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黄昏の調べ  作者: 川本浩三
プロローグ
1/41

魔法使いは語る

「そんな遠くにおらんと、もっと火に近づくとええ」


 請われるまま、老人の近くへと腰を下ろす。

 古びたとんがり帽子に薄汚れたローブ。蓄えた髭は白く長い。その老人はまさに――


「魔法使いのようじゃろ? 当りじゃ。そうじゃな、この世界の事を知っておるなら、多少は自慢できる魔法使いじゃよ」


 そう言って魔法使いと名乗った老人は手に持ったパイプに火を灯し、紫煙をくゆらせる。


「さて、お主はワシに話を聞きたいんじゃろう? どんな話がよいかのう。なんでもよいぞ。魔の森の深淵に住まう魔女の話かの? それとも火山を根城にする火龍の話がよいか。なんでも聞くと良い」


 ならば、と老人に知りたいことを問う。


「ほう……ワシが若かりし日にブイブイいわせたモテ術ではなく、その話を欲するか。黒くぽっかりと穴が開いた夜の歴史へ繋がる時代……黄昏の時代とでも言うべきかのう」


 闇に包まれた歴史を夜と比喩したのはとてもしっくりときた。夜明けを唄ったあの歴史の結末は聞き及んでいるが……黄昏から知ることができるのは僥倖(ぎょうこう)だ。


「ふむ、では語ろう。歴史の生き証人として……激動の時代を戦った、大魔導グランフェリア・ヴァルドルの名の下に、失われた時代の始まりの時を!」






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