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dOLls〜私はヒトか考え中〜  作者: 卯月よひら
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2話 学校

 彩愛(あやめ)は目を覚ますと、カーテンから日差しが漏れていた。

 

 眠る前が暗かったため、夜だったのかと考えていると、今が何時なのか気になった。


 無意識にこめかみにあるスイッチを押す。


「ぶれねっと、今何時?」


「おはようございます。今は午前七時二分です」


 慣れ親しんだ、柔らかみのある女性の声で返答があった。


 起きようと、手慣れた様子でこめかみに繋がれていたコードを抜いて、はたと気づく。


「勝手に抜いてよかったのかな…」


 家と同じくぶれねっとの端末に充電している感覚だったが、ここは病院だ。


 点滴のように、看護師が外す必要があったのではないのか。


 ヘソのコードを抜くか迷っていると、華菜が病室に入ってきた。


「おはよう、彩愛。気分はどう?頭痛とかはない?」


「おはようございます。頭が少しぼんやりするけど、身体の重さはなくなりました。

 コードは抜いて大丈夫でした?」


 こめかみに繋げていた赤いコードを見せると、華菜は大丈夫と笑った。


「端末の充電と、バックアップが完了しているから問題ないよ」


「バックアップ?」


 華菜がやってしまったという表情になり、彩愛は不安になった。


 華菜はガシガシと頭を搔いてから、ベッド横の椅子に座った。


「君のおじいさんには嫌がられたんだけどね…。

 記憶障害の話をしたでしょう?それもあるんだけど、心的なストレスを抱えていないか確認するために、君の脳波を測定させてもらっているんだ。

 動作や歩行の際に問題がないか、行動記録も取っている。まっすぐ歩いているつもりが、実際は斜めに歩いていたりと本人が気がつかないこともある。

 それに次に狙われた時に、本当に記憶が戻らないかもしれない。君に見せた方がいいと思って、こういうのは早めに記録したほうがいいと。ぶれねっとの使用履歴に、よく動画や写真を撮っていたようだから、記録は残したいタイプかなと思ったんだ。

 嫌だったら、止めるから」


「そうだったんですね。別にこのままでいいですよ。AIに自分の記憶を覚えさせたいとか、そういうのは考えていないですけど、動画を残すのはみんなやっていますから。

 おじいちゃんは、そういうのよくないっていいますけど…。

 今、あのまま目が覚めなかったら、私は死んでたんだって思うと、怖くなりました。次襲われるとか考えたくないですけど、記憶をなくして自分がわからなくなるのも怖いと思うから」


「わかった。記録は続けておく。彩愛は、人の記憶を記録させたAI搭載型アンドロイドは、反対派?」


 華菜は、彩愛のヘソに繋いでいたコードを抜くと壁のコードホルダーにしまった。


 彩愛は服を整えながら、どう答えようか悩んでいた。


 AI搭載型アンドロイドは、大まかにAIにBMIを使用して不特定多数の人たちの感情や行動を覚えさせたものと、個人の行動や思考パターンを記録させ、本人のコピーを作るものがある。


 人の記憶を記録させたAI搭載型アンドロイドは、本人が死んでも、本人のように活動できるため、人が子どもを作らなくなったり、社会活動や発展が鈍化するなど、人類の進歩の妨げになると龍之介は反対しているのだ。


 彩愛は龍之介の主張を理解していた。もし、国民を虐げる独裁者が死んでも、その独裁者が残した記憶を持つAI搭載型アンドロイドが存在し続けたら、権力を握り続け、永遠に国民は助からない。


 独裁者とはいえ、いつか死ぬからこそ、政治体制や国民の意識が変化が起きて独裁を終わらせることもある。その変化が起きないのだ。


 AI搭載型アンドロイドがもたらした影響は、それだけではない。新たな過激な思想を持つ人々が現れた。

 AI搭載型アンドロイドを新人類とし、神のように考え崇めて、自らもアンドロイドとなった。彼らは死なないことから、ラテン語の不死者を意味する、アサナシオスと呼ばれている。


 アサナシオスは時に自分らの思想に反する人たちを殺すこともあり、龍之介をはじめ宗方家は、反アサナシオスを唱えており、そのせいで、彩愛の両親は殺された。


 AIやアサナシオスを脅威と感じた人々もいた。人類、いや生命至上主義を掲げるアポトーシスという、組織もある。


 元々のアポトーシスの意味は、予め予定されている細胞の死のことであり、自殺細胞とも呼ばれている。


 胎児の手のひらには水掻きのようなものがあるのだが、生まれた時は消えてしまう。


 このようなことが起きるのは、アポトーシスがあるからだ。他にもガン化する細胞の成長を阻止するため、細胞自体が死ぬこともある。そうやって、細胞が働くことにより、人という個体は維持される。


