消えてしまう君に
思い出の中にいつも
君の姿を見るんだ
ただ遠くを眺めて
そっと息を吐いていた
長く伸ばした髪も
少し薄い化粧も
僕好みらしい人に
君はなろうとしてくれた
あなたは誰?
と僕は君を傷つけて
何も知らない顔で罪を重ねた
もう嫌になる
吐きつけられる言葉に
成す術もなく
黙りこくっては空を見上げた
幾度繰り返した?
そんな問いかけにも
君は微笑むだけで
それ以外は何も言わなかった
大切なことを
忘れてしまうのなら
大切なものなど
手にするべきじゃない…
遠い記憶を漁ろうと
振り返るけれど
いつも浮かぶのは
同じ人の笑顔
溢れ出す涙の意味すら
僕は分からず
ただ一人きりで
窓の外を眺めている
遠い記憶の中の
君がまた笑って
目を覚ました僕が見た世界は
変わることのない
部屋の天井