「じっちゃんなんてイラねぇよ」

「いたいけな爺になんてこと」


腕をくっつけて上半身を振って可愛らしさをアピールしているらしいが、正直微妙だった。


「移動させてくれ、中層町『スリーライトタウン』の『何でも屋アリア』に」

「あ、さきに『マヤ族』の村に行きたい、いけますか?」

「金さえクレりゃあいくらでも何処でも」


なんかリアルだぁ~


「俺が払うよ」

「ありがとう」

「小遣い遅れ~」

「嫌だよ!」


ホントにちゃっかりしたおじいちゃんだなぁ

出していた手を戻すと着物のような服の袖からタクトを取り出した。


「ひょい」


それを振ると足場が光った。目の前が真っ白になった……


「あ、場所間違えてしもうた」


最後にル二ソールのかなり不安な発言が聞こえた気がした……

大丈夫かな……?

って思っていたら、まるで船に乗っていたら大波来て耐え切れず転覆してしまったときのような、側転したときのような……ええと、つまり


横に衝撃が来て、アタシたちは倒れた。


……なぜ?


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