 人自体もアポトーシスのように、死ぬのが自然であり、それが社会や人類の発展と存続になるとして、組織の名につけられたという。


 龍之介はアサナシオスの思想に反対だが、かといってアポトーシスに加盟しているわけではなかった。


 アポトーシスもまた、過激な組織で、アサナシオスだけではなく、AI搭載していなくとも、アンドロイドを見つければ破壊する人々であった。


 なな実のように、アンドロイドを使って生活している善良な人々も攻撃することもある。


 龍之介はなな実のような生まれつき障がいのある人々が、AI搭載型アンドロイドを使うことに寛容だった。


「AI搭載型アンドロイドに反対かというか…よくわかりません。実際にアンドロイドになった人に会ったことがないので…。

 先生は、AI研究はしているんですか?」


「うん。AI研究が本業かな。なな実のアンドロイドにもAIを搭載しているけど、それは補助的なことなんだ。四六時中、操作するのって疲れるんだよね。ただ座っているだけとか、そういうときの姿勢を学習させて、自動で制御することで、生身のなな実の疲労軽減させている。

 私はなな実のような普通の生活や生きていく機会を奪われた患者を救いたいから、AIとアンドロイドの研究をしている。アサナシオスの連中とはまったく付き合いはないから、安心して。

 むしろ、私はあいつらの極端な考えは嫌いだ。AIは神でもないし、すべてに正しい答えを示すわけではない。アサナシオスは私の研究を欲しがって奪おうとしているし、あんな奴らに渡るくらいなら、すべて抹消する気でいるよ。

