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太郎くんと子ども巫女


マヤ族の村のゾッチャーという名の村長の家の最奥の部屋で、小さな少女が太郎君を抱えて部屋の中心に鎮座していた。


「サァヤ、見つかったかの」

「……見つけました、捕まっています。」

「マルクムとヘイムは」

「牢に……」


サァヤと呼ばれる少女はゆっくりと瞑っていた目を開けた。


「……ノーナイトラウン、貴族町の教会……あそこ、嫌いです」

「なにかあるのじゃな」

「うん、強い力を感じる」


とても、大きな力


「それに比べ、彼らの力……衰えていってるです」


人形を強く抱きしめ、ただでさえ不細工人形が見るも無残な様子になった。

そして彼女は祈った。彼女のために……


「ユイさま、大丈夫かな?」




そのころ、噂のユイ様


「城下町『貴族街』って、ふざけてるねこの看板」


ねぇ?って話しかけても無視。ゼシル君って勝手だよねぇ


「……はぁっ」


周りには少人数ながらごつい顔をした騎士の皆様ががっちりガードして逃げれないようにしている。手枷も首かせもされているか弱い少女が、逃げ出せるわけ無いのに、何を怯えているんだか……笑っちゃうね、あっはっは、てか笑ってやれ、あっはっは


「何をにやけている!……不気味な奴」

「最後なにげ小さい声で酷いこといいやがったな、中年ハゲ隠しバレバレのモーツァルトヘア野郎」

「モーツァルト?……が何か知らんが禿げだとぉ!?」


剣を抜いて睨んできた。オォけっこう怖いぞ


「ハーゲン中尉、言動にお気をつけください。騎士の品質を疑われます」


ゼシルがそう簡潔に言い切ると禿げは悔しそうに剣を腰に収めた。


「ハーゲン……禿げん……ぷふ!名前負け」

「うぐぐぐ~、き、貴様」


「毒婦」


ゼシルに睨まれる。


「あまり調子にのると、痛い目見せますよ」


なんだよう、昨日は分かってくれって勝手なこと言ってさ、本当勝手な奴

でも、痛い目見たくないので黙ることにした。禿のおじさんに構うのも飽きたしね。



「それをコッチによこしてもらおうか」


上から声がした。


「トリュー!!」


屋根から飛び降りる際に周りに警戒していたはずの騎士二人を難なく気絶させた。

拍手したいけどできないから口だけで「おぉ~ぱちぱち~」って言ってみたけど、うん、馬鹿っぽいなアタシ。


「トリューティテス!貴様ァ―――!!」


ゼシルが剣を抜いてトリューに突っかかっていく。

刃の交わる音が何度も何度も何度も……目の前で耳の中で響き反響し繰り返される。

何の実感も無くそれを見つめている自分が居た。


「……やめて、ねぇ」


体のそこから冷えていく気がした。


「やめてよ」


二人は稲妻のように素早い行動を展開しているが、音が追いついていない。

交わる剣の速さと体の動き、それについていけない音とアタシ


「やめて、やめてよ、やめって」


あんなにも、仲良しだったじゃない

またなの?

また……



またアタシのせいで崩壊するの?


「やめてって、ばぁぁ―――!!!」


アタシだけが不幸になればいいのに、みんなが不幸になること無いのに!

アタシ以外が幸せに

アタシがいけないのに

アタシは

アタシ




「こら」


どかばき


「がは!」「いて!?」


二人を止めに入ったのは、なんと言うか……ぼん!きゅっ!ぼん!のセクシー女性

きつい感じの目が姉御って感じ


「・・・・・・誰?」

「初めまして漆黒の少女、私は聖女エイル=ブリュンダル」


今から向かうはずの監視者


「貴女を束縛するものよ」



これは、死刑宣告ですか?


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