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源氏物語ってこんな話だったんだ  作者: 紫月ふゆひ
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源氏物語の世界⑩平安美人、平安美男

「不吉なほど素晴らしい」とか「この世の人とは思えない」とか形容される、超絶イケメンな光る君。

皆さんはどんな姿を思い浮かべているでしょうか。

二次元の美形男子でしょうか。推しの俳優さんとかアイドルでしょうか。どちらにしても、現代の基準ですよね。私たち、現代人ですから。

紫式部や当時の読者は、どんな風に想像していたのでしょう。


というわけで、平安美人と平安美男てどんな感じだったのか、考えてみたいと思います。


参考になるのは平安末期の作とされる源氏物語絵巻です。平安中期の人物画があるとなお良いのですが、難しいようです。その頃は大体仏画や風景画で、肖像画のようなものはないでしょう。

そしてやはり源氏物語の本文。と言いたいところですが、容姿の描写はざっくりしているんですよね。

現在なら、外見の描写は結構大事です。それを基に、読者は脳内で人物や風景を想像して物語の世界に入っていくわけです。しかし平安時代、貴族女性は原則として人前に姿を現しません。だから容姿の詳しい描写は不要なのかもしれないし、顔の良し悪しもあまり重要ではないのかもしれません。かといって、全く気にならないわけでもないようです。

「噂通り器量は良いのか?」と質問しているシーンもありましたし。



さて、当時の美の基準ですが。。。

まず、均整がとれている、というのは古今東西変わらない原則でしょう。これは本能とも言えます。

その上で、

1.目は切れ長

2.鼻筋はすっと通っている

3.口は小さめ

4.ふっくらした頬

5.色白

6.ぽっちゃり体型?

7.(女性)艶やかで豊かな長い黒髪


絵巻では、目は線状に書かれていて、瞳なんて見えません。古代だと、水の中の魚のようにキラキラした目が美しいとされていたようですが、平安時代は、目がはっきりしているのは好ましくなかったのかもしれません。

そして、絵巻に描かれる人物は、皆ふくよかな顔立ちをしています。近代以前は、ふっくらぽっちゃりというのは、豊かさの表れでもありました。それだけ食事に困っていないということですから。度が過ぎれば「肥満王」なんてあだ名をつけられたりもしますけどね。

現在では安くて高カロリーの物が溢れているので、アメリカなどでは低所得者ほど肥満傾向、だなんて言われますし、あそこまでいくと健康上よろしくないことは誰もが知っています。

帚木巻で、軒端の荻と空蝉の姿を光る君が覗き見しているシーンがありました。器量がよいと書かれていた軒端の荻は『つぶつぶと肥えて』、さほど器量が良くないように書かれていた空蝉は『痩せ痩せ』でした。これがどの程度かは分かりませんが、ボリュームのある十二単を着るのに、現代のモデルさんのように瘦せ型の人ではバランスが悪かったかもしれません。

北山の尼君は、痩せていても頬がふっくらしていると書かれています。しもぶくれの頬が良いとされていて、おたふく風邪にかかると、美人になったと喜んだとかなんとか。

そして、長い黒髪が平安美人の要素であることはよく知られています。長ければ長いほど良い、というわけでもありませんが、2~3mある人もいたようです。




さて、外見だけがものを言わないのが平安時代です。

ルッキズムが行き過ぎていると言われる現在でも、外見以外の要素を無視できるわけではありません。

どんなポイントがあるのでしょう。


1.気品がある

2.字が美しい

3.文章や歌が上手

4.センスが良い

5.豊かな教養がある

6.芸事に秀でている


これは貴族限定ですね。

この頃の男女のお付き合いは、実際に顔を合わせる前から始まるので、外見以外の要素は結構大事です。むしろこれがダメだと、外見だけ良くても残念な人になります。

外国との戦争や内乱がない時期だったのもあり、男性も女性も優美でたおやかであるのが良しとされていて、武人タイプはむしろ敬遠されたようです。


絵巻の光る君は、若い頃はぽっちゃりしていないように見えますが、他は全部クリアしているのでしょう。それも、高いレベルで。

葵の上や桐壺の更衣や藤壺宮は、すべてクリア・・・・??

夕顔は、見た目平凡で、他もまあまあ及第点といったところでしょうか?

六条の女君は、見た目不明ですが、他は軽々クリアしているのでしょう。


イメージと合っていますか?違っていますか?

私は・・・やっぱり想像するの難しいです。どうしても外見は現代基準になりますね。


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