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50億年後のタニストロ  作者: 城塚崇はだいぶいい
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第二話 50億年後に君が死ぬ

「・・・というわけで月は地球の周りをまわっていて、地球は太陽の周りをまわっているんです」

 二時間目の授業は理科だ。先生は太陽と地球と月の関係について、とても丁寧に教えてくれた。

 地球が丸いということは小学生なら何となく知っていることだと思う。でも、何で知ってたんだっけ?お父さんかお母さんに教えてもらったんだっけかなぁ?ただ、初めてそれを聞いたときはさすがにびっくりしたのをほのかに覚えているよ。

「地球が丸いなら、なんで地球の裏側の人は落っこちてしまわないの?」

 たしかそんな質問をしたような気がする。そしてその質問に対する回答が、重力の何とかかんとかで・・・という感じで、さっぱり理解できなかった。


「時間が余ったから、太陽と地球についてちょっと先の話をしてみようかな」

 先生は何を話すつもりだろう?

「太陽は、実は地球もそうなんだけど、時間とともにゆっくり大きくなっているんだ。そして、このまま大きくなっていくと、50億年後には地球を飲み込んでしまいます」

 え?地球を飲み込む?

 生徒たちはみんな、小さくざわめいた。

「君たちなら、この困難をどう乗り越える?」

 多少の思考時間の後、何人かは手を挙げて発表する。

「僕なら、スペースシャトルを作って別の星へ引っ越しをする!」

 ある生徒が自慢げに発表すると、別の生徒が続く。

「無理だよ!地球の近くに人間が住める星なんてないらしいよ」

「大丈夫、僕が作るのはスーパースペシャルスペースシャトルだから、ものすごく速くて遠くの星まで一瞬で行けるんだ」

「先生、僕なら火星に逃げる。火星なら近いから行けるんじゃない?」

「たしか火星はすごく寒くて空気も少なくて人間は住めないんじゃなかったかなぁ?」

「火星を住める星に改造するんだよ。50億年あればできるかもよ」

「先生先生!私なら地球を乗り物に改造して地球ごと逃げる!だって私、今のお家大好きだもん」

50億年後には生きてはいないのだから自分には関係のないことだ。という発想は、なぜか誰も考えなかった。まるで50億年後の未来が自分の手にかかっているとでも思っているかのように。いろいろな意見が出てくる中、剛君は、すごく複雑な顔をして考え込んでいた。きっと科学的なことを考えているんだろう。

 剛君ならいったいどんな手を使って人類を絶滅から救うのだろう?

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