intermission
「艦長!?いったいいままでどうしてたんですか!!作戦は!?オペレーション・メテオはどうなったんですか、どうするんですかこれ!!」
暗黒の宇宙空間に、闇なお暗き黒オバマ。外宇宙探査艦プレジデント・オバマの艦橋内に声を荒げる艦長代理。美貌のシホことアールグレイ・シホンティの通信あいては当然我らが幼女艦長、ムチャな作戦振るだけ振ってそのあとまったく音信不通、十数時間ぶりにひょっこり電話かけてきた呑気なツバサさんである。
「花火みてた。」
「花火ィ!!!?なにやってんですか!!」
想定以上のシホの反応、ぷりぷり怒るその様子、面白くて仕方がないとツバサの口元半笑い。その目線はモニター下方、ぷりぷり怒るシホの胸元。母艦であるオバマをすんでのところで撃沈されるところであったシホにとってはまったくもって冗談ではなく、さすがのさすがにマジギレである。
「まあそう怒んなよシホちん。夏の花火っ!をキレイだねえとみんなで見上げるそういう時間ってすごく大切なんだ、守らなくちゃいけないと思う。なんていうか…『スキ』なんだよ。」
「黙れ!!」
どこかで聴いたいけめんセリフに間髪入れずに刺さるツッコミ。ツバサは『ほう?』と真顔に戻りモニターの向こう見返してくる。
「己様に向かって『黙れ』とはまたすごい度胸。シホちんもずいぶんとえらくなったもんだ、みのもんた。おいヒゲ、シホちんに2ポイントあげて。」
「ははは。どうぞ2ポイントです。」
ダンディーなヒゲ、けっこう偉いイソジニール少佐から差し出される2ポイントのプレート。つい出てしまった『黙れ!!!』の言葉に我がことながら困惑し、気まづそうに受けとるシホの大きな胸が震えてる。美貌の艦長代理の感情表現、心は顔より胸に出る。満足そうに眺める少佐の視線はいつでも斜め下。
「…で?己様に対する愉快な態度は置いといて、<報告>がねーぞ<報告>が。己様ちゃんが『やっといて』って言っといたオペレーション・メテオはどうした、いったいどうしてどうなった。」
満足そうに促すツバサの視線はやっぱり斜め下。<報告>がねーぞも何も、そもそもふざけた<報告>をしてシホをキレさせたのはツバサなのではないだろうか?しかして軍隊という組織は絶対、上官と部下の関係は定形。韻を踏んでルディスってル、揺れてルシホの大きな胸が艦長代理の感情表現ヨーメーン。
「…襲撃は失敗、撤退しました。」
語尾とボインを震わせながら、制帽の庇をグッと引っ張り精一杯の反抗の姿勢。庇の陰から覗く瞳は怒りの焔に静かに燃える。
「チッ…負け犬ども。」
「ッ!!?」
大袈裟な。アメリカジェスチャーでアーハン?と、首をすくめる艦長ツバサ。信じられないという目で画面見返す艦長代理。本来ならこういった艦長の暴虐を諌める立場にある監査役、わりと偉い人であるイソジニール少佐は画面を覗き込むシホの、突き出たヒップを嬉しげに観賞しており微動たりともしやしない。不憫なシホを助けるものはこの空間にひとりもいない。夏の夜半のないないナイトはただひたすらに理不尽に更ける。
「ま、そんなわけでシホちん、己様たち今から作戦通りにこの、日本人なめきってるくされチョンマゲマーチ星の、ふざけくさった敵さんの本拠地ぶっ潰してくるから。母艦さんも予定通りヨロ。」
「え………は?まだ続けるんですか!?作戦!?」
「まだもクソもさあ。『まだ』開戦まってもないんだが?地上は。」
「宇宙は既にボロクソ負けてますが!?」
「33 - 4。」
「艦長ッ!!!」
「艦長命令。」
「ッ…!」
暗黒の宇宙空間に、闇なお暗き宵の闇。シホの言葉にならない叫びが響くなか、夜の闇はその暗さのなかに妖しさを孕み。刻一刻と、その深さを増していくのだった。




