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50億年後のタニストロ  作者: 城塚崇はだいぶいい
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第四話 科学食堂

「ただいまぁ」

 剛君は学校を終えて、放課後を友達と校庭で遊んだ後、徒歩五分程の自宅へ到着した。

「おかえり、今日は何食べる?」

 キッチンから返事をするお母さんへ剛君は答える。

「う~ん、ドコサヘキサエン酸定食」

「りょうか~い。ちょっと待っててね」

 剛君のお母さんはね、食堂をやっているんだ。店名は『科学食堂』。看板メニューはアントシアニン定食だ。その他にもカプサイシン定食、イソフラボン定食などメニューはそこそこ豊富だ。とても小さなお店で従業員はお母さん一人。残念ながらというか、予想通りというか繁盛しているとは言い難く、一部の常連さん以外は滅多に来ることはない。利益そっちのけで、完全にお母さんの趣味に走った営業形態がその主な原因だ。今日も平日とはいえ晩御飯の時間帯だというのにお客さんが一人もいないというのはちょっと心配になってくる。

 剛君は学校から帰ると、この食堂でお母さんの作った定食を毎晩食べる。

「どうしたの?何か考え事?」

 お母さんはドコサヘキサエン酸を醤油で味付けしたものと、みそ汁とご飯を剛君の前に置くと、向いの席に座る。

「うん、今日さ先生から聞いたんだけど、太陽ってだんだん大きくなってるって知ってた?」

「もちろん知っているわよ」

 剛君の質問にお母さんは得意げに答えた。

「え!じゃぁ、何か対策も考えているの?」

「う~ん。特に考えたことはないかな」

 今度の回答は得意げではなかった。

「え?太陽が大きくなってることを知っていたのに何もしないでいたの?」

「太陽が大きくなると何か問題でもあるの?」

 今度はお母さんが質問で返した。

「だって、このままじゃ地球が太陽に飲み込まれてしまうんだよ!」

「でもそれは50億年後の話だよ。そんなに未来のことを悩んでいたの?」

 お母さんは驚きつつもちょっとあきれて笑いが込み上げていた。

「笑い事じゃないよ!僕の目標はタニストロフェウスの復活なんだ。頑張って復活させるんだから、もう二度と絶滅してほしくないんだ。でも、このままだと50億年でまた絶滅してしまう。タニストロフェウスも、人間も」

 50億年後を真剣に悩む息子に対し、お母さんもさすがに笑ってはいられず。

「それは、壮大な悩みを持ったものだね。地球に生命が誕生してから35億年といわれている。つまり、50億年間絶滅しなかった生物というのは、まだこの世に存在しない。生きた化石と言われるカブトガニで2億年、シーラカンスですら4億年にすぎない。これらの大先輩を大きく引き離しての50億年の生存。スケールがでかいね」

 剛君は悩んだ末に・・・。

「決めた!タニストロフェウスの復活のために、まずは50億年後に絶滅しない方法を考えてみるよ」

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