 私は人類が自らの意思と自由を守り、尊重することが素晴らしいと考えている。だから、君のおじいさんとは敵対しないし、仲良くやっていきたいと思っているから」


「わかりました」


 ベッドから降りると身体の重さが抜けて、一人でも歩けるとわかると、華菜はリハビリ部屋に彩愛を連れて行った。


 まっすぐ歩くだけではなく、道にある障害物に見立てたブロックを避けて歩く練習をした。


 こちらもはじめは距離感が掴めず、ブロックにぶつかってしまったが、慣れると避けて歩くことができた。


 階段を上ってみたりと、日常生活に支障がないと華菜が判断すると、今日中に退院できると言われた。


 華菜から龍之介に連絡をすると、彩愛を迎えにくるという。


 それまで彩愛は病室で待つことにした。


 龍之介が何時に来るかわからないため、彩愛は過去に撮影した動画や写真を見直した。


 古いものは小学生くらいのときのもので、懐かしいと思いつつ、大量にデータがあることに驚いた。


「ブレていたり、いらないのは捨てよう」


 この際だからと、データを整理していると、両親の写真や動画がでてきて、思わず涙が出そうになる。


 どうして動画を撮ったのか、記憶にはないが他愛もない日常の風景に胸が締め付けられた。


 他にもないかと探していると、龍之介が病院に到着した。


 龍之介は、製薬会社の社長をしており、多忙のはずだが意外と早く病院に来た。


 すでに会計を済ませたのだろう。一階にある受付や会計のあるところには行かず、外に出て駐車場に停めていた車に乗った。


 龍之介は病院から一般道へ出ると、自動運転車線に入り、車を自動運転に切り替えた。


 通常公道では手動運転用と、自動運転用の車線があり、多くの運転手は自動運転用の車線を利用している。


 自動運転にすると車間距離や信号を車が判断して、目的地まで運転してくれる。


 自動運転用の車線でいつまでも手動運転していると罰則があり、逆に手動運転用の車線で自動運転していても警察に捕まる。


 すべてが自動にならないのは、自分で運転したいという人もおり、また私有地や山林などは安全性の問題や手動運転用の道路しかないため、運転技術は必要であった。


 何よりも日本ですべて自動運転にならないのは、運転を制御するAIに誤作動が生じるのではないのかという不信感を抱く人が一定数いるからだ。


 そのため、車線が二種類ある。


 龍之介は運転席を回転させ、後部座席にいた彩愛と向かい合う。


「痛みやつらいところはないか?」


「うん、不思議ことにないよ。ごめんね。迎えに来てもらっちゃって。忙しいのに」


「彩愛が気にすることはない。学校にも連絡を入れておいたから、担任の先生からメールが入ると思う。

 学校は行けそうか?」


「うん。でも学校までちゃんと歩けるか確認したいんだ。リハビリのときにつまずいちゃったりしたし」


「そうか。しばらくはおじいちゃんか、タクシーで送り迎えしようと思っている。お前が生きていると知れば、アサナシオスの奴らが何するかわからない」


「私を撃ったのは、アサナシオスだったの?」


「…ああ。彩愛が撃たれた日に、連中の声明文がおじいちゃん宛にメールで送られてきた」


 龍之介は声明文の内容は話さなかったし、彩愛も聞きたいとは思わなかった。


 聞いたところで、彩愛にできることはない。


「おじいちゃんも気をつけてね」


「ああ」


 彩愛の家の前に車が停まると、龍之介が門に設置したセキュリティカメラに顔を近づけた。


 以前は門を鍵で開けていたが、彩愛の両親が殺害されてから、顔認証をしないと家に入れなくなった。


 車から降りて、玄関のセキュリティを解除し、ようやく家の中に入ると彩愛はホッとした。


 部屋の中は襲撃される前と少し変わっていた。


 ベッド脇にはぶれねっとを充電するコードのほかに、別の充電用のコードが増えていたのだ。


「病院で教えてもらったと思うが、使い方はわかっているよな?」


「うん。等々力先生に教えてもらったから、大丈夫。ごはん食べなくていいらしいんだけど…」


 排泄について聞きたかったが、親代わりとはいえ、祖父に(しも)の話をするのは恥ずかしかった。


「病院と同じだ。おヘソにコードを差せば自動的にやってくれる。赤ちゃんのへその緒と同じだと思えばいい」


「…そうだね」


「あっ、先生から聞いたか?風呂は入らず、シャワーは手短にするようにだそうだ。万が一、ヘソから水が入ったらショートしてしまうらしいからな」


「げっ…」


 ぶれねっとなどBMI端末が露出しているのに気が付かず、頭を洗った人がショートして亡くなったという事故が稀にあることを彩愛は思い出した。


「気をつける…」


「そうだな。シャワー浴びる時はおじいちゃんに連絡をするんだぞ。なんかあったら、すぐに助けに行けないからな」


「うん」


 ぶれねっとについて注意することは、水によるショートだけではない。


 ぶれねっとはインターネットと常に接続されており、視覚や聴覚、嗅覚も脳に直接情報を送り込むことができる。


 例えば、グルメ番組で料理の匂いを視聴者に届けたいとする。匂いを電気信号に変えて、脳の嗅覚を司る部分に送ると、視聴者は料理の匂いを直接嗅いでいるような体験ができる。


 このことにより、わざわざ行かなくても、現地にいるような体験できるようになった。


 だが、いいことばかりではない。脳に送る信号を悪用するコンピュータウィルスもあり、脳へ膨大な情報を送りつけてダメージを負わすタイプだけではなく、運動部分を操作したり、判断力を低下させて、自殺を促すタイプもある。


 ぶれねっとは、最新のセキュリティだとうたっているが、現状はウィルスとのイタチごっこであった。


 臓器のほとんどが電子機械であるサイボーグになった彩愛は、普通の人よりもウィルスに注意しなければならない。


 心臓の機械を止めるウィルスが入れば、一瞬にして彩愛の鼓動は止まるのだ。


 龍之介が部屋から出ていくと、彩愛はタブレットとレーザーウォッチのセキュリティを最新に更新してから、家についたことをなな実と凛に連絡した。


 この時間は、まだ彼女たちは学校にいるだろう。


 学校の先生から連絡がないかタブレットのアプリを開くと、メールが溜まっていた。


 授業で出される課題は、毎回メールで送られてくるため、二週間以上学校を休んだせいで、課題が溜まってしまっていた。


「うわ…」

 

 メールを読む気が起きず、閉じようかと思ったとき、今日の日付で担任からメールがきていた。


「撃たれたと聞いて心配しました。さぞかし怖かったでしょう。おじいさんから退院したと聞きました。登校は体の具合を優先してください。リモートで授業は受けられるので、受けられそうだったら、連絡ください。

 休みの間に出された課題はできるだけ提出するようにしてください。グループ学習の場合は、別の課題に変更するか各先生と話し合いますので、決まったらお知らせします」


 メールを読んでさらにため息がでた。


「全部やるのか、これ…」


 ブレインマシンインターフェイス・通称BMIの普及により、教育制度が大きく変わった。


 特にテストでは、こめかみについている端末でインターネットに繋ぎ、解答を検索してしまうことが大きな問題になった。


 さらに、宿題をするのにインターネットを繋げればすぐに解答が出てくる環境が、子どもたちのやる気を削ぎ、学力低下(・・・・)になった。


 技術の登場当初は、身体に直接端末を埋め込むことに多くの人が反発し、日本での普及は遅れに遅れた。


 アメリカでも州によって判断が分かれ、BMIを子どもにつけさせるかどうかを決めるのに、大統領選の主題にまでなった。


 日本やアメリカが倫理的なことで、世論が分かれている中、一部の社会主義国家が国を挙げて技術の飛躍を後押しをし、倫理的に抵抗のない途上国がBMI先進国となったことで、日本政府も重い腰を上げざるを得なかった。


