表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/66

太郎くんと記憶


雨の日だった。

天気予報を信じて持ってきていたはずの傘は、誰かに盗られていた。

高校入試も終わったし、制服がくさくなってもいいかなって思って、雨をやむのも待たず、土砂降りの中を歩いていた。

出会ったのは、人形


「・・・・・・」


買ったばかりで包装の取れていない状態で、捨てられていた新品のお人形。

ゴミの中に埋もれていた。


そこで


「運命の出会いを果たしたのでした……」

「あのさ、あなたのこと聞きたいとはいったけど……ソレハいらなかったわ」


え?


「コレが一番美しい出会いなのに」


三人はいやいやと、手をふった。


「なぁ、ユイ外に散歩に出ないか?」

「逃げる気ですか?」

「誰から、だ?」


睨み合う二人の若者、どうしようかとエイルを見れば楽しそうに微笑んでいた。コップ片手に行ってきたら?とウィンクしてくれたので、行くことにした。


聖女様の家に近くは木々が沢山植えられていて、ぱっとみ清々しい。

今日は天気も良くて……


「眠たい……」

「よし、ユイ」


トリューが楽しそうに雪衣の手を握った。


「うん?」

「逃げるぞ!」


 は い ?


「え、さっき逃げるとか何とかの会話……してなかった?」

「逃げるって誰からだ?って聞いただけでこっから消えないとはいってないぜ?」


屁理屈だろうケド、笑ってしまった。


「そうだね、アタシも死にたくないし」

「行こうぜ」


握られた手に導かれるように走り出す。

懐かしい

思い出す……あのころの記憶


あぁ、そうだ


「ねぇトリュー」

「なんだ?」

「何処連れて行ってくれるの?」


彼はあのときのように優しく微笑んだ。


「楽しいところさ」


そうだったね、そう

貴方は私の初恋の人だったわ……


「ごめんね」


太郎君、忘れたわけじゃないの、今だけ少し余韻に浸らせて

恋焦がれた記憶に、縋り付くのも悪くない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