 教育現場において、学校にいる間は使用不可としていたが、多くの教科書がタブレットの中に入り、クラウドに教材が置かれていることや、いたるところに無線LANが飛び交う社会で完全にインターネットをシャットアウトするのは難しかった。


 むしろ、世界ではBMIを活用し、問題を解決する能力が求められるようになり、暗記や詰め込み学習が主流の教育方法は時代遅れとなった。


 英語などの外国語も、インターネットの翻訳機能が進み、同時通訳が可能となった。


 子どもたちに求められたのは、理解力はもちろん、問題を迅速に解決する能力、そして、ディスカッション、コミュニケーション能力、何より発想力である。


 テンプレートな思考はすべてAIがやってしまうので、人間にしかできない発想が重要になった。


 とはいえ、芸術分野はほぼAIにとって変えられていた。


 データ化されるものは、すべてAIが対応できる。


 つまり、AIは過去の人類の蓄積であるため、類似作品はすぐに作成できる。


 芸術家たちは新たな芸術もしくは、インターネット上に載っていないジャンルの作品を創作せねばならなかった。


 例えば、誰にも触れずに研究されていないような、ジャングルの奥深くに住む先住民の音楽や絵は、AIは作成できない。


 しかし、インターネット上に公開され、複数データ化されてしまえば、類似作品は作れるのだ。


 安価で早く作られる作品に、多くの企業が魅力的感じた。そのことで、人に依頼して作成するという時間と金は求められなくなった。


 人々はもはや勉強は記憶するものではなくなり、そのため、テレビで人気だったクイズ番組も廃れていった。


 出題された瞬間視聴者が脳内で検索をかけてしまい、答えを知ってしまうため面白くないのだ。


 無人島を生き抜くなど、知識や知恵を絞り、機転を利かせ解決していく番組が増えていった。




 彩愛のもとに届いたメールの数々は、テキストを開いて問題を解くものではなく、授業内容を要約したり、不明点や授業で気になったことを調べ、レポートとして提出するものである。


「まずは簡単そうなもの…」


 彩愛は文系科目を選択していたが、文系理系共に情報科目は必須になっていた。


 情報科で出された課題は、グループでプログラミングするものであった。


「情報は後回しにして…。世界史からやろうかな」

 

 授業で行われた教科書数ページを年表に書き起こして、指定された人物や歴史上の事件をまとめるものであった。


 タブレットの歴史の教科書が入っているアプリを開き、目的のページを探した。


 別のウィンドウを開いて、レポートを書いていく。


 終わると課題が添付られていたメールに返信する。


 その繰り返しである。


 二日分の歴史の課題が終わると、レーザーウォッチが軽くバイブし、なな実から連絡が入ったことを知らせた。


「今大丈夫?凛と、彩愛と話したいって話てたんだ」


「今大丈夫だよ。学校のメール開いたら、量に絶望しているところ」


「もう見てるの?さっすが、彩愛。まじめ〜。私が書いたのを送ろうか?」


「本当?助かる!」


 レポートとはいえ、多くは教師が板書したりしたものを、自分のノートに書き写すようなもので授業中にほぼ完成する。


 授業を休んだ日などは、友人のレポートをコピーをするのを学生たちはみなやっていた。


 教師によっては、授業中から作成したのか作成日の時間までチェックしたり、学校のクラウドを使い、指定フォルダに入っているフォーマットに記入し、他のフォルダや端末に移動できないよう、ロックする人もいる。


 彩愛の受けている歴史の教師は、割りと寛大なので、生徒たちから人気であった。


 なな実からメールが送られてきた後に、通話の着信が入った。

  

 画面上の通話ボタンを押すと、教室の机や椅子を背景に、女の子二人が映し出された。


「彩愛〜!!」


 なな実の隣に座っていたふんわりパーマをかけたロングヘアの女の子、凛が画面に手を振った。凛は彩愛の顔を見るなり、涙で顔がグシュグシュになってしまった。


「心配かけてごめんね」


「ううん、ううん!彩愛が生きてて良かったぁ」


 凛の涙が止まるのを待ちながら、なな実が学校の様子や今出されている課題について教えてくれた。


「退院したばっかなんだから、焦らなくていいと思うよ?身体だって慣れてないんだから」


 なな実の言う通り、焦って授業に追いつこうとして、無理してまた入院となったら意味がない。


「また連絡するね」


 凛も彩愛が病み上がりなんだからと、もう少し話したい気持ちを抑えて通話を切った。


 サイボーグの臓器と生身の部分のバランスがとれず、疲れるかと思ったが、彩愛が考えていたほど辛くはなかった。


 ただ、頭が難しいことをたくさん考えたあとのように重かった。


「早めに寝ようかな」


 シャワーを浴びようと、リビングに行ったら龍之介はいなかった。


 会社に戻ったのだろう。


 彩愛は龍之介にメッセージを入れたあと、シャワーを浴びた。